2019年9月23日からのUSD/JPY

今度はUSDの見通しについて検討していきたいと思います。

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先週初にSLのラインとして想定していた108.50にタッチして今はリスクオフセンチメントからの下落途中にあります。ただ、金曜日のNYでは、何度か触れている重要ラインである107.30には到達せず、そのもう一つ上の107.50に触れてクローズしてしまいました。

月曜日のオープンプライスが微妙だったことから当初のショートプランは放棄して1週間様子を見ていましたが、まあつぶやいたときの想定通り、一旦は上がってまた落ちた、という状況ですね。

この状況というのは、107.30を切れていくか108.50を超えるかで今後の方向性が決まっていくという綱引きの真っ最中です。若干売り手が有利(後述)な状況ではありますが、正直どっちに行くか今の時点では判りません。従って決め打ちは厳禁です。

「なぜ売り手有利か?」

 一番注目すべきポイントは、困っている人がどっちに多いのかを見ることです。このチャートの場合、上から落ちてきたチャートですので、滞在時間が長い分、ポジションの偏りとしては上で捕まっているロング勢の方が多い状態です。この偏りというのはあくまでも投機勢の話です。買い手の反面には必ず売り手がいますので、マーケット全体ではポジションが偏るなどということは仕組み上起こりえませんので、実需やヘッジなどの目的のない純粋投機性資金だけを見た時の偏りを言います。

アゲンストのポジションが多い側(この場合は上昇)と反対方向(下落)にプライスが離れる傾向を持つのは、仮に自己資金での取引がマーケットのプライスに影響を与えるくらいのパワープレイヤーであっても、フォロー方向への取引(新たなロングメイク)でプライスを動かそうとするのは、結果としてより大きな損失のリスクをとる行為(いわゆるナンピンで損失の上塗り)と同じだからです。よって、この場合はショート勢が有利となります。(解説ここまで)

ただそうは言っても、常にプレイヤーの全員がマーケットに参加しているわけではありませんので、これもあくまでも、そうなりやすい傾向としてとらえておく程度で考えます。

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今度は日足ですが、例えばこの日足で見ても、107.30より下のラインで滞在していた足の分だけショートで捕まっている人たちがいると考えます。そして我慢できる一部の人を除いて、この人たちの大部分は下がってきた頃合いを見計らって自分たちのポジションをカバーしようとするので、マーケットにはその分だけ買いが持ち込まれます。

そして節目節目では、上で捕まったロング勢のSLも踏んでいきます。これは反対にマーケットに更なる売りを持ち込みます。今は8月初に一度下に走った後なので、1回目のSLは全てクリアになっていますが、その後新たにメイクされたSLがまた新たに並ぶので、やはり動きは出ます。

つまり投機勢のポジションの量に応じて損切りのオーダーがあって、プライスが動くとそれらが執行されていき更にプライスが動くという流れを作ります。

上で見たように、今はロング勢のポジションの方が多い状態、ということはここから下にも上にもそのアゲンストポジションのロスカット(全て売り)が(買いオーダーよりも)より多く並んでいる状態なのです。

月曜日以降試していくと思われる107.30も、そういったポジションが集中しています。キリ番などはそのためにプライスが走りやすくなるのですね。

ただし、置かれたオーダーによって生じたプライスアクションに対しては、その様子を観察しながらまた新たなオーダーが持ち込まれます。これがどっちにどれくらいの量があるかは、その時になってみないと判りません。だから、結局のところどっちに行くかわからないという話にはなりますが、大体の場合、テクニカルが示唆する方向に動くことが多いと考えています。

で、ここからは下に行きそうな雰囲気ではあるのですが、107.30を切ることができず反発に転じる流れになることも十分考えられます。しかしそうなった場合にポジションを切るとするとSLはかなり深めの少なくとも108より上に置かざるを得ず、リスクリワードが悪いのです。従って、売るなら107.30をしっかり切れたことを確認しての戻り売り、がセオリーでしょうね。

そして、売りたい人はやはり他の人も同じ目線で見ていると思われます。そうすると余計にここからの売りは入りにくくなるんですよね。107.30.切れるとしてもそういう理由で時間がかかると思っておいた方が良いでしょう。

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4時間足も一応載せてみましたが、結論は同じです。以上です。

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