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BARLING'S MAKE / 5179


レストア前

バーリングのラスティックです。

↑のバーリングと同じ、4桁ナンバーのブロック体バーリングで、Ye Olde WoodとかTVFとかの刻印が無い生バーリング。
62年あたりの家族時代末期だと思います。
にしては割高だったのですが、ブラストに惹かれて、えいやで購入。

深っか!
オールドダンヒルより深いんじゃねっていうブラスト。
もう穴開くよってってレベル。

家族時代のバーリングは、樹齢100年以上の長期間空気乾燥された高品質のアルジェリアンブライヤーを使用していたそうです。
アルジェリアンブライヤーは、アルジェリアの独立戦争とかがあって、もう入手不可。

オールドダンヒルでも使用されているアルジェリアンブライヤーですが、木が柔らかいです。
なので、ブラストが深い。
ダンヒルのシェルが60年代後半からブラストの感じが変わるのもこのため。
シェルは60年代後半からアルジェリアン→ギリシャ産に変わりました。

アルジェリアンが喫味にどういった影響を及ぼすのか、確かなことはわからないですが、とりあえず軽いです。
多孔質がどうこうって話なのかな。
アルジェリアンのパイプは美味いって言われるのも、木がスカスカだからドライになるって話なのかな?

カーボンは結構厚い。
歴史感じる。

ステム天面に欠け。
バーリングらしいサドルステム。
バーリングクロスは当たり前に消えてます。

刻印は消えかけてるけど、ブロック体のBARLING'S MAKE。
他の刻印は無し。
頭文字5だからサイズ5なのかな?
大きめで好みのサイズ。

そして、なぜか刻印下のシャンクのとこ、焦げっぽい黒が…
ボウルの中見る限り、ボウル底が焦げてることは無さそうなので、間違ってライターの火が外側から当たったとか、再塗装してライターでアルコール飛ばす時にミスったのかな…

全体的に状態は良く無いし、生バーリングだし、移行中の時代だし、って考えると、やっぱ割高だったなあ….
もうちょい金額交渉粘ればよかった。
だいたい円安が悪い。
とはいえ、まあ、いいブラスト具合だし。
物としては好きだし、切り替え。


ボウルのお掃除

リーマーとナイフとリューターでカーボンゴリゴリ。
ドバー。

ボウルにコットン詰めて、シャンクにモールをぎっちり突っ込んで、アルコールメソッド。
数時間おきにエタノールを何度か注ぎ足して一晩放置。

ボウルを軽くリーミングして、シャンクをストローブラシとかでゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。

内部が綺麗になったら外側のお掃除。
ボウルにキッチンペーパーつめて、シャンクにモールつめて蓋。
マーフィーのオイルソープを原液で歯ブラシにつけてゴシゴシ。
流水の温水で洗い流します。
深いブラストに汚れ溜まってる。

洗い終わり。
やっぱり、シャンクのとこ焦げっぽいなあ。
なぜこんなところが。

内部に影響はなさそうだけど、とりあえずヤスっておく。
200とかでゴシゴシ。
ヤスリ跡のエッジを少しナイフで掘ってブラスト馴染ませる。

椿オイルを歯ブラシで塗りこんで、拭き取り。

焦げ跡ぽいところ、まだ少し黒が残ってるので、全体を少し再塗装。
柘植の木目出し用の黒を塗って、

エタノールをたっぷりつけたキッチンペーパーで拭き取り。
木目とブラストのコントラストを上げる感じ。

全体的に少し赤味が取れた黄土色っぽい茶色になったので、ちょっと赤も再塗装、拭き取り。
赤味を復活。

一晩おいて色が落ち着いたら、ルネサンスワックスとカルナバワックスで仕上げ。
カルナバはリューターでバフ掛けしたあと、ヒートガンで細いカスを溶かします。

最後に、ハチミツをエタノールで薄めてボウル内側に薄く塗っておきます。
ボウルの保護と最初のカーボン付きやすくするため。
底の方に溜まった余分なハチミツはモールとかキッチンペーパーで軽く拭き取っておくと、2、3日で乾きます。
逆にベッタベタのままだといつまで経っても乾かないです。
その場合は、ボウルを灰皿にしてシガリロ一本吸って、灰を壁に擦り付けたら使えます。

ひとまずボウルはおしまいです。


ステムのお掃除

まずはステムをオキシ浸け。
お湯で溶かしたオキシクリーンに30分くらい浸けおき。
泡が出なくなったら、取り出してメラミンスポンジで表面のヌルヌルを洗い落とします。

次にエタノールにドボン。
しばらく放置するとヤニがもわ〜っと出てきます。

エタノールから取り出したら、ストローブラシとかで内部をゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。

掃除が終わったら、欠けの修理です。
まずは全体を400でヤスリがけ。
これやっとかないと、修理した箇所のエッジに変色が残ったりします。
ヤスリかけたらプラリペアで補修していきます。

いらなくなったクリアファイルを吸い口の形にカット。
少し椿油塗って吸い口に差し込み、クリアファイルの下にモール通してマスキング。

マスキングしたら、プラリペアをモリモリ。
5分くらいで固まるのでマスクを外す。
あんまり放置しすぎるとマスキング取れなかったりするので注意。

完全に固まったら、ダイヤモンドヤスリと200〜400くらいの紙やすりでエッジを成形。

形ができたら、全体を2000までヤスリがけ。
ダボのところにマスキングテープをぐるぐる巻きにして、シャンク側のエッジが丸まらないように養生。

最後に白棒バフかけて、コンパウンドで仕上げます。
ピカピカ。
あとはボウルと合体して、全体をつやふきんで磨いておしまいです。


完成

ピカッピカツヤツヤ。
ボウル内もスッキリ。
シャンクのとこの焦げっぽいのも取れました。

ステムもピカピカ。
欠けもなくなって復活です。

ど迫力のブラスト。

冒頭にリンク貼った同時期の6174と。
比べると、今回の方が気持ちボウルが小さいかな。
サイズ6とサイズ5?
大きめで大変よろしい。

6174が割安だっただけに、今回少し割高でやっちゃった感あったけど、まあ良し。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。


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