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グッズ開発をしてみよう!ロゴのハナシ

就労継続支援ビルドで動いているオリジナルグッズ制作プロジェクト。【サリュ】

100%利用者のホナミさん(仮名)発信でスタッフがサポートしているこのプロジェクトもメインのキャラデザが完了して、佳境です。

最難関のロゴ制作。

なにが難関かって、ホナミさん、ロゴ制作の練習・勉強を一切していません!!

ビルドでは通常、Illustrator/Photoshopの基本的な操作練習のあとは、簡単な名刺制作→チラシ制作という順番でデザインのセオリーを学び、表現の引き出しを増やす過程に入ります。

情報のカタマリ、伝える順番、見せ方etc...複雑な中にも、ある程度これを押さえておこう!というルールを中心に練習していくわけです。

なので、最初に自分でゼロからチラシを作る練習をすると

揃えるべきところがきっちり揃い、見せるべきところにそれなりにメリハリをつけた生真面目~なチラシが出来上がってくるのですが、それはまた別の話。

名刺、DM、チラシ、パンフ、あとWEBデザインやバナーも、ある程度のルールに基づいて作ることができると思いますが、それはそれは奥深く、半年やそこらやったくらいではまだまだ浅瀬です。そして、ロゴについては全く別の次元。使う脳の場所も違ってきますよね。開設から半年程度しか経っていないビルドではロゴの練習をすること自体に体系ができていません。※Illustratorの操作練習でロゴやマークを作る本を使うことがあります。

そんなまっさらな状態にいるホナミさんと一緒にロゴを作り始めた我々ですが、それなりに良いものが生まれました!

作った順に見ていきましょう。

①基本を押さえよう!

最初に、先行するロゴの中からイメージに合うものを探してみてもらいましたが迷走が見えたので基本を整理してみました。

テキストメインのもの、キャラクターが入ったもの、マークのみのもの…いろいろありますよね。

ちなみにビルドのロゴでいうと…

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シンボルマークもロゴタイプも入った、非常に由緒正しい(?)ロゴですね!


②コンセプトを再確認!

ロゴの基本を押さえたところでリサーチ!といきたいところですが、その前にサリュのコンセプトを明確にしてどのような方向性のロゴを参考にしたらいいのかを確かめてみましょう。

スタッフちーちゃん(仮名)がワークシートを作ってくれました。

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【方法】
①ロゴは誰に向けてデザインするのか、考え方を説明。
②「キーワードの洗い出し欄」にあらかじめ、サリュの核となるキーワードや特徴を箇条書きで記入しておき、それを見ながら「一言で言うと、それは何か?」を一緒に考えて設定。
③設定した「一言」を「サリュのコンセプトワード欄」に書き入れる。

【キーワードの洗い出し】
1.箇条書きを見る(例では一番右端のグループ)
2.予測を立てる(このキーワードのグループは一言で言うと「フェミニン」じゃないかな?)
3.答え合わせする(ブラウザで「ロゴ フェミニン」とか入力して出てきた画像を見る。…あれ?なんか表現したいのと違う!)
4.分析(「フェミニン」だと私が想定しているものより「繊細で大人っぽく、女性的」なデザインになるようだ。)

■その後はしっくりくるまで2~4を繰り返す。
2.予測を立てる(じゃあ「かわいい」ならどうかな?)
3.答え合わせ(ブラウザで「ロゴ かわいい」とか入力して出てきた画像を見る。あ!イメージに近くなってきた。)
4.分析(近くなったけど、もう少し違う感じ…)
2.予測を立てる(「キュート」や「おしゃれ」ならどうかな?)

結果、サリュのコンセプトは、

・発信

・シンプル

・親しみ

だとわかりました。

③リサーチ

すぐにリサーチに入ると迷子になります。脳が、ちょっとでもいいと思ったものを感知すると気持ちもその方向に持っていかれて別の選択肢が見えなくなってしまう現象が起きるのです。シングルフォーカスとかセントラルコヒーレンスといった苦手が影響しているのですが、一度に複数の方向性を同時に探すことがむずかしかったり、細部に着目してしまい全体の情報から必要なものを取捨選択することがむずかしかったりします。ポイントは、テーマを決めて目的に則って整理してリサーチする、というイメージでしょうか。目標は具体的に、テキストメインのロゴを10個ピックアップする。次にキャラクターを使ったロゴを…と終了の目安と順番を設定し、あちこち目移りしないような工夫が必要かもしれません。ロゴストックさんは非常に見やすくまとめられていて助かりました。


④似せてみる

ロゴ制作練習でも既存のロゴを模写してみたりすると思うのですが、ホナミさんはチラシ制作の練習しかしていない状態でグッズ開発に突入したので、突貫です。

リサーチしてピックアップしたものの中から、ホナミさんが特にいいなと思った3点のロゴのデザインをそのままマネして「サリュ」の文字で作ってみてもらいました。使うフォントはマシンに入っているものから似たものを選び、必要なら変形など加工をして似せる。または手書きする。というルールでの挑戦です。

サリュ、カタカナ3文字というわりと難易度高めのロゴなので代表は「いばらの道だね…」とつぶやいていましたが

そこはロゴ初心者の強み。難しいのか易しいのかすらわかりません(笑)。果敢に挑戦です。

良いと思ったロゴはどんな構成なのか。どんな部分を良いと思ったのか。どこをどういじっているのか?などをじっくり分析していきます。

もちろん、ホナミさんおひとりでは分析が難しく

見た目を真似したつもりが全く違うものになってしまったりするので、スタッフから「これはこういう構造なので、サリュの文字でいじるならここをこう…」と具体的に助言をしながら進めていきました。

模写?を経て最終的にこの方向でいこう!と方針が決まり具体的な制作に入りました。

⑤制作!

・文字のパーツを色変えすること。

・「発信」を表現する電波のマークをつけること

ということが決まり、基本になるフォントの選択、電波マークの線の太さの調整や文字の形、色の調整をしていきます。グレースケールやモノクロにしても成立するデザイン・色調であることを確認し…

完成!

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商品の色に合わせた色使いになっていますね。

シンプル/親しみ/発信がしっかり組み込まれ、色の変え方などはホナミさんのセンスが活かされています。

ロゴ制作初挑戦でしたが、制作者であるからこそのコダワリが活かされた仕上がりになりました。

ちょっとだけ通常の作り方とは違った突貫のやりかた

ホナミさんはクラウドソーシングでロゴ制作の案件に取り組みたい!という希望があるので、未経験ながらもロゴにチャレンジしていただきました。

本来というか大半のデザイナーは、手書きでラフをいくつもいくつも出しながらアイデアを固めていくと思います。(私が見てきた方法がそれしかなかった)

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前回のセミナーで代表が披露した思考のプロセス。

・初心者ゆえに、発想が豊富に出てこない

・脳のクセの影響で、一度出したアイデアから抜け出すことが苦手

・気付くと脱線したり迷走しがち

といった苦手があるからこその今回の方法でした。

サポートするスタッフも思考の過程を見える化することで整理ができましたね。

今回の経験を活かして、ぜひともクラウドソーシングにもチャレンジしてみてほしいです。

さて、次は、これまた未履修のパッケージデザインです。

伝えるべき情報は??何をどう見せる??と迷走の気配なので、またレポートしますね!

いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。