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10年ぶりにポケモンに触れた男が日本代表になるまで

皆様初めまして。ビッチィと申すものです。「お前は誰だよ❓❔❓❔」という方もいると思うので大まかな実績、成績をば(細かい成績やコケた話などは本文中で触れます)。
・PGLジャパンカップ2014(今で言うpjcs)予選7位抜け。本戦で玉砕。
・シーズン16ランクマ最終31位(8:59に滑り込まれてリバ圏を逃した)。
・PJCS2024第3回予選162位で抜け。
・PJCS2024本戦 最終1位。
ざっとこんな感じです。正直復帰してから半年くらいは碌なプレイができずにおり、「あ〜、ジュニア時代の俺のプレイスキルはどこ行ったんだ?」というような感情に苛まれていましたが、いくつかのことを意識するようになると劇的に勝てるようになり、上のような成績を収めることができたため、記録としてこれまでの事や取り組みについて文章に残そうと思います。
「理由はわからないけど伸び悩んでる」や「とりあえず最終3桁を取ってみたい!」と言った方には参考になると思いますので、よければ見てやってください。でも最初の方の自語り部分はぶっちゃけあんま見なくてもいいかも…

ポケモン対戦との出会いと別れ


私がポケモンと出会ったのは2010年、ポケモンBWが発売された時でした。そこからXYの始まりくらいまでは普通に伝説のポケモンでポケモンリーグを蹂躙したりサブイベを楽しんでいるような普通の子供でした。
転機が訪れたのは2014年。私は当時放送されていたポケモンの番組で「ポケモンWCS」なるものがあることを知りました。折角なら自分も世界の舞台で活躍したい…そう思い父の知人のダブルバトル有識者からの指導を受けて対戦、及びポケモンVGCの道へと足を踏み入れました。
当時の私は小学4年生とかそのくらいだったのでジュニアクラスの大会に参加したのですが、前述の方から渡していた構築は比較的前のめりな構築が多いジュニア環境に対し強烈な刺さりを見せ、対戦歴半年あるかないかだった私は最終7位という結果で予選抜けを果たしました(当時の予選抜けは上位32名とかだったはず)。
そんな絶頂の中で迎えた日本代表決定戦。私は初戦でえげつない運負けをしてしまい、敢えなくWCSへの夢は散りました。この敗北は当時の幼かった私にはあまりにもショッキングであり、心が折れた私は早くも対戦から一度離れてしまいました。
それでも次作のORASまでは一応ゲーム自体は続けていたのですが、対戦から足を洗った私にとってポケモンにおける数少ない楽しみであったバトルハウスの連勝記録がバグによって消え去ってしまったことでポケモンというゲームへの愛着も同時になくなり、一度ポケモンを完全に引退することになりました。

復帰のきっかけ


ポケモンのことなどすっかり忘れてから9年。私は大学2年生になっていました。この時私はとある配信者にハマっており(名前は一応伏せますが聞いて頂けたらこっそり教えます)その配信を可能な限り追っていました。すると何ということでしょう、その人がポケモンの配信をしているではありませんか。しかも滅茶苦茶楽しそう!
これを見た私は衝動的にSwitchライトとポケモンバイオレットを買いに電気屋へと走り、9年越しにポケモンの世界へと飛び込んだのです。
とはいえブランク9年の身、昔いたポケモンがどんな技を使えるかなどそのくらいのことは薄ら覚えていましたが、今どんなポケモンが強いのか分からなかったため、少し今作の事情について調べてみることに。すると、驚きの情報が目に飛び込んできました。

https://sv-news.pokemon.co.jp/ja/page/74.html

え、1週間後に今年最後のPJCS予選があるの!?!?猛者でも足を掬われかねないレベルの大会、普通に考えれば復帰1週間で予選抜けなど無謀どころの話ではありません。ですが当時の私は身の程知らずだったこともあり、2徹3日で無理やりストーリーを終わらせ、ジュニア時代にポケモンを教えてくれた方に連絡して構築案を貰い(当時流行っていた雪ビビルーを提案して頂きました)、4日で頑張って育成してなんとか予選に挑みました。
が、そんな付け焼き刃が通じるはずもなく最終レート1600くらいで敗退。しかし、この時の経験は全くの無駄になった訳ではなく、後々生きてくることになります。

