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RADICE / RIND

レストア前

元CASTELLOにして元Caminetto、ルイージ・ラディーチェによって立ち上げられたRADICEのアップルです。

↑は、もう無くなったBARKというシリーズでしたが、今回はRIND。
多分ラスティックの中で一番安価で、一番スタンダードなシリーズです。

ぶっちゃけ普通なので、そこまで欲しい!って感じではなかったんですが、ダメ元でかなり安い金額で値下げ交渉出したら、そのままOK出ちゃって購入。
でも、送料税金が本体と同じくらいかかって、結局そこそこの金額に…
ebay、税金も入札前に算出してくれよ….

RINDは皮って意味で、柑橘系の果物の皮みたいだよね、ってことで名付けられたシリーズ。
カステロシーロック系のボコボコラスティックだけど、シーロックより浅く、細かいボコボコな感じ。
でも、結構年代でボコボコ具合違って、近年は結構シーロックみたいに大きくボコボコしてる。

刻印は↑だけ。
シンプル。
で、

↑の上は、2023年のRADICE RIND。
年代は、ITALYの横の数字でわかります。
ここに数字がある場合、RADICEが設立された1980年+ITALY横の数字が製造年となります。
この刻印システムは2008年から始まりました。

また、RADICEの横の〇〇は、現在RADICEを継いでいる、ルイージ・ラディーチェの息子二人が製造に参加するようになってから入れられたとのこと。
ただ、それが何年なのかは分かりませんでした。
〇〇はステムに入ってるロゴの象徴らしいけど、二人の息子も関係してんのかな?

今回のRADICEは上記の刻印がどれもないので、多分初期の方の作。
少なくとも2008年以前です。
ラスティックの具合もずいぶん違います。
親父と息子の違いなのかな。

ステムは天地共にちょっと深めのティースマークが1箇所。
アクリルなのでベースは綺麗。

RADICEの○○ロゴは、サムライをイメージした日本のブランドの爪楊枝を差し込んで、カットしてインレイしてたみたい。
本当かどうか、今もそうかはわからないけど。
まさかの日本との繋がり。
ブライヤー片とかじゃないんだ。

ボウルトップはスムース仕上げ。
でも、真っ黒。
ボウル内のカーボンもモリモリ。

ステムのテノンにもカーボン溜まってるレベル。

全体的に、大幅な修理は必要なさそうだけど、結構な使用感。


ボウルのお掃除

まずはリーマーとナイフでカーボンゴリゴリ。
カチカチで取りきれないのでリューターでブーン。
ボウルトップも軽くナイフでカーボン落とす。
傷つけないように刃を立てて、軽く擦るだけで結構取れます。

あらかたカーボンが取れたら、コットンとモールを詰め込んでアルコールメソッド。
エタノールをヒタヒタに注いで、数時間おきに何回か注ぎ足して、一晩放置。

コットンを取り除いて、ボウル内軽くリーミング。
まだカーボン出てくる。
ボウルトップもナイフにエタノールつけて軽く擦る。
ほぼほぼ綺麗に。
シャンク内はストローブラシでゴシゴシ。
モールに色がつかなくなるまで。
ダボのところのエッジとか、結構塊があるので竹串とかでホジホジ。

内側が綺麗になったら外側のお掃除。
ボウルにキッチンペーパー、シャンクにモール突っ込んで、マーフィーのオイルソープで洗浄。

結構白いワックスカスっぽいのが溜まってる。
マーフィーのオイルソープの原液を歯ブラシにつけてゴシゴシ。
ぬるま湯の流水で洗い流します。

乾いたら、椿油を歯ブラシでゴシゴシ。
あまり放置せずに拭き取ります。

乾いたら、ルネサンスワックスとカルナバワックスで仕上げます。
溝に残ったカルナバのカスは、ヒートガンでブーン。
カルナバ布で拭き拭き。

最後に少量のハチミツをエタノールで溶いて、ボウル内側に薄く塗ります。
余分な蜂蜜は拭き取って乾燥。
2〜3日くらいでほぼ乾きます。

ひとまずボウルはおしまいです。


ステムのお掃除

アクリルなので、オキシ漬けは無し。
エタノール漬け込みも長時間放置すると溶けそうなので、エタノールで洗う感じで洗浄。
ストローブラシでゴシゴシ。
吸い口の端っこにヤニの塊。
竹串でホジホジ。
モールに色がつかなくなるまで。

洗浄が終わったらティースマークの処理。
プラリペアとか接着剤とかで埋めるかどうか微妙な深さだったけど、ヤスリ掛けすることに。
というのも、初期のRADICE、リップが分厚いの。
2003年末から、薄くしたらしい。
多分こいつはそれより前の作。
吸い口のところ、ちょっと高すぎなくらい。
ちょうど吸い口にもちょっと欠けあるので、ダイヤモンドヤスリと400のヤスリでティースマーク無くなるまでヤスリかけちゃいます。

あとは2000までヤスリかけて、白棒バフとコンパウンドで仕上げ。
基本は吸い口周りだけのヤスリ掛けで良さそう。
バルカナイトに比べて、アクリルはケアが楽で好き。

最後にテノンに鉛筆ぬりぬり。
ボウルとの合体がスムーズになります。

あとはボウルと合体して、全体をつやふきんで磨いて完成です。


完成

ピカピカです。
ボウルトップもツルツル。
カーボンも無くなりました。

ステムもピカピカ。
ティースマーク無くなりました。

上で出した、2023年のRINDとの比較。
今回の方が細かく、浅い。
違う会社?てくらい差がある。
個人的にはボウル上部のワックスドリップ感含め、23年の方が好き。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。

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