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KAYWOODIE / RUF-TONE


レストア前

アメリカンパイプの老舗、KAYWOODIEです。
KAYWOODIEはじめて。

アメリカンパイプについてはほとんど知らないです。
たまに高価なのがあったり、一部にオールドケイウッディのファンがいるけど、基本的に大衆向けのそれほど高価じゃないパイプメーカーというイメージ。
最初に名前見た時、KENWOODのパクリかと思った。

調べてみると、最初は、ドイツ生まれのカウフマン兄弟が起こした、KB&B(カウフマン ブラザーズ & ボンディ )という会社から1919年に発売されたブランド名だったみたい。
ケイウッディが売れに売れて、子会社として独立したっぽい。
で、そのケイウッディからはじかれた低級ブライヤーの販売口として、Yello-Boleというサブブランドが作られました。
その後、1955年に、KB&BはS. M. Frank という会社に買収されますが、
S. M. Frank は、Medicoを作ってたメーカー、と。

つまり、ケイウッディ、イエローボウル、メディコの、よく見かける廉価なアメリカンパイプは、全部出所一緒。

20世紀初頭、世界レベルのアメリカンパイプ企業はほとんどなかったので、KB&Bは他企業からベンチマークとされる企業だったらしい。
イギリスのサシエニ・チャラタン・コモイとかと並んで。
そしてS. M. Frank は「アメリカ最古のパイプハウス」を自認しているらしい。
へー。

アメリカンパイプの歴史そのものって感じ。
確かに、アメリカンパイプっていうと、近年の作家もの系以外だと、上記メーカーくらいしか思い当たらないもんな。

はじめて買ったケイウッディですが、完璧に見た目買い。
この、グレインとかなんのこと?な、自然を屈服させるインダストリアル感が、すごくアメリカっぽくて。
U・S・A!
U・S・A!

シャンクの中も金属ネジ。
金属ぽい汚れはあるけど、ヤニっぽさは無い。

そして、ステムにアルミフィルター固定。
取れない。
シャンクとの合体はネジ式。
ボウルも、ステムの先っちょも、システムも、一貫してスパイラル。
そこはかとなくスチームパンクを感じる。
近代化って感じ。

アルミフィルターは、先端だけじゃなくて、左右にも穴空いてる。
効果はわからんけど。

ステムロゴはクローバーみたい。
アルミフィルターの3つ口はここから来てんのかな?

吸い口に値札付き。
セラーは中古、って書いてたけど、値札ついてるしステムロゴもはっきりしてるし未使用かな?と思って購入。
安かったし。

でもボウル内みると、カーボンなのか塗料なのか、ちょっとボコボコした感じで黒いんだよなあ。
だからセラーも中古って出してたんだと思う。
汚れてるし、塗装も剥げてるし。

RUF-TONEは、1977年〜1982年に作られてたラインらしい。
アメリカが強かった頃。
U・S・A!
U・S・A!


ボウルのお掃除

まずはボウル内をリーミング。
うーん。
これはどうなんだろう。
カーボンなのか?
基本綺麗で、少しカスが出る程度。

一応、アルコールメソッド。
黒いの出てきたけど、カーボンの色っぽく無い。
真っ黒。
塗料かなあ。

アルコールメソッド後、リーミングしてわかった。
これ、たぶん人工カーボンだ。
カーボンぽいのがポロポロ取れて、綺麗な下地がまばらに出てきた。
ということは、経年で汚れたりしてるだけで、たぶんミントコンディションだ。

ミントコンディションだけど、全体的に煤けているので、キッチンペーパーとモール詰めて、マーフィーのオイルソープで外側を洗います。
溝の黒い部分が特にマットな感じ。
原液を歯ブラシにつけてゴシゴシ。
ぬるま湯流水で洗いながします。

洗浄後。
黒塗装が剥がれてだいぶ下地が見える。
ミントなのに。
下地が覗くのはいいけど、もうちょい自然にならんかなあ。
ということで、再塗装することに。

無水エタノールで全体を拭いて、無水エタノールを染み込ませたキッチンペーパーで包んで、ちょっと放置して、ワックスとかを取り除く。

柘植の黒染料で全体を再塗装。
すぐ乾くけど、一晩おいて色を定着。

マイクロファイバーで乾拭きしてから、ルネサンスワックスとカルナバワックス掛け。
が。

バフかけたら結局塗装剥げた。
あれだ。
ワックスじゃ無いわこれ。
ニスだ。
明るい木肌に光沢あるニスかけて、その上からマットな黒染料塗ってんだ。
ヴィンテージっぽくなるように、あえて塗装が剥がれるようにしてあるんだ。
なるほどなあ。
塗装剥がれを味として楽しむ設計。
家具っぽい。

ニス剥がしたりとかは面倒臭いので、このままいくことに。
まあ、黒塗ったことで、全体ピカピカになったから良しとする。
コンセプト的にはマットな塗料と光沢ニスのコントラストだったんだろうけど。
アルコール染料塗ると、なんでかピカピカになるんよね。
そういう成分入ってんのかな。

ボウル内の剥がれた人工カーボンの代わりに、エタノールで薄めた蜂蜜ぬってひとまずおしまい。


ステムのお掃除

ミントコンディションだと判明したので、ステムの掃除は簡単に。
メラミンスポンジで擦って、表面の汚れとか値札とかを取り除きます。

中も一応エタノールで洗浄。
ミントとはいえ古いしね。

んで、白棒バフとコンパウンドで仕上げ。
ボウルと合体してつやふきんで磨いたら完成です。
あっちゅうま。


完成

ピカピカです。
そもそもミントだけど。
個人的にはニス仕上げじゃなくて、自然に塗料が落ちてく感じの方が好きだけど、こういうものだということで。

ステムもシールや汚れ取れました。
フィルター部分もピカピカです。
フィルター外せないから、モール通らないの面倒臭いけど、しょうがない。
ネジ式だから、使用後すぐにステム外して掃除できるだけ、まあ。

いつもと勝手が違う部分もあるけど、まあ、一本くらいこういうのあってもいい。
別ベクトルでかっこいいし。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。


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