初3桁への挑戦


復帰してから暫くの間、とりあえず惰性でランクマを回していましたが、最初の2ヶ月ほどは負け越すシーズンが続いていました。
何で勝てないんだ?小学生の頃はもっとポケモン上手かったはずなのに…そんなことを思いながら、何がダメだったのかを少し考えてみることに。
そこで浮かんできた答えは2つ。1つは、かなり有名になっていた構築を使っていたためメタを貼られるようになっていたものの、この時のの自分にはそのメタを切り返すプレイスキルがなかったこと。2つは、自分にとって慣れ親しんだトリル構築以外への理解度が足りていなかったこと。この2つでした。
そこで、次のシーズンでは
・とりあえず自力でトリル軸を組んでみよう
・メタを切り返す力がないならメタられることがない初見殺し要素を構築に入れよう
ということを意識してポケモンをすることにしました。また、今の自分では連勝したら多分調子に乗ってレートを溶かすだろうと言う予測ができたため、「1日2勝ち越しで撤退」を鉄則としていました。◯◯勝したら撤退〜というメンタルは今でも結構応用が効くものだと思ってます。
さらに、この時にダメージ計算というものの存在を知り、事前にどの程度ダメージを食らうのか、もしくは与えることができるのか、その感覚を鍛える目的でApp Storeで配信されている「ダメージ計算SV」をインストールさせて頂きました。このアプリは現在まで愛用させて頂いております。以上の要素により、200戦ほどして最終400位辺りに到達することができました。PTについては今思うとあまりにもツッコミどころが多いため非掲載という事にしておきます。

2桁への挑戦(失敗)


次シーズンは大学のテスト期間と被り忙しかったこともありマスボ級に載せ終了。その次のシーズンはトリル以外も触ってみようと思い、動きが分かりやすく自分にも使えそうであったペリッパー+水ウーラオスの超脳筋構築でまた3桁に乗せ、雨すいりゅうれんだが異常に強いという知見を得ました。(実際このシーズンはレギュDの始まりということもありトルネウーラなどの攻撃的な並びは非常に高い評価を得ていました。)
そこで、次のシーズンも同じ軸を持っていき、次は最終2桁を狙ってみることにしました。その時使っていたPTがこちら。

雨鉢巻テラス水流連打で全破壊がコンセプト。半減くらいなら無理やり確1圏内に持ち込んで突破してました


今思うと絶望的にツッコミどころが多いですが(ひやみず2積みって何事??)、ドランの鬼火+挑発、Hに厚くすることでブエナカミのマジシャ程度なら余裕を持って耐えるようにした鉢巻ラオスなど、自分なりの勝つ工夫を凝らした構築にはなっていました。この構築で最終日までは順調に勝ち上がり、あと1勝で人生初のレート1900&二桁が見えてくる言うところまで来たのですが…
ラス1ゴースト技がたたりめしかないハバカミ対面、熱風を当てたら勝ちというところでヒードランが素晴らしいクソ外しをかまし、あと少しというところで目標に届かず。その後何とか巻き返そうとするも、環境終盤になって爆増していたこらえるグレンアルマと色とりどりのテラバーストを採用したヘイラッシャ(草、毒、飛、妖)になす術もなくボコボコにされ、私は2時間で250ものレートを溶かすという絶望的な挫折を経験しました。
この時の経験から、構築を組むときは必ず寿司とイエアルマには勝てるような要素を入れること、そして環境の変化をある程度追うことが必要という考え方が自分の中にできました。

