知っておきたい音響機器の話

音楽を始めたいという方にとって難しいと感じやすい点として、音響機器の操作があると思います。
特に、ドラム等音響機器に触れる機会が少ない楽器では、覚える必要性を感じにくいこともあり、リハーサルスタジオ備え付けのミキサー等を操作できないという場面も出てくることでしょう。
今回は、楽器初心者の方向けに音響機器のご紹介をしていきます。

音響機器の名前

マイク

マイクは音の振動を電気信号に変換し、音響機器に送信する機器です。
主にダイナミックマイクとコンデンサーマイクが存在しますが、リハーサルスタジオに常設されているマイクは基本的にダイナミックマイクとなっています。
今回は省略しますが、ボーカルの方が自分のマイクを購入したいという際は種類による特性も加味して選ぶと良いでしょう。

ミキサー

ミキサーは、入力された音声信号をそれぞれ調整し、まとめて一つの音声信号としてスピーカー等に出力する機器です。
マイクやキーボードを接続して音を出すことはもちろん、スマートフォンや音楽プレーヤーを接続して音を出し、曲に合わせて練習するといったこともできます。
メインミキサーからサブミキサーにいくつかの音声信号を入力し、イヤモニとして使うということもできるので、イヤモニに興味のある方はぜひスタジオ常設のミキサーを見て操作方法を覚えてみてください。

パワーアンプ

パワーアンプは、音声信号をスピーカーで扱えるレベルの信号に増幅する機器です。
主にパワーアンプは単体で用意する必要があるケース、スピーカーに内蔵されているケース、ミキサーに内蔵されているケースがあり、それぞれのいずれか一つにパワーアンプ部が存在する必要があります。
パワーアンプがない状態では音が出ませんが、パワーアンプが重複してしまうと機器の破損につながりますので、パワーアンプ部がスピーカーやミキサーにあるかどうか等はしっかり確認したうえでパワーアンプが必要かどうか検討しましょう。

スピーカー

スピーカーは、入力された音声信号(パワーアンプによって増幅された信号)を音として出力する機器です。
パワーアンプが内蔵されているスピーカーはパワードスピーカーと呼ばれ、パワーアンプが内蔵されていないスピーカーはパッシブスピーカーと呼ばれます。
パワードスピーカーには電源を投入する必要があり、スピーカー側で音量の調整ができますが、パッシブスピーカーはパワーアンプから入力された信号を音として出力するだけの機器なので、音量調整はできず、電源投入は必要ないという違いがあります。

オーディオインターフェース

オーディオインターフェースは録音等の際に使用する機器です。
音響機器に含めるものかどうかは微妙なところですが、音声信号を扱う機器ということで簡単にご紹介だけしておきます。
オーディオインターフェースの中では、アナログの電気信号をデジタル信号に変換し、PC等に送信したり、PC等からのデジタル信号をアナログの電気信号に変換するという処理が行われています。

音響機器の操作

電源オン/オフの順番

音響機器の電源オン、オフには順番があり、順番を間違えると音響機器が壊れやすくなりますので、注意が必要です。

  • 電源オン
    音源となる機器から順に電源を入れていきます。
    マイク、キーボード、ミキサー、パワーアンプ、スピーカーの組み合わせであれば、キーボード→ミキサー→パワーアンプの順で電源を入れましょう。(この場合、マイク、スピーカーには電源がないため無視しています。)

  • 電源オフ
    スピーカーから順に電源を切っていきます。
    マイク、キーボード、ミキサー、パワーアンプ、スピーカーの組み合わせであれば、パワーアンプ→ミキサー→キーボードの順で電源を切りましょう。

音源の接続

マイク、キーボード等の音源を接続する際は、接続するチャンネルをミュートしてから接続しましょう。ミキサーから外す際も同様です。
チャンネルのミュートはミキサーによってボタンが違いますが、操作に慣れてくるとどのボタンを押せばよいかわかるようになってきます。

音量の調整

ミキサーでの音量調整は、主にゲインツマミとフェーダーを使って音量調整を行います。フェーダーを特定の位置(0の位置等)まで上げたうえでゲインを操作し、その後でフェーダーを使って微調整する等方法は様々ですが、リハーサルスタジオなどではゲインは操作しないよう書かれていることもあるので、その場合はゲインは操作しないようにしましょう。
メイン出力の信号はフェーダーで操作する形になるため、各チャンネルの音量調整の際に合わせて調整しておくと良いでしょう。

イコライザーの調整

イコライザーは基本的にあまり操作することのない部分ですが、音がこもっているような場合等で操作することがあります。
ミキサーに内蔵されているイコライザーは低域、中域、広域をツマミで操作するパラメトリック・イコライザーであることが多いので、操作する必要があれば操作してみましょう。

パワーアンプの音量調整

リハーサルスタジオに備え付けられているパワーアンプはどこまで音量を上げてよいか印がつけられていることが多いと思います。
基本的に電源のオンオフ以外に操作することはないのですが、操作する場合は印以上に音量を上げないようにしましょう。

今回は音響機器の名前や操作をごく簡単に紹介してみました。
リハーサルスタジオに常設されているものも多く、個人での練習はもちろん、バンド練習の際に知っていると便利かと思います。
特に、バンド内で誰も音響機器の操作ができない状況になると、練習ができないという事態になりかねないので、誰かひとりは知っておくと良いかと思います。
慣れればそう難しいものでもないので、ぜひ覚えてみてください。

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