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サムライ8 時系列考察

 あの超大ヒット漫画『NARUTO』の作者である岸本斉史先生が原作を務める、ある意味大人気漫画『サムライ8』。要領を得ない会話・設定など解読が必要な点も様々存在するが、今回は触れられることの少ない時系列について、現在の最新話である第40話までまとめよう。

※キャラクターの名前や設定の意味に関しては基本的に知っている前提で進めることをご容赦いただきたい。

本編以前

・はるか昔
…サムライ8の舞台である宇宙に不動明王が現れ、均衡を保っていた完璧な宇宙に自分の体を粒子にしてばらまき、結果、星や物質、そして生命体が生まれた。

・本編開始50年ほど前
…アタの姉であると思われるハンナが(恐らくは烏枢沙摩流の暗躍により)何十年にも渡る拷問の末、散体。それを発端にアタは金剛夜叉流から烏枢沙摩流へと寝返る。

…達麻は烏枢沙摩流の策略により弟子であるアタとホルダーの魔咬み、バク姫を失い、自身も盲目の猫の体へと封印されてしまう。

…達麻が猫の体へ封印された際、烏枢沙摩流であった花一も巻き込まれ犬の体へと封印される。花一はカーラから見放され、以降鍵集めの任務は花一からアタへと引き継がれた。花一は烏枢沙摩流を抜け、己を裏切ったカーラの野望阻止を目指して独自で鍵を集めることとなる。

・本編開始50年前~本編
…猫の姿となった達麻はパンドラの箱の鍵を見つけることを義とし、捜索を始める。己を主人公とし、敵に花一を用いたゲームを製作し配信、侍に憧れを持つ子供へとゲームを通して接触を行う。本編前までに7人の子供と直接会ったらしい。

・本編開始十数年前
…烏枢沙摩流のマンダラの合鍵計画により、一角~七角と八丸の八つ子が生まれる。烏枢沙摩流の博士であったフルタは八丸に情が湧き、彼を連れて失踪した。

・本編開始数年前※
…アンの兄であるナナシが切腹。侍になることは叶わず死亡し、アンにトラウマを残す。

…弁形の策により三打の両親が死亡・散体。遮那家は弁形に乗っ取られ、以降三打は骨河の名を名乗り、弁形の部下として生きる。

※アン、三打の当時及び本編時の年齢が不詳なため、実際には10年以上経過している可能性もある。

・本編開始1か月ほど前
…弁形の策でバトルロワイヤル(バトルロイヤル)に参加する侍を集める中、骨河はいずこかの星でリュウを発見。以降行動を共にする。

本編開始後

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 上の図は簡易に本編のストーリー展開と時間経過を現したものである。①~⑩の解説及び判断した根拠の説明を行う。

①1日目

 八丸が侍となった当日。第1話の巻頭カラーページの過去編を除いた内容が丸々1日目の話なので分かりやすい。ゲームをプレイしていた八丸に父が点滴の時間だと告げる所から始まるが、この点滴は以降の描写を見ると昼のみであり、今の時間は昼であると判断できる。

 点滴直後に出かけたフルタが浪人に捕まったり達麻と八丸が接触したり八丸が侍になったりと色々あり、浪人を倒した時点で空が赤く染まっていた。フルタを助け出した頃にはすっかり日も暮れ、夜空に月と星が輝いている。

以上で1日目は終了。

②2日目

 八丸が侍となった翌日。超過密スケジュールであり、『ナナシの話・侍の修行・アンとの出会い・アタの襲来、父の死』全てがこの一日の出来事である。話数で言うならば第2話~第14話の計13話。ちなみに単行本1巻・2巻の収録話は第1話~第15話である。

 まず朝食としてたこ焼きを食べる八丸からこの日は始まる。初めて食べるリンゴや流動食以外の食事に感動する八丸の描写から、侍になった翌日であることはほぼ明白。

 食事を終えた八丸は散歩に出かけ、引きこもりのナナシと出会い、戦車に乗った盗賊を撃退する。一瞬これでもう1日ぐらい経過したように錯覚してしまうが実際にはまだ昼にもなっていない。午前中だけで終わった。

 帰宅した八丸は父と口げんかをし、その後達麻と共に修行に向かう。達麻の元で侍の修行をする中、運命の侍を探すアン(と付き添いのハガミチ)が八丸の前に現れた。

 ちょうどその頃、家では機械が点滴の時間を告げ、「そうか…もう点滴はいらなくなったな…」と父は感慨深く呟く。『今が八丸が侍となってから初めての昼=修行が2日目の範囲』であることがここではっきり分かる。父が八丸の不在に気付き、アンが手料理を振舞い、ここでようやく2日目は昼を過ぎる。

