DUNHILL / SHELL / Vest Pocket / 81年

レストア前

ロット売りに紛れ込んでいた、購入時に気づかなかったお宝その2。
珍しいダンヒルのベストポケット。
BCとかのベストポケットは時々見かけるけど、ダンヒルは初めて見た。
しかもシェル。

ベストポケットは、文字通り、ベストのポケットに入るくらいの、小ぶりで携帯性に優れたシェイプ。
オペラとかで正装しても持ち運べる、懐中時計みたいなサイズ感。
全体で円を描く形で、使用時はステムを180°回転させます。

過去レストアしたことがある他社製ベストポケットに比べて、少し小さめ。
電子タバコと同じようなサイズなので、普通にポケットに入れて持ち運べる。
本当にベストのポケットに入れても型崩れしなさそう。

数少ない資料に書いてあったとおり、ステム両面にホワイトスポットがついてる。
携帯時/使用時、どちらでもホワイトスポット見えるようになってる。
珍しい。

デイトキーはアンダーバーの21。
たぶん1981年生まれ。
シェイプコードやサイズコードは無し。

少しカーボンついてるけど、使用頻度は少なめぽい。
状態はかなり良い。

ボウルのお掃除

ナイフでカーボンゴリゴリ。
リーマーは入りません。
カーボン薄めでよかった。

コットンとモール詰めてアルコールメソッド。
エタノールヒタヒタ。
数時間おきに何度か注ぎ足し。
一晩放置。

ステムの穴が広く、ピーターソンみたいに火皿へ続く煙道が横に空いてるので、ジッポの芯みたいに煙道を通るモールの周りに短く切ったモールをギチギチに詰め込む。

コットン取り除いて、ストローブラシや綿棒で煙道ゴシゴシ。
爪楊枝でエッジもゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。

キッチンペーパーで蓋をして、外側をマーフィーのオイルソープでこすり洗い。
原液を歯ブラシでゴシゴシ。
ぬるま湯流水で洗い流す。

乾いたら椿油を歯ブラシでゴシゴシ。
あまり放置せずに拭き取り。

ルネサンスワックスを歯ブラシでゴシゴシ。
拭き取り。
カルナバワックスをバフが掛け。
拭き取り。
特殊な形状なので拭き取りにくい。

溝に入ったカルナバの細かいカスはヒートガンでブーン。
みるみる溶けて気持ちいい。
靴磨き用の豚毛ブラシでゴシゴシ。
ピカピカです。

ボウル内にエタノールで薄めた蜂蜜を塗って、ひとまずボウルはおしまいです。

ステムのお掃除

ステムはティースマークもなく、状態は良いものの、経年による変色はあるので、オキシクリーンにドボン。
他のエボナイト製ステムたちと一緒に。
60度くらいのお湯でオキシクリーン溶かして、泡が出なくなるまで放置。

泡が出なくなったら激落ちくん的メラミンスポンジで擦りながら、表面の滑りを流水で洗い流します。

ホワイトスポットに木工用ボンドをチョン。
表裏とも。
マスキング。

ボンドが完全に乾いたら、エタノールにドボン。
同じく他のエボナイト製ステムたちと一緒に。
しばらくするとヤニがもわ〜と出てきます。

引き上げて、ストローブラシとかで中をゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。
汚れは軽いけど、なんせ変な形なので掃除しにくい。

洗浄が終わったらヤスリ掛け。
ティースマークは無いけど、変色のムラは残ってるので、400から奮発して3000まで掛けてく。
ま〜ヤスリにくい。

あとは白棒バフとコンパウンドで仕上げ。
ま〜拭きにくい。

流水でステムを洗った後、ステムの変色防止液（パラフィン油）を塗って、ステムが油を吸い込むまで一晩放置。
翌日、ボウルと合体して、つやふきんで磨き上げておしまいです。

完成

ツヤツヤピカピカです。
小さいけどちゃんとシェル。

ステムもピカピカです。
リップの摩耗も無く、ほぼ新品な感じ。

ぶっちゃけ、自分は家でしか吸わないので使わなそうだけど、かなり珍しいので、いじくれただけでOK。
お出かけに連れてく人には良いね。
実はシェルなの。
小物にも油断してない感。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。