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真白馬ブジン

TNパラガス 戦績 12勝3敗 WCS2位


個別解説文

・バドレックス-はくばじょうのすがた
H252-A172-D84 勇敢(S個体値1)
テラスタル:草 持ち物:クリアチャーム
ブリザードランス/10万馬力/トリル/守る

•ルナアーラの+1メテオビーム確定耐え
•臆病252振りバドの珠アスビがダブルダメージで乱数12.5%

禁伝枠。トリルを張ることができ単体でのパワーも文句なしに強いため迷わず採用。耐久ラインとしては相手のルナアーラの「メテオビーム」を耐えるラインを確保し、残りは全てAに回すことにした。これは、海外勢の白馬バドレックスのAラインはA116振りの実数値220であることが多く、そこに対しての耐久調整をしてくる相手が多くいると考えられこと、そして可能な限り一回の攻撃の圧力を上げたかったことが理由である。結果としていい感じの耐久と火力を両立できたため、かなりお気に入りの配分。草テラスは胞子やゴリラウーラライコ辺りの一致技を半減するため。

・テツノブジン
H204-A4-B100-D28-S172 陽気
テラスタル:霊 持ち物:ブーストエナジー
ソウルクラッシュ/コーチング/ワイドガード/アンコール

•H16n-1かつ白馬の+1ブリザードランスをダブルダメージで確定耐え
•臆病S4振りハバカミ抜き抜き
•あまりD振り

多分皆が一番気になるであろうポケモン。役割はシンプルで、黒馬•テラパゴス•ミライドン•カイオーガ•白馬辺りに選出してソルクラ•ワイガ•アンコで相手の行動を制限しつつ、隙を見て味方にコーチングを打って全抜きエースを誕生させることである。世界大会のレベルだと一周回ってアンコ撃ってこない読み居座りが結構あるため、強気なアンコールはかなり刺さった。耐久面もなかなかに高く、実は2回程度ならサイクルさせることもできるし受け出しもできなくはない、非常に優秀なポケモン。殆どの相手が試合後の感想戦でブジンが重いという趣旨の発言をしてきており、目の付け所は正解だったと感じている。配分は先月一位のキムさん(@kim0227poke)の物に近いが、こちらの方が若干柔らかく、若干早い。これは、確実にスカーフイーユイやランドロス辺りを抜くためである。霊テラは猫騙しや素テラクラスターなどに対してたまに切る。


・ウーラオス-れんげきのかた
A252-D4-S252 意地っ張り
テラスタル:水 持ち物:気合いの襷
水流連打/インファイト/アクアジェット/見切り

•鬼火を喰らいやすいためH16n−1
•火力、速さとも欲しいが優先すべきは火力であるためA特化準速

特に説明することもない普通の型。採用しない理由が見つからないくらいには強いポケモンの為迷わず採用。雨+水テラスの火力があまりにもエグい。このポケモンをいかに強気に動かすことができるかによって勝敗が決まると言っても過言ではない。


・ペリッパー
H252-C252-D4 控えめ
テラスタル:草 持ち物:命の珠
ウェザーボール/暴風/ワイドガード/手助け

•火力も耐久も欲しいのでHCぶっぱ

配信卓でも活躍していたポケモン。殆どの禁伝に対して選出する。命の珠+特化の火力は半端ではなく、ウェザボは並の等倍相手なら軽々ワンパンでき、暴風も草テラスザマゼンタやチョッキゴリラにすら致命傷を与えることができるほど火力が出る。元々雨を自力で降らすことができる点と雨下の火力を評価して採用したため、それを更に強化できる命の珠を採用することになった。ワイガはテラパゴスや黒馬などに強くなることができ、手助けは縛られている場面や猫騙しへの切り返しに便利。守るを切ってでもこの技構成にしたのは正解だと思う。決勝進出を賭けたvsミハエル選手(キリンニキ)の試合でも勝負を決定付けるほどの活躍を見せた辺り、このポケモンの強さは本物である。草テラは胞子や怒りの粉、電気技対策。


・ランドロス-けしんフォルム
H4-C252-S252 控えめ
テラスタル:霊 持ち物:拘りスカーフ
大地の力/熱砂の嵐/ヘドロ爆弾/蜻蛉返り

•CSぶっぱ。耐久無振りミライドンをワンパンしたいので性格は控えめ。

対ミライドン最終兵器。たまにグラコライ辺りにも出す。相手が電テラなら手助け熱砂で一掃でき、フェアテラにはヘド爆が刺さる。ただし拘りスカーフを採用している都合上技選択や扱いが非常に難しい。火力はそこそこだが、他の5匹では対処しづらいポケモン達を睨みながら蜻蛉返りで対面操作をできる点が⭕️。霊テラは猫騙し対策。