2桁への再挑戦


ランクマで挫折を味わった9月のシーズンの後、10月、11月はバイトが滅茶苦茶忙しかったため義務マスボに乗せて終了。構築としては日本晴れトルネ+カミユイとか使ってました(この時使ってたトルネの型は相当強い自信があるのでどこかでまた引っ張り出してくるかもしれない)。
そして来る12月。短いながらも一応冬休みがあるし、久々にランクマをガチでぶん回してみようかなぁと思い立ち、構築を考えてみることに。その際に思いついた構築がPJCSで使用したディンクレセ軸トリル構築の原型であり、PJCSの構築からコータスを外した並び+@1でした(この構築に行き着いた経緯は構築記事の方で触れているので良かったら読んでみて下さい https://t.co/gf5aJ9To9u)
当時は補完枠としてリキキリンを採用していましたが使いこなせなかったため最終的には腑に落ちないながらも全ての天候に強いバンギラスを採用したのを覚えています。あとはディンルーのエッジがヘビボンだったりクレセのムンフォがサイコショックになっていたりと微妙な差があります…それで、この構築を回してみて2桁行けたの?というところですが…結果から言うとダメでした。

最終成績。1900まであと1勝だったが惜しくも時間切れ

構築はそこそこ自信があったものの、自分の地元では最終日前日(1月3日)に成人式があり、その二次会で酔い潰れてランクマどころではなくなることは自明の理であったため、1月2日までにレートを上げ切らなければなりませんでした。
しかし、大晦日に友人と飲みに出かけ、酔っ払って帰ってきてその状態でランクマに潜り大爆死。正月返上でランクマに潜り巻き返しを図るも遂にタイムアップ。成人式から二次会までの空き時間を利用して1月3日15時地点70位くらいまで上げたものの、流石に最終順位で踏みとどまることはできずに墜落しました。
また3桁で終了かい!と思いましたが、割と実践的な収穫も結構ありました。例えば、

・ゴリラが重いのでいくらメタっても構わない
・ディンルーの初手鉢巻じしんは読まれにくい
・テツノカイナ対策はした方がよさげ
・ガラルファイヤーが突破不能なレベルで重い

ということ。構築記事でも触れていますが、PJCSではこれらの要素はかなり意識していました。そして、これより下はいよいよPJCSの情報が解禁されてより後の話になります。

第一回予選

1月19日、とんでもない発表がありました。それは今年のPJCS予選は2月の頭から開始されると言うもの。正直まだ時間的な猶予はあるだろうと思っていた私は、スグリ君のように「えっ…えっ?」という状態になってしまいました。それで混乱したのと新解禁ポケモンを使いたかったのが原因か、何故か私は前シーズンまで使っていたトリルを放り捨て、手動晴れパを予選に持って行くことにしました。
しかし、私は基本トリルしか使えない人間。おまけにこの時、間の悪いことにインフルエンザでダウン中。そんな中で組んだ素人の無茶苦茶な晴れパは通用せず、最終1600で終了。敗因としては無理して組んだ構築で特攻したのもそうですが、対応範囲を無理に広げようとして全体的に器用貧乏になってしまったのが1番だと思います。この時の敗戦から2月では再びディンクレセトリルを頼ることを決意します。

2月予選に向けて再度当時の構築を再結集し、しっくりこなかったバンギラスを外して最高の@1を決める時間が始まりました。結構色々試しましたが、最終的には本戦構築と同様コータスを採用して構築が完成しました。一応本戦の時と違う点としては
・ガチグマの持ち物がシルクのスカーフ
・サンダーがゴーストテラス
・クレセリアがフェアリーテラス
・コータスがステラテラス(マジで弱い)
って感じでした。そしていよいよ、リベンジのために3月の第2回目の予選へ…!

