パスティーシュオールスター!大乱闘シャーロック・ブラザーズ

本作はFate/Grand Oader 亜種特異点Ⅱまでに登場した一部のサーヴァントの真名が記載されております 予めご了承ください


序章

 亜種特異点Ⅱ<レムナント・オーダー>の解決後、ホームズがカルデアから姿を消した。置き手紙には「魔術師としてではなく推理ゲームを思いついたのでロンドンにレイシフトする 用意が整い次第ダ・ヴィンチ経由で連絡する」とだけ。大はしゃぎするモリアーティ教授以外は呑気に構えていたが、2日後に通信が入った。

「準備が整った 3名来たれ これは勝負だ」・・・だとさ

彼・・・彼女?カルデア指揮官代表、レオナルド・ダ・ヴィンチがメモを読み上げる。「『戦闘行動禁止。生命を危険に晒す要素はすべて排除した。これは単に頭の回転のゲームのようなものだ。女王にでもワトソンにでも誓おう。』だってさ。しかもご丁寧に招待状まで来ている。一つは立香くん。一つはマシュ。もうひとつは・・・おやおや驚いたな、数学教授ジェームズ・モリアーティだとさ」

ダ・ヴィンチがメモをひらひらさせる後ろでモリアーティは憤慨して立ち上がった・・・が、腰に抱えた悲しみの爆弾が作動したのか、おとなしく座り込んだ。フランが湿布を貼ってあげている。

「本当に危険はないのでしょうか。レムナントオーダー案件などでは」とマシュが当然の懸念を口にする。「ミスタ・ホームズは博識な方ですが、目的のためなら『瀕死の探偵』のように仲間すら欺くこともありますから」

「それは違うんじゃないかな」と立香。ダ・ヴィンチは頷いて「理屈をつけて体に悪い薬をやるのは勝手だが、私の前でやられると、どっかの誰かを思い出してね。ナイチンゲール女史に説得(物理)してもらったら随分とヒマそうだったから、単に遊びたいだけだと思うぜ。大丈夫、モニターはいつも通りさ」

1.急行ライヘンバッハ

一人のマスター。一人のデミ・サーヴァント。一人のアラフィフのレイシフト先はロンドンではなく大瀑布。ライヘンバッハの大瀑布だった。

「あいつ人のトラウマ抉るの上手くなってね?何がルーラーだマジ許さねー」とつぶやきつつも冷静に観察を行う教授は、ある異変に気付く。「滝壺が妙だ」

「本当です、ライヘンバッハの滝壺はあんなに暗いはずが・・・ってあれレイシフトするときの穴ですよね!なんであんなものが!」「よし、教授を落とせば異変解決する気がしてきた」「やめよう!?」とやり合っていた三人の前に人影がひとつ。ふたつ。みっつ・・・

「先輩、囲まれています・・・あれ?」「敵意はないようだがマスター君は下がっていたまえ」

霧が晴れ、人影の顔が見えるようになり、3人は驚愕した。

ホームズ。ホームズ。ホームズ。ホームズが3人いるのである。そして天の啓示のように声が響く。

「ちょっとした頭の体操ゲームを思いついたんだ。そこにいる者たちはみんな僕に所縁のある幻霊で、僕の姿をしているが別人だ。その中に本物の僕がいる。それを見つけ出せば君たちの勝ち。負ければ突風が吹いて3人とも滝壺の中に落ちる。」

自分も参加したそうにモニターにかじりつくダ・ヴィンチちゃんの後ろで偶然通りかかったシェヘラザードが「死んでしまいます・・・」と卒倒しそうになるのに気づく者はいない。

「ルールは4つ。『制限時間はない。ホームズか否かを当てるだけでよい』『何を質問してもよい。幻霊も僕本人も嘘はつかないが答えない権利もある』『滝壺に入ると強制的に、かつ安全にカルデアへ送還される』『そこの数学教授だけひょっとしたら岩にぶつかるかもしれない』

シェヘラザードは失神した。

2.ホームズ1号

早速インタビューにかかる3人。後ろには大瀑布。シャーロキアンのマシュ、宿敵モリアーティが質問を行い、マスターたる藤丸立香が判定を下すことにした。

以下、インタビュー内容

マシュ「あなたの活動していた時期は?」
ホームズ「ヴィクトリア朝」
マシュ「音楽は好き?」
ホームズ「嗜むよ」
モリアーティ「ディアストーカー(鹿撃ち帽)は好きかね」
ホームズ「ああ」
マシュ「お兄さんがいる」
ホームズ「間違いないよ」
モリアーティ「専攻は」
ホームズ「ノーコメント。」
モリアーティ「晩年はどうしていたかね」
ホームズ「ノーコメント。」
マシュ「印象深い事件は?」
ホームズ「バスカヴィル家の犬だ」

マスター、引き出せる情報はこれで全部かと・・・

「彼はホームズだ」

「彼はホームズではない」

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