・モロバレル
H236-B228-D44 のんき(AS個体値0)
テラスタル:炎 持ち物:ゴツゴツメット
花粉団子/クリアスモッグ/蕈の胞子/怒りの粉

•再生力の回復効率意識でH3n+特化白馬のダブルダメージブリザードランス確定耐え

いつもの相棒。守るを切ってクリスモを採用しているのはヘイラッシャ対策であり、実際に世界大会でも使用した。HBにかなり寄せている為物理に対してのサイクルと受けは圧倒的に強く、こいつ1匹でレジエレキとウーラオスを倒し切った試合すら存在したほどである。正直胞子の通りが良い環境とは言えないが、それを補って余りある強さがこのポケモンにはある。運用法としては雑に投げてヘイトを稼ぎつつ後続のペリウーラに繋いだり上手いことサイクルをしてゴツメをぶつけて相手をこちらの攻撃圏内に入れることなど。配分の意図としては相性不利を背負ってでも白馬に対して選出しなければならない場面があるためである。炎テラはパオジアン+ゴリランダーの一致技を半減にしたり、相手の水流連打を誘って痛み分けに持ち込む狙いがある。

構築経緯

禁止伝説枠として単体で抜きん出たパワーを持ち、更に自力でトリックルームを展開できる点を評価して白馬バドレックスを選択したところからスタート。続いてワイドガードと雨で味方を全体技と炎技から守りつつ相手に予想外の火力を叩きつけられる点からペリッパーを、そのペリッパーが降らした雨を利用してえげつない火力の水流連打を放つことができ単体で禁止伝説に迫るパワーを持つ水ウーラオスを採用。その次にOTS最強ポケモンの一角であるモロバレルを雑に採用し、ひとまず基本選出となる4匹の並びが完成した。続いて補完枠を求めたのだが、この作業は非常に難航した。というのも、上4匹の並びでは
・ミライドン激重
・タケルライコ激重
・ウルガモスのような白馬に強い上に防塵ゴーグルを持っている相手がきつい
・晴れ+スカーフイーユイが意外ときつい
・テツノカイナきつい
などの要素があり、補完枠の2匹でこれらの要素を対策する必要があるためである。無論これらのポケモンをゴリラやガエンなどよく見かける連中の相手をしつつ対策しなければならないため、1点特化型のネタポケモンを使うわけにもいかない。では誰を使えばいいのか?そこで思いついたのが化身ランドロスである。上記で挙げたポケモンのうち、ウルガモス以外のポケモンには地面が抜群として一貫しているという特徴がある。しかし、ここまでまともな特殊打点を持つポケモンがペリッパー1匹しかいないため、この地面枠には特殊技を主体とするポケモンを採用したい。この地点で、この枠に入るポケモンの候補は化身ランドロスと暁ガチグマの2匹に絞られた。どちらも強力なポケモンではあるが、決定的な違いは対ミライドン性能。暁ガチグマはチョッキ+耐久振りでないとミライドンの攻撃を受けられず、取り巻きのウーラオスやテツノカイナにも高打点を叩き込まれてしまう。その点を考慮すると攻撃を喰らう前に上から叩けるランドロスに分がありそうだという判断になり、採用に至った。そして最後の1匹。この枠選ぶのには本当に苦労した。なるべく汎用性が高く、ガエンゴリラウーラなどに強く、ついでにミライドン黒馬テラパゴス辺りに強い枠。いや、そんなのいるわけなくない?というのが正直な感想であるが、その時自分はあることを思い出した。「俺がPJCSで使ってたテツノブジン、あいつを上手く使えば全対応いけるんじゃね?」と。ガエンゴリラが猫騙しなどを使用してきたらそれをアンコールして縛りに行くことができ、Bがそこそこ高いためゴリラウーラの攻撃を1発貰った程度で倒されることはない。ミライドン黒馬パゴスには上からソルクラを撃って火力を下げながらワイドガードの圧で立ち回りを歪ませることができ、甘えた行動を取ってきたら即座にアンコール。そして相手がアンコールで自由に動けない間に味方にコーチングを積んで全抜き体制を整えることができる…これを思いついた時、自分は正直天才かと思った。試運転をしてみたところ非常に使用感も良かったため、これで構築が完成となった。