第2回予選 

いよいよ第2回目の予選が始まりました。とりあえず1日目は様子見し、2日目、3日目で追い上げるため情報収集。すると、今回はタケルライコやドゲザホムラが流行していたことを知り、環境的に追い風であることを知りました(ライコが流行りそうな気配がしたからというのもディンクレセの1つではあったのですが、まさかホムラも流行るとは…)。
そして2日目。この日は勝ち負け問わず10戦でやめると決めており、結果としては8-2で終了。負け試合も修正可能な範囲であったため、上々の出だしと感じて床につきました。
そして3日目。この日は爆速で起きて朝から潜っていました。マッチング運も悪くなく、適度に休憩をとりながらプレイしたことで8戦を残してレート1700を超えることに成功。この地点での時刻が3日目の21時頃でした。
その後最苦手構築のキュワワー+ガラルファイヤーと当たるも、気合いのストーンエッジ3連当てによりレート1729のタマキンに持ち込みます。しかし、そこで集中力が切れてしまい、勝ち切れないまま対戦数を消費してしまいました。なんとかレート1725まで戻し、猶予として残されたあと1回の対戦は翌日の朝に賭けることにするも、あろうことか私はここに来て最大の失態を犯してしまいます。
ボーダー争いが気になってしまい、なんと暗い部屋の中で順位を確認してブルーライトが直撃してしまったために全く眠れなかったのです。
結局23時から次の日の朝4時半頃まで、半ばガンギマリ状態で順位の確認と入眠チャレンジのサイクルを繰り返していました。最終的に5時半頃に睡眠を諦め、朝シャンとブラックコーヒーで無理やり目を覚まして順位の確認を行いました。記憶では朝8時地点の順位が220位とかそのくらいだった気がします。
当然その順位で予選通過できるわけがないので仕方なくタマキン戦に挑むことにしました。相手はレート1700超えの猛者。恐らく僕と同じくタマキンチャレンジでしょう。構築はイエブリに岩ポンやガチグマ、テツノカイナが入ったもの。苦手ではありますが対策はしてきた構築です。
しかしこの時の僕はコーヒーや朝シャンの効力むなしく完全に寝ぼけており、初手から意味もない交代を4回ほど繰り返して一方的にダメージを食らっていました。なんとか巻き返しを計ろうとするも最終的にブリムオン、イエッサン、ガチグマ全員にHP1で耐えられて敗北しました。あの時の悔しさは本当に筆舌に尽くし難かったです。
なぜ対策してきたはずの相手に、寝ぼけて正常な判断ができなかったとかいうふざけた理由で負けるのか?完全に自分が許せず、予選敗退が決まったその瞬間には眠気を押して第3回予選に向けて構築を組み替えていました。

1ヶ月間のガチ修行

正直構築には自信があり、途中まで調子も良かったため、第2回予選は完全に抜けられるつもりでいました。しかし、結果はタマキンを落として予選落ち。環境にブッ刺さっていた構築を使って負けた自分は弱いと自分自身に言い聞かせ、なるべく慢心を捨てて1から強くなるために修行を始めることに。
とは言え私はこの時に短期で車校に通っていたため、纏まった時間が取りにくいことは容易に想像できました。
そこで、車校の空きコマや移動時間などの細かい空き時間を全てダブルバトルに関する座学にあて、少しでも自身の能力向上ができるよう努めました。これまでポケモンの動画は基本的にエンタメ性が高いものばかりを見ていましたが、この期間はとにかくレギュFダブル関する動画を片っ端から未漁り、ランクマ配信をしている人のアーカイブを上手い下手関係なく見つけた限り全て見ました。有名どころは勿論、再生回数1桁とかそのレベルのチャンネルまでくまなくチェックし、配信者が上手いと感じたらその人がどんな考えをもとに動いているのかを参考にし、逆に配信者より自分の方が上手いかも?と感じたら自分が配信者の立場ならどういう選択をするか、逆に相手はどういう選択をしてくるのかということをシミュレーションする…大体こんな感じでやってました。
これにより、自分が普段使わないような構築の動かし方に対する理解度が深まり、いざという時の適応力がかなり向上したと思います。
それ以外にやったことだと海外の大会の配信を見てみたり、上位で結果を残した人の構築記事を読み込んだりとかでしょうか。
とは言え、ポケモンはそんなイメトレだけでどうにかなるゲームではないので、実戦練習を行わなければなりません。ですがランクマは不特定多数がしのぎを削る場所、型バレを考えるとあまり潜りたくはないものです。
しかし残念なことにこの時の私にフレ戦をするようなお友達はいなかったため、実践経験を積むにはランクマに潜るしかありませんでした。とは言え、無対策でランクマに潜って有名配信者とマッチ!なんてことになれば初見殺し要素が多い自分の構築にとって大打撃です。
そこで、「配信者が活動する17時〜23時ごろは基本潜らない」
「座学の時間で見つけたダブル勢のチャンネルを再生履歴の一番上に来るようにし、自分が潜る時に配信していないことを確かめる」
という鉄則を決めてランクマに挑むようにしました。とは言え、流石に数回は配信をしている人とマッチングしてしまっていたのですが…(有名強者の方と1回、登録者2桁辺りの方と2回)
ただ、座学の成果か、ランクマの方はかなりの勝率で勝ち進み、1〜2桁には常にいたため、「リバ圏狙うか…?」とすら思っていましたし、立ち回りの練度にもかなりの手ごたえを感じていました。自力での特訓に行き詰まったら他の人の考えを知って強くなる…当たり前のことかもしれませんが、とても大事なことですね。

