MIDI打ち込みのドラムトラックをそれっぽくしたい!
DAWソフト等で楽曲制作を行う際、MIDIによる打ち込みを行う機会があるかと思います。
MIDI打ち込みにより、音源制作に必須となる機材はレコーディングと比べると少なく、手を出しやすい手法のため宅録等では大きく活躍してくれることでしょう。
しかしながら、MIDI打ち込みのドラムトラックを人間らしい音源に仕上げるには工夫が必要です。
今回は簡単に調整できる箇所に着目してドラムトラックをそれっぽく仕上げていけるようにしたいと思います!
物理的に叩けないフレーズは使用しない
物理的に不可能なフレーズがあると違和感を覚えるかもしれません。
ドラムセットがどのような配置でセッティングされているかを見て、どのように手を動かせばよいかを考えながらフレーズを作れば基本的には物理的に叩けないフレーズは生まれないので、フレーズを作ったら一度手を動かしてみましょう。
手を動かすことはその後の手順でも活躍するので、ぎこちない動作でもやってみましょう!
叩けるフレーズに調整する
一度制作してみて、物理的に叩けそうにないフレーズとなってしまった場合は、前後の音を少し抜いて見たり、出す音を変えてみたりして、叩けるフレーズにしてみましょう。
同時に出す音の数にも注意が必要です。
ドラムセットにおいて人間が同時に出すことができる音は最大4つですが、基本的には3つまでとすると良いでしょう。(4つ同時に発音すると動作が不自然な感じになります)
ベロシティを調整する
ベロシティを調整するだけでもかなり人間っぽいフレーズになってくるかと思いますので、しっかりと調整していきましょう。
バスドラムのベロシティ
バスドラムのベロシティは基本的に一定で問題ありません。
スネアのベロシティ
スネアドラムやタムはフレーズによって細かい音量調整を行う場合があります。
特にスネアはゴーストノート等のテクニックを使用する場合も多いので、調整するべき音が多くなるかと思いますが、様々なベロシティ設定を試しながら調整していきましょう。
クラッシュシンバル、その他エフェクトシンバルのベロシティ
クラッシュシンバルやエフェクトシンバルはハイハットやライドシンバルと違い音量を変えて演奏する事はそう多くありません。
ただし、クレッシェンド等のテクニックを使うことはあるので、そういった際は自然に音量が変化していくよう調整が必要です。
ハイハット・ライドシンバルのベロシティ
ドラムトラックのベロシティ調整の中で最も難しいパーツがこのあたりかと思います。
ハイハットのベロシティ調整次第で一気に不自然さが増してしまうこともあるため、様々な曲のフレーズを参考にしたり、実際に手を動かしたりして見ながら調整していきましょう。
参考として、エイトビートを例にしておおよその目安を書いてみようかと思います。
シンプルなエイトビートの譜面を用意しましたので、こちらのフレーズで考えていきます。
エイトビートを演奏する際、ドラマーはアップダウンストロークというような腕の振り方をして演奏します。
アップダウンストロークにより、音量差が生じるとともに、ハイハットに当たるスティックの位置も変わってきますので、ストロークを意識しながらベロシティを考えてみましょう。
表拍の部分はダウンストロークとなり、スティックの側面部分がハイハットの淵部分(エッジと呼ばれることが多いです。)に当たります。
そのため、表拍は若干大き目にベロシティを調整します。
続いて、裏拍部分はアップストロークとなり、スティックの先端部分がハイハットの上部分(ボウと呼ばれることが多いです。)に当たります。
そのため、裏拍は小さめにベロシティを調整します。
上記のようにベロシティの調整はドラム演奏を行う際の動作に基づいて設定されるため、手を動かしてみて、どのような音量になりそうかを考えてみると自然なフレーズになるかと思います!
同じパーツで別の音色があれば使い分けてみる
ドラムセットは常に同じ音が出るわけではなく、例えば同じスネアでも打面の中央と端あたりでも大きく音が変わります。
そのような使い分けができるドラムトラックであれば、積極的に音の使い分けを試してみましょう。
特にハイハット等はベロシティの項目でもあったボウ、エッジの使い分けを行うとよりリアルになるかと思います。
とにかく試してみる
ここまででいくつかの内容をご紹介しましたが、とにかく様々なテクニックを試してみましょう。
ドラムトラック作成に限った話ではありませんが、実際に試した経験は自分の技術として身についていきます。
様々なテクニックを試しながら自分らしいドラムトラックを作っていっていただければと思います!