選出パターン


パターン1 先発テツノブジン+白馬バドレックス
後発ウーラオスorモロバレルorぺリッパー

一番よくやるやつ。後発は3匹の中で刺さってない1匹を外して選出することが多い(例えばゴツメバレルが相手にいたらウーラオスを、あまりにも胞子の通りが悪ければバレルを外すなど。)。アンコールやソウルクラッシュ、トリックルームで相手の動きを乱しながら後発を繰り出すタイミングを作り、トリルターンが続いている間に可能な限り相手の並びを崩して勝ちに繋げる。

パターン2 先発モロバレル+白馬バドレックス
後発ウーラオス+ぺリッパー

主にザマゼンタ系統に対して出す。初手バレルの圧をかけることで安全にトリルを展開し、白馬+ペリウーラによって相手のポケモンを一掃する。仮にトリル中に倒し切ることはできなくても、多くの場合で相手が雨アクジェの圏内に入っているため最後はスイープして勝ち。

パターン3 先発ウーラオス+テツノブジン
後発白馬バドレックス+モロバレル

岩ポン入り白馬に対して2本目にやることが多い選出。コーチング水流連打で無理やりオーガポンを突破し、あわよくばもう1コーチングを積んで全抜きを狙う。相手の盤面がぐちゃぐちゃになったところで白馬トリル展開からバレルを後投げして〆て勝ち。

パターン4 先発ランドロス+ぺリッパー
後発白馬バドレックス+モロバレル

対ミライドンの1戦目に出す。手助け熱砂で雑削りしてから裏の白馬バレルに繋ぐ。

パターン5 先発ランドロス+テツノブジン
後発白馬バドレックス+モロバレルorペリッパー

対ミライドンの2戦目に出す。フェアリー技と毒技でミライドンを挟み込む選出だが、本番ではオーガポンの指に咎められてしまった。

パターン6 先発ぺリッパー+白馬バドレックス
後発モロバレル+ウーラオス

主に鬼火ガエン+黒馬に出す。ペリのウェザボでいきなり大打撃を与えたりワイガで妨害したりして試合を有利に進める。

パターン7 先発ランドロス+白馬バドレックス
後発ぺリッパー+ウーラオス

主に晴れ系統に出す。天候を書き換えながら熱砂で雑削りを入れて隙を見てトリル+雨水流をぶち込んで勝ち。

立ち回り

相手の構築を見てどのポケモンが刺さっているか判断し、的確に選出することが重要。例えばテラパゴス相手にはウーラオスを選出したくなるが、テラクラスター1ウェポンのテラパゴスならワイドガードだけで完封できるため、ウーラオスを出すことを諦めペリブジンを出しておくなどである。刺さりの良いポケモンを適切に判断し、他のポケモンにヘイトを向けながらそのポケモンが自由に動けるタイミングを作ることが重要。

最後に

今回は優勝を逃してしまったが、自分のプレイングや構築は十分世界の強豪達相手にも通用するということがわかった。来年以降のVGC活動を続けるかは正直悩んでいたが、これだけ多くの人が応援してくれるのであれば来年も頑張ってみようと思う。よければもう少しだけ僕のことを見てやってください。
また、S1の白馬バドレックスを提供してくれたJohnさん(@John_infinity)、ランドロスやタケルライコ(構築試作段階で使ってた)の提供や金銭的支援などを行なってくれたにゃんさん(@nyanO905)、ダクマの配布を行なってくれたイキュリアチャンネルさん(@ikyuria_ch)、襷ウーラオスの提案をしてくれた〆さば(@sime_sabaaaaaa)ほか多くのフレ戦をしてくださった方々、練習の場を提供してくださった方々に改めて感謝の意を示します。本当にありがとうございました!!

有料部分について

ここまでで皆様が気になりそうな部分は全て書き切ったので、ここからは有料部分となります。本当におまけ程度のものですが購入して頂ければ死ぬほど喜びます。頂いたお金は今後YouTubeにて動画、配信活動を始める際の資金に充てさせて頂きます。有料部分の内容としては試作段階で悩んでたポケモンや配信卓以外がどんな試合だったかの解説と世界大会のちょっとした裏話などになります。

構築試作段階で考えてたポケモン達

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