第3回予選

ついに迎えた3回目の予選。私はこれを最後のVGCへの挑戦にするという気持ちでSwitchに向き合いました。
というのも自分は今年大学3年生。来年は就活や資格試験に追われているだろうし、自分は社会人をしながらゲームをガチるなんてことができる性格ではない。だから後悔を引き摺らないためにここで決める、なんて思いがありました。
話を戻して本番の朝、目覚めた瞬間脳に刺激を与えるためのブラックコーヒーを飲み、対戦で疲れた際に手軽に糖分を補給できるコーヒー牛乳と1口チョコを手元に置き、予選直前に購入したオーガポンのぬいぐるみとモロバレルのポケモンfitを抱いて対戦に臨みました。
対戦の配分に関しては1日目ステイ、2日目10戦、3日目全ツッパでいいというのは肌感覚でわかっていたのでその通りに戦い、前回と同じく8勝2敗で2日目を終えました。
そして運命が決まる3日目。初戦から絶望を味わいます。初手に出てきたサーフゴーにディンルーがスカーフトリックをされ、そのままじしんで押し切ろうとしたところ飛行テラスで切り返され引くこともできず敗北。確かにサフゴにとっては合理的だし一定数いるテラスではありますが、よりによってこんなところでそんなピンポイントな相手引きますか…?って感じで結構萎えたのを覚えてます。
なんとか切り替えて勝ち星を積んでいくも立て続けに海外勢のオリジナル構築と当たり3連敗(確かモスノウとかいた)。その後も苦手とする晴れパと当たりまくったりしてなかなか連勝を稼げず、30戦地点でのレートは1650に届かない程度しかありませんでした。予選抜けを狙った経験がある人ならここから巻き返すのがどのくらい厳しいかよくわかると思います。
この時は「あぁ、俺の挑戦ここまでか。これからどうしようかな…」なんて気持ちになってました。文字通りメンタルお通夜状態です。ですが、この時たまたまYouTubeのおすすめで、セカオワの「最高到達点」が流れてきました(自分は基本対戦中は音楽かけてます)。それを聴き、「もう後はないけど、どうせなら自分も最高到達点目指してみるか!」と奮起し、切り替えて潜ることにしました。
この時のレートを1650、予選抜けボーダーを1740、1勝で貰えるレートを13前後と仮定すると必要なのは7勝ち越し以上。それを15戦という猶予の中で行うにはあと負けられるのは4回だけでした(11勝4敗で7勝ち越しになるため)。
とは言え切り替えたからと言って簡単に勝ちに転じれるわけもなく、❌⭕️⭕️❌⭕️⭕️と来て本戦抜けの猛者と立て続けに当たり2連敗、速攻で後がなくなります。
しかし裏を返せばまだ4回しか負けていない、だったらここから7連勝すれば取り返せる。どうせこのままいけば予選落ち、人生を賭けた勝負をするつもりでめちゃくちゃに強気な択を仕掛けまくって6連勝し、そこで力尽きたので44戦目で様子見という名目の打ち止めをしました。
この時の時刻は3日目の22時。最後の戦いは明日の朝にすると決め、前回のように寝不足で判断が鈍って負けというようなことがないように23時には床につきました。

