グッズ開発をしてみよう!のつづきのハナシ
就労継続支援ビルドで動いているオリジナルグッズ制作プロジェクト。【サリュ!】
前回、好きにイラストを描くこととキャラクターとしてデザインすることの違いに気づいたところまで書きました。
当初のアイデアでは【元気!・ぼちぼち・わるい(気分)・わるい(からだ)・すぐれない】の5種類のマークがありましたが、
キャラクターデザインが固まり、プロジェクト外の利用者さんから意見を聞く中で様々な取捨選択が行われました。
↑ほぼFIXしたキャラクターをもとに表情のバリエーションを検討中の図
―気分/身体の違いって何?
―"すぐれない"を着けて、結局どうしてほしいの?
ビルドのオリジナルグッズ制作プロジェクトは、基本的には障害のある当事者自身が自分で欲しい!使いたい!と思うグッズを作るというコンセプトですが、商品である以上は自分にだけわかるものでは意味がありません。
フラッシュアイデアでは個人のものだったけれど、商品として販売する以上商品そのもので意味が伝わっていく必要があります。
他者の視点が入ることで初期衝動と少し変わっていったり
せっかく一生懸命考えたアイデアがボツになったり。
すごく気に入っていたデザインをやむを得ず捨てないといけなくなったりします。
楽しいだけじゃないシビアな現場!それが就労継続支援ビルドの支援です。
皆さんからの意見をもとに具体的に販売する場面も想定して打ち合わせを行い…
・元気/ぼちぼち/つらいの3種に絞る
・いっそのこと文字情報を無くして、事情を知らない人には普通にかわいい雑貨だと思えるものにする
・支援者や上司との間で、そのマークのときはどうするのが正解かを話し合っておく
といった内容が詰められていきました。
ちなみにこれらすべて、発案者である利用者のホナミさん(仮名)がミーティングの中でみんなの意見をもとに自分で考え結論を出していきました。
これで進捗表(双六)の上段まで。
表情のバリエーションが決まり、色の方向性を決めていきます。
ラフの時点では色もすべて仮置きでした。もともとのデザインもラフも、ちょっとポップでビビットめの色使いでしたが
ホナミさんが考えていく中で、福祉といえば北欧じゃない???とイメージがつながり、北欧デザインや北欧カラーをコンセプトに考えていくことに。
表現したい気分に合わせてキャラクターの色を変えるプランを試してみたら、文字なしなので右端のキャラがとっても寒そうになった図↓
ホナミさんから出たキーワード「北欧風」「やさしい」「癒し」 「ソフト」「淡い」「背景はぐりぐりっと描いたような質感」をもとにスタッフも一緒に考え、試行錯誤の連続の結果……
デザインがほぼ確定しました!
やさしい色合いや、ピクトグラム的に表情で伝えるマーク、色鉛筆やクレヨンのような質感などを活かしつつブラッシュアップされました。
(途中経過の捨て案はおびただしい量があるのですけどね)
最初期のモックがこんな感じだったので…
ずいぶん印象が変わりましたね!
この間、ほんの2か月。
絵を描くのが好きでアイデアが豊富なホナミさん。
チーム作業、デザイン作業、グッズ開発、すべてが初体験でした。その中でどんどん吸収し、「今見ると、このときのこれはこうですね…」と冷静に振り返ってくれたりもしました。ご自身の成長やスキルアップを体感できているようです。
キャラクターデザインのフェーズはいったん完了(スタッフによる入稿作業のみ)。
ホナミさんたちプロジェクトメンバーは、最難関!ロゴデザインに入ります。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。