 昼食を終え、刀の修行を続ける八丸。やっとマトモに物が斬れるようになったところでアンとロッカーボール掘りへ。基礎的な修行シーンが描かれるのはここで最後。キーホルダーの鎧化修行とか一切してない気もするが…。今後も使わないからまあいいか。

 ともかくロッカーボール掘りに向かった八丸は直径も深さもかなりの大きさの穴を掘り、無事ロッカーボールを見つける。時間のかかりそうな作業だが、日はまだまだ高い。アイスを買い食いし、手土産のたこ焼きを買って帰還。

 そこに現れるは、胸騒ぎに駆け付けた父と襲い来るアタ。戦闘は割愛。どうにかアタを撃退し、父が息を引き取るところで2日目は終わる。アタとの決着後には雨が降り出して空が暗くなったが、日が暮れる様子は見られず。

 過密だった2日目が夕暮れ前に終わるのはやや釈然としないが、とにかく終わり。

③3日目以降

 これ以降は明確に何日目という描写はできなくなるため、前のイベントからどれだけ時間が経った(と推測できる)かを記す。

 父の墓前に立つ八丸と達麻から始まるこの日。今の銀河の状況を理解したりアタが私欲で裏切ったという有益な情報が語られるわけだが、今は何日目だろうか。

 「父の葬儀、埋葬が済んでいる」以上、一日二日は経っていそうな気もしてしまうが、ハガミチが同行していて速やかに宇宙に出た方が良いと考えている点、数日経っているのにアタについてまだ聞いていないというのも少しおかしいという点、何よりアタの置き土産がそんな悠長に発生していたらアホらしいという点からすると普通に3日目だろうか。父の遺体を普通に穴を掘って埋めて終わりなのか?現代社会ではないからまあ否定できない。

④宇宙へ出発~宇宙ステーションに到着

 達麻の亀ホルダーによって宇宙へ飛び立ち、無雲を破壊して新たな冒険へ旅立つ八丸。彼らが最初の休憩地点である「球宇宙域052シャフトステーション(以降ステーション)」に到着するまでの時間はどれぐらいか。

・大気剣によってガリガリとなった八丸はエネルギー補給で元に戻るということでアンに料理を頼んでいた。しかし実際に治ったのはステーション内でこっそりカツ丼とうどんのセットを食べた時だという。

・買い出しに向かったアンが「これでいろいろ作ってあげられる」と発言している。

 上の2点から、アンは注文された料理をまだ提供していなかったと考えられ、ステーションに着く方が料理が完成するよりも早いか、ステーションで買い物をしてから食事しても問題ない程度の時間しか経過していないと判断できる。

 料理は作ったものの八丸が戻らなかった可能性や材料がなかったから少しの間絶食していた可能性なども一考の余地はあるかもしれないが、もはや裏読みの域に近いか。…もしそんなややこしい展開にするのならば素直に文中に書いておいてほしい。

⑤宇宙ステーション滞在

 ステーションに滞在していた時間はどれぐらいだろうか。普通に八丸が食事を終えていることや買い出しが終わっていることから考えると、まあ1~2時間程度か。

 八丸が1千7百万円の帯を買ったせいで残高不足で危うく72時間拘束されかけたが、流石に帯は返品しただろう。

⑥宇宙ステーションから見下星へ

 強盗犯の口車にまんまと乗り、10億円を目指してバトルロワイヤル(バトルロイヤル)に参加することを決めた八丸一行。リュウと練習試合をしながら会場である見下星を目指すのであった。

 まず出発後に強盗二名の拘束を解除するまでの時間だが、骨河の言い方からして出発後すぐに解いたと思われる。

 そしてリュウと八丸の練習試合が始まる。計33試合行い、八丸は最後の最後でコロンしながらなんとか生き恥勝ちをして終了。基本的にリュウによる瞬殺で試合は終わり、描写を見る限り休憩時間はなく、八丸は切断された部位の結合も早いので下手をすれば1試合1分も掛かっていないかもしれない。

 試合終了後は食事をしてすぐに見下星に到着。骨河・リュウの描写を見るに彼らはこの時がアンの料理初体験。⑤でのカツ丼セットが前の食事だと考えると、間に1食挟まる程度の時間経過で見下星に着いたことになる。

⑦バトルロワイヤル(バトルロイヤル)