予選最後の1戦

決戦の朝。早起きしてから散歩がてら近所の神社へお参りに行き、ブラックコーヒーでしっかり目を覚まして準備を整えました。
一応奇跡的にボーダー乗ってたりしないかな…と思って確認をしてみるも確実にあと1戦はやらなければならない順位。仕方がないので8時半には腹を括り、昨日と同じく最高到達点を流し、準備を整えました。
前述の通り30戦目辺りまで沼り散らかしていたのでそれを取り返すために対戦回数は44戦目まで消化済み。
対戦回数の上限は45回であるため、ここで負けてしまえばその地点で僕のVGCは終わります。そんな思いの中マッチングした相手…よく覚えています。レート1670、当時流行していたベテパ(襷トルネ、鉢巻ランド、チョッキウーラ、ハーブブリジュラス、ブエナ髪、食べ残しドータクンの並び)そのまんまを使っている方でした。
構築記事を見ていただいた方はわかるかもしれませんが、私はトルネウーラ軸の構築に過剰なまでにメタを張っていますし、マッチング頻度も高い分立ち回りも理解している。それに相手が当時結果を出したばかりの構築ということでウーラオスが草テラスタルであるだとかブリジュラスは耐久薄めだとかそういった重要な情報は握れていますし、完全な有利試合でした。
実際途中までは一方的な試合展開で、草テラスタルを切ったディンルーがトルネを襷まで削りながら横のクレセがトリル展開、初手でウーラオスがクレセリアに水流連打を撃ってきたことから次も同じ動きが来ると予想してクレセリアをモロバレルに交代してゴツメをぶつけることに成功。ウーラの草テラスタルも読み切りトルネも倒して相手が受け出してきたドータクンにもじごくづきて致命傷を与えることに成功。そのため、こちらは万全のガチグマ、体力7割のモロバレル、2体体力5分の1くらいのディンクレセという盤面に対してお相手は体力半分の霊獣ランドに残りHP僅かのドータクンという状況に。この時、完全に勝ちを確信していました。
が、悲劇というのは起こるものです。トリルが切れたこのタイミング、なんとランドロスの岩雪崩により立て続けにクレセリア、ディンルーが怯みを喰らい、その隙にドータクンに鉄壁を積まれるというとんでもない事態に。
そのままどう考えても有利だったはずの盤面は崩され、仕方なく体力満タンのガチグマと体力7割のモロバレルを繰り出しました。
この時、ドータクンは鉄壁を2積みしている上、食べ残しで体力を回復している状況。しんくうはでは落とせないため、絶対にハイパーボイスを当てなければならない盤面(ハイパーボイスさえ撃てたら体力半分のランド諸共巻き込んで勝ち)になっていました。が、何かの間違いでガチグマが3回目の怯みを引かれて4段階上昇ボディプが直撃したらひとたまりもありません。そのためモロバレルは万全を期していかりのこなを撃つことに。
…が、悲しいかな、何かの間違いが起きてしまいます。相手のランドロスが放った渾身の岩雪崩はガチグマを怯ませ、モロバレルに急所への一撃を与え、ボディプと合わせて無理やりモロバレルを突破してきました。これにより一気に形勢が不利になってしまいます。
この時もう完全に動揺してましたね。「え、あんなに頑張って巻き返したのにこんな怯み運ゲーで予選終わるの??」って。ですが、なってしまったもんは仕方ない。なんとか冷静さを取り戻し、今取れる択を頭の中に浮かべました。浮かんだのは
・ハイパーボイスで両方を落としにいく
・ゴツメで削れたドータクンしんくうはで落としてランドロスとのタイマンに持ち込む
の2つ。前者は次の雪崩で怯まされた地点で負け確になってしまう、後者は赤ゲージとは言え高耐久のドータクンをしんくうはで落とせるかは怪しい…という裏目があります。ですが、ここまで勝ち上がってきた自分のダメ感を信じ、ドータクンをしんくうはで落としにいくことを選択。結果見事ダメージが足り、岩雪崩で拘ったランドロスとガチグマのタイマンに持ち込みます。
体力的にガチグマに許される行動は3回。その中で1回でも動けば勝てる…!そんな思いの中、私はブラッドムーンを選択。結果、最高到達点の「あと少しだけ動いてくれ」という歌詞に重なってガチグマがついに動いてランドロスを撃破。勝利の安堵感や応援してくれた人達に報いることができたという気持ち、自分がまだVGC界で戦える喜び、そして最後まで戦い抜いてくれたポケモン達への感謝などにより、情けないことに感極まってガチ号泣してました。
ともかく、そんな私のPJCS予選は最終レート1738、162位での繰り上げ待ちという形で決着しました。前述の通りランクマも地味にリバ圏を狙っていたので8:59地点30位のところから潜るか悩みましたが、先の1戦で全ての力を出し切っていたため諦めました。

