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持つべきものは

最近、おめでたい知らせがあった。
Twitterで知り合い仲良くなった友人の結婚式・披露宴にお招きいただくことになったのだ。
同い年の彼女とはオフラインでも何度も会っていて、お互いの自宅に遊びに行ったこともある仲だけれど、まさかそんな場にお呼びがかかるとは思っていなかったので、本当に嬉しかった。

ところで、32年間生きてきて、他人様の結婚式に招待された回数は(上記の友人を除き)ざっと10回ほど。実際に出席したのはそのうち7回である。
やむなく欠席してしまった3名の方には誠に申し訳ないと思って


るわけないです。


こんなことを書くと「交友関係に序列をつけているのか、けしからん」とか言われそうだけど、出席しなかったのは、正直なところ、なぜ私が呼ばれたのかよくわからなかったからだ。
学生時代にほんの少し接点があった程度で、携帯の番号は交換してるけどメールやラインを頻繁にするわけでもなく、同級生の集まりでごくたまに顔を合わすくらいの間柄の私を呼ぶメリットとしては、祝儀の頭数を増やすくらいしか考えられない。結局は金か!
しかも、祝いの席たるものTシャツにジーンズ穿きで行くわけにはいかず、季節に応じた礼装と、更に女性ならヘアメイク、ネイル等を施す必要がある。よって、さほど親しくもない人のために4〜5万円消えていくことになる。料理や引き出物があるとしても、割りに合わない。
なので、姑息な手段だとは思いつつ「親類の結婚式とたまたま同じ日で」という言い訳を使わせてもらい、3名ともギフトカードを送っておいた。

私は、友人同士で出掛けたり食事したりする時に「来られるかどうかは別として、できるだけ多くの人に声を掛ける」というやり方があまり好きではない。
この方法で人数だけ集めておいて、自分の気に入らない人が来ると「なんであいつが来てるんだ」とか文句言う奴、いるよね。あれ、意味わからない。
結婚式でこのパターンが多いのは、ずばり会場を先に決めてしまうからではないだろうか。
あくまで想像だけど、◯クシィに載るような有名な式場やホテルウエディングに憧れてる花嫁さんは、自分の希望に見合う会場を押さえることに必死になるあまり、どれくらいの規模で誰を呼ぶか、という何気に一番大切なことがおそらく後回しになるのだと思う。

実は7回出席した中にも、「なぜ私を?」の人が一人だけいたんだが、新婦が「カジュアルな食事会にするつもりだからぜひ来て」とのことで、じゃあ行きますと返事をした。
ところがどっこい、蓋を開けてみると、チャペル式の後、場所を移して再度人前式からの披露宴(司会付でケーキカットも余興もお色直しも新婦の手紙朗読もありのフルコース)という芸能人ばりの立派なお式であった。でっかい引き出物の袋を下げて帰りの電車に揺られながら「ハメられた!」とげっそりしたものだ。

だから「この前、会社の取引先の人の披露宴に呼ばれてさ〜」などという話を聞くと、私は「なんと徳の高いお人じゃ…」と合掌しそうになる。私のようなみみっちい人間には到底真似できない。

人生も30年を超えてくると、いわゆる悪縁のようなものを断ち切らねばならない場面も増えてきた。今はSNSを使って過去のクラスメイトや同僚とすぐ繋がれる世の中なので、これがなかなか難しくもある。
一方、ここ数年はTwitterで交流がある人と実際に会う機会も増えた。Twitterに限らず、インターネットを介した友人がいる人はわかると思うが、「この人とは絶対仲良くなれそうな気がする!」という段階までこないとまずリアルで会わないため、ほぼ100%仲良くなれる。そして頻繁に会わなくても、タイムラインを眺めているだけで、どんな日々を過ごしているか、何を考えているかがわかる。
都合の良い時だけ親しいふりを装う腐れ縁よりも、よっぽどいい。

決して友人が多いほうではない私だが、ふと気付いた時にラインで他愛ないメッセージをくれたり、年に一度は会って美味しいものを食べに行こうと言ってくれる人たちの存在には本当に助けられている。
だいたい、こんな非社交的で心の狭い奴と友人でいてくれること自体がありがたすぎるじゃないか。

しっかり者で懐の広い友人と、優しい旦那さまの晴れ姿を見るのを今から心待ちにしている。

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