 見下星に着いた瞬間からバトルロイヤルが始まるのだが、ここが1番の曲者。

 1500人参加の試合だが割とスパスパとモブは斬られてどんどん人数は減っていく。時間経過の描写が全然ない。食事をとったような描写や日が経ったような描写もないので「数時間」という表現でお茶を濁すのが一番だが、後に出てくる「あの猫…オレをずっと見張ってて寝てねーぞ」と言う骨河のセリフが引っかかる。

 骨河と出会ってから上記の台詞までにそんな寝る寝ないというほど時間が経っていないのでは…?もしかしてバトルロイヤル中にもだいぶ時間経過しているのか…?とかなり頭を悩ませてくれたが、上記の台詞前に八丸が「猫だから長く起きてられねェーんだ」と言っていたのでそれを受けての
「(そんな眠気に弱いのに少なくとも俺と一緒にいた間は)寝てねーぞ」
であると判断した。もういい終わり。

⑧弁形戦

 バトルロイヤルは罠だった…!裏切りの骨河。襲い来る弁形。達麻の真の姿。迫る角兵器の魔の手…!

 どうでもいい話ではあるが、骨河と会ってから裏切りまでの期間は長く見積もっても精々1日しか経っていない。「コツガ…裏切る!!」とか煽り文を入れられても困る。…そもそも元からして強盗犯だし。

 それはさておき、戦闘中の時間経過と言うのは非常に判断しにくい部分がある。現実で戦闘しないからどれぐらい時間がかかるのか感覚が掴めない。『日が暮れた』『夜が明けた』のような明確な指標があればいいが大抵そんなものはない。が、今回は多少手助けとなるものがある。

 達麻の真の姿モードは10分間しか使えない。なので真の姿になってから弁形が逃走するまでで10分。

 逃走した弁形は角兵器を使用しようとするのだが、発動までに20分かかる。なので弁形が逃げ去ってからどうにかギリギリで発動阻止するまでで20分。

 これを踏まえ、他の戦闘時間を加味して考えると弁形と戦い始めてから決着までは余裕を持っても精々1~2時間ぐらいであろう。

⑨現れる花一一行

 弁形を倒した八丸たちの元へ監と書かれた宇宙船4隻が到着。弁形との多少の問答とかを終え、静寂の千を加えた一行は再び宇宙へ。八丸はスリープモードの達麻と接続し、免許のダウンロードを始める。

 なんやかんやステータス確認したり不動明王が現れたり星座スキル表を見たりして免許ダウンロードが終わるのだが、本来なら3週間以上かかるらしいものが物凄く時短で終了。短いと言っても具体的にどれだけで終わったのかは一切合財不明。

 しいて判断するとすればダウンロード開始前と終了後の千、アン、三打、リュウの座っている位置が変わっていないこと、皆がお茶を飲んでくつろいでいることから推察すると、ダウンロードは精々1~3時間ぐらいで終わったものと考えられる。

 「もっと長く、それこそ数日ぐらいかかったが、偶然皆が八丸の周りに集まってくつろいでいるタイミングでダウンロードが終わった」という可能性はもう考えなくていいと思う。

⑩花一一行との旅

 そしてダウンロード終了直後に花一・五空・苺組と合流。なんやかんや和解して共に過ごすのだが、ここから先はもう判断しようがない。

 描写が飛び飛びで宇宙空間だから昼夜の判断もできないとなればもう仕方がない。一応どこかの星のショッピングモールに寄っている絵や八丸がアンに「最近オレを避けてるよね?」と言っていることから数日以上は経っているのだろう。

 そして襲いくるアタ。即戦線離脱させられる師匠組。囚われの八丸・アン・早太郎。そこに現れるのは懐かしのナナシ(兄ではなく引きこもりの方)といったところで40話が終わる。

まとめ

 以上の考察から、八丸が侍になってから現在までの経過時間は長く見積もっても1か月程度が限度、普通に考えたら1~2週間であると思われる。

 …バトロワなどを挟みつつもずっと移動していた八丸たちに最新話で追いついたナナシ(引きこもり)は、移動時間も考えると一体何日ほど修行できたのだろうか。

 全体的に休みなく過密さを感じるタイムラインだが、アタたちに追われていることを考えるとまあ仕方ないことか。…それにしては達麻が宇宙ステーションで酒を飲んでいたり、規模や条件も分からぬバトルロワイヤルに参加したり、ショッピングモールで苺にぬいぐるみあげてほのぼのしたりと割と悠長にしている気もするが。

 

 …ここまで長く語ってきたものの、

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