パスティーシュオールスター!大乱闘シャーロック・ブラザーズ5

「この演技がバレるとは思わなかったよ」

ホームズの姿が消え、そこにいたのは・・・まさにストランド・マガジンの絵から飛び出したようなホームズその人だった。

「私はウィリアム・ジレット。俳優だ。世界で最初にシャーロック・ホームズの戯曲化を行った」


「ミスタ・ジレット!映像記録媒体が乏しかった時代、ホームズの生き写しとまで言われた名俳優ですよ!それが!今!ここに!」
「マシュ、ステイ」

マシュは照れながらも「しかし」と続け、「なぜあなたが特異点のことを・・・」と問うた。あの場にいたのは間違いなくサーヴァントだ。

「私は仕事が来るまでホームズのことをまるで知らなかった。だから完璧に演じるため原作を読み、関連書籍を読み、考察に時間をかけ、何度も大西洋を渡り・・・そうして戯曲が完成した。今回は取材対象がサーヴァント・ホームズだっただけさ。つい曲がったパイプを一服やったのもミスだったかな。それでは諸君、楽しい時間をありがとう!これにて閉幕だ!」

ジレットもまた光となっていった。


3.微睡の午後

「・・・というわけで僕のちょっとしたゲームに付き合ってもらったわけだ」
「安全が確認できたから見逃してやったけど、そう何度もやられちゃ困るぞ ゲーム中に事件だなんて笑い話にもならない」

ゲーム後のカルデア。いつものような穏やかな日々。

「勝者には祝福を。3人には何をあげたのさ」
「滝の近辺にいた魔物をバリツで処分して出た素材とQP、それから・・・」
「それから?」
「後で彼らに聞くがいいさ 教授は僕の贈り物なんぞいらんと言ってフランケンシュタインに渡してしまったがね」

・・・

「おいしいね、マシュ」
「優しい甘さです、先輩」

勝者の、午後のティータイム。
たまには穏やかに緩やかに、紅茶とともに、スイスの砂糖菓子を味わいながら・・・









EX.最後の勝利者

「シドニー・パジェットの原画と当時のストランド・マガジン初版本!?」
「本物か!?」
「本物だ!鑑定士のお墨付きも出た!」

「どうした?早く換金をしてくれないかナー」

「はい!只今!」


「咄嗟に思い付いた悪事とはいえ、ホームズや千里眼持ちが動き出す『堪忍袋の緒』が切れるポイントを調べるのも悪くない」

「『いずれ』について備えるのも学者の常というもの」

「いずれ」




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