ドラマーでも楽譜は読めたほうが良い?

ドラムを始める方、すでに演奏ができる方の中に楽譜が読めないという方は少なからずいらっしゃると思います。
ドラムはリズム楽器のためピアノやギター等のようなスケールはないので、ある程度リズムを感じることができれば楽譜が読めなくても叩けるものです。
それでも問題ないかとは思いますが、楽譜を読むことができれば譜面から曲のイメージができたり、メロディ等のリズム、音の動きからどのあたりを演奏しているかを判断できる等、便利な一面もあります。
今回はドラマーが覚えておくと便利な楽譜の読み方の基本についてご紹介します!

楽譜冒頭から読み取れる情報

楽譜冒頭からはその楽曲の様々な情報を読み取ることができます。
例えばテンポ記号や拍子記号からは楽曲の速さ、拍子がわかるためどのようなビートを使えば良いか絞り込みやすくなるでしょう。

テンポ記号、拍子記号、調号等は基本的に冒頭に表記されますが、曲の途中に入ることもあります。

テンポ記号

テンポ記号はポップス、ロック等の場合「♩=(数字)」のような書き方をしている場合が多いです。
この記号は1分間に四分音符が何回鳴る速度で演奏する指示を表しており、例えば数字が60であれば1分間に60回四分音符が鳴る速度で演奏するということを表しています。

拍子記号

拍子記号は楽曲が何拍子なのか(1小節がどの音符何個分なのか)を示す記号です。分数で示されており、分母が音符の種類、分子が音符の数を表しています。
一例として4/4の記載の場合、四分音符が4つの拍子を表していることになります。
※4/4の拍子を「C」で表す場合もあります。

調子記号(調号)

曲のキーを示す記号で、#や♭の数で表されています。
ドラム譜には記載されない情報、かつキーに関する知識がある程度必要なので無理に覚える必要はありませんが、他の楽器の音を把握する際等知っていると便利です。

楽譜全体から読み取れる情報

楽譜全体を見ると曲の長さや流れ等が読み取れます。
細かく見ていくと読譜に時間がかかりますが、大まかな長さくらいであればすぐに把握できることでしょう。

小節

楽譜を見ると、縦の線で区切られていることがわかるかと思います。
この縦の線には種類がありますが、基本的には縦線で区切られた区間のことを小節と言います。
この小節の数とテンポ記号、拍子記号、後述の反復記号を組み合わせると楽曲の流れ、長さがわかります。
なお、縦線には以下のような種類があります。

  • 小節線
    1本の縦線で示され、小節の区切りを指します。

  • 複縦線
    2本の細い縦線で示され、曲の雰囲気や調号、拍子等が変わることを示します。

  • 終止線
    曲の終わりに太い縦線と細い縦線で示されます。反復記号と組合わせて表記される場合もあります。

小節線、複縦線、終止線はこのように表記されます。

反復記号

反復記号はある位置から指定の位置まで戻ることを示します。
反復記号には以下のような種類があります。

  • リピートマーク
    終止線と「:」の記号で示され、基本的には2つセットになっていますが、戻る位置が曲のはじめである場合戻る位置を示す記号は省略されます。

  • ダ・カーポ
    「D.C.」や「da capo」の記号で示され、曲のはじめに戻ることを意味します。

  • ダル・セーニョ
    「D.S.」や「dal segno」の記号で示され、セーニョマークへ戻ることを意味します。

  • コーダ
    繰り返し記号で戻った後、トゥコーダからコーダへ飛ぶことを意味します。


リピートマーク
ダ・カーポ
ダル・セーニョとセーニョマーク
トゥーコーダとコーダ

音符、休符

音符の長さ等がわかるとキメのリズム等が他の楽器からわかるようになります。また、ドラム譜を読む際は必ず音符、休符を読むことになるためぜひ覚えておきましょう。
※本記事では4/4拍子を基準としてご紹介します。

全音符、全休符

1小節の長さ分伸ばす、または休むことを表します。
※4/4拍子基準の場合4拍ですが、3/4拍子の場合は3拍というように拍子によって長さが変わります。

2分音符、2分休符

全音符の半分(2拍分)伸ばす、または休むことを表します。

4分音符、4分休符

2分音符の半分(1拍分)伸ばす、または休むことを表します。

8分音符、8分休符

4分音符の半分(0.5拍分)伸ばす、または休むことを表します。

16分音符、16分休符

8分音符の半分(0.25拍分)伸ばす、または休むことを表します。

全音符、全休符から16分音符、16分休符を並べた楽譜

16分音符以降の音符や休符は旗の数、点の数が増えていきます。

付点

音符、休符の横に点をつけることで、その音符の半分の長さを足すことを表します。
点を2つつける「複付点」は元の音符の半分の長さと、そのさらに半分の長さを足すことを表します。

付点、複付点の例
付点2分音符 = 2分音符 + 4分音符
複付点2分音符 = 2分音符 + 4分音符 + 8分音符

タイ

同じ音符同士を曲線でつなぐことで、長さを足すことを示します。
小節をまたいで音符をつなぎたい時等によく使われます。

タイの例

いかがだったでしょうか。
楽譜には様々な内容が記されており、そのすべてを覚えるのは大変です。
少しでも楽譜が読めると便利なことが多いので、この機会に読み方を覚えてみてはいかがでしょうか。

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