ワイ『どうすりゃいいんだ…』
本拠地、シャルロッテ蒲田店で迎えた2020年10月18日。
突然の知らせに気持ちの整理がつかず、笑い声もどこか寂しげだった。
店内に響くご主人様の心配する会話、どこからか聞こえる「はちさん大丈夫かな」の声・・・
いつも通り帰り始めるご主人様達の中、8教信者のワイは独り蒲田駅前で泣いていた。
ご帰宅で手にしたエクリプスS3連単1点的中、AJCC・東海S3連複同日的中、京都HJ3連複万馬券、そして何よりフェブラリーSのワイド万馬券的中・・・
それを8様のいない状況で得ることは殆ど不可能と言ってよかった。
「どうすりゃいいんだ・・・」ワイは悔し涙を流し続けた・・・
どれくらい経ったろうか、ワイははっと目覚めた。
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ。
冷たい蒲田駅前の感覚が現実に引き戻した。
「やれやれ、帰って馬券考えなくちゃな」ワイは苦笑しながら呟いた。
立ち上がって伸びをした時、ワイはふと気付いた。
「あれ・・・?ご主人様がいる・・・?」
サンライズ蒲田商店街を走り抜けたワイが目にしたのは、階段の地下1階まで埋めつくさんばかりのご主人様だった。
千切れそうなほどにオーダーが取られ、地鳴りのようにプリキュアのテーマ曲が響いていた。
どういうことか分からずに呆然とするワイの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「おかえりなさい、ともくん、ご注文は?」
声の方に振り返ったワイは目を疑った。
「は・・・はちさん?」
「どうしたのともくん、居眠りでもしてた?」
「は・・・はちさん?来週から入院するんじゃ・・・」
「なんでだよ!ともくん、かってにはちさんを病院送りにするなんて!」
「はちさん・・・」
ワイは半分パニックになりながら本日のお給仕メイドを確認した。
はち はち はち はち はち はち はち はち
暫時、唖然としていたワイだったが、全てを理解した時、もはやワイの心は雲で全てが覆われていた。
「こ・・・これ・・・冒頭でタモリが出てくるやつや・・・」
はちからオーダーを聞かれ、階段で並び続けるワイ、その目に光る涙は恐怖と不安でいっぱいだった・・・
The next day, Tomokun who is cold is discovered in Kamata station.
Yoshimura and Murata have slept silently in the hospital,but they never awake.