本戦に向けての取り組み

予選終了後、繰り上げがなければ今練習する意味がないと考えていたため、休養という名目で本戦出場メールが届く5日までポケモンから離れて沈黙。5日に無事メールが届いたため、本戦に向けての準備を始めました。
とは言え僕は予選を限界ギリギリの滑り込みで抜けた身、今のままでは本戦抜けなど夢のまた夢です。少しでも練度を上げるため、まずはランクマに潜ることにしました。結局100戦くらいやって当時基準での2桁に常駐しているくらいの感覚でしたが、このまま潜り続けて本戦出場者と当たっての構築バレが怖い…そこで、勇気を出し、シニア、ジュニアの予選抜け勢の面々にお願いをしてフレ戦をしてもらうことにしました。
こう言ったことは基本的にしたことがなかったので少し気が引ける部分もあったのですが、皆さんが快く引き受けてくれたことでちょっと安心しました。そしてフレ戦とランクマの結果、本戦出場レベルの練度があるスタンに対する切り返しが必要という結論、そしてモロバレルを信用して積極的に繰り出す必要があることに気づきました。
そこで、スタンへの解答として、モロバレルのテラスタルをテラス後もゴリラに対策を持つために炎、サンダーのテラスタルはパオの礫+アクジェ集中を耐えるため水に変更することに。結局本戦でスタンとは当たらなかったしこいつらにテラス切ることもなかったのであまり意味はなかったのですが…とは言え、こうして自身の戦い方の軸がもうこれ以上変わらないというところまで来たらあとは座学。国内外実力問わずひたすら色々な動画、配信を見まくりました。
自分はノートなどを取らず頭の中に論理を浮かべて全部解決するタイプだったので、動画の中の人々の立ち回りや選出を元に「このPTと当たったらこっちはこの並びで行く」というパターンを頭の中でいくつも作り、それをインプットしました。
と、こんな感じで基本的に特別なことはあんまりやってなかったです。強いていうなら選出の時に自分の軸を大事にするようになったかもしれません。
余談ですが、本戦前日、自分の復帰のきっかけになった配信者の方とお話しできるというイベントがありました。ちょうど本戦と日付被ってるし、せっかくなら…と思ってこのイベントに応募し、お陰様でポケモンに復帰し、ついでにデカい大会の予選を抜けたという旨の報告をしてきました。

魂の本戦

遂にやってきた本戦。正直最初は「まぁ予選抜けれたらいいかな」くらいの気持ちもあったりしましたが、自分の戦いが思った以上に通用していたこと、そして周囲の人から思ったより応援されたことにより、この時は「絶対に本戦を突破して世界に行く」という強い意志がありました。
ということで、少しでも勝てる可能性を上げるためにバトル以前に生活面でアドを取る作戦に出ました。本戦が始まるのが9時からということでその3時間半前に当たる5時半に起床し、例によってブラックコーヒーを飲んでから近所の神社へ。そしてあらかじめ買い貯めておいた朝食をとり、そこから3時間ゆったりすごして本戦開始を迎えました。
が、昨年の本戦がバグにより阿鼻叫喚の様相を呈していたことを受け、20分ほど待ってからTLを更新し当時数少なかったFFの本戦出場勢の面々がしっかり潜れていることを確認。満を持して潜ることにしました。
1戦目を順当に勝利し、2戦目は2連守るによりほぼ負け確の状況を作られるもお相手の深読みに助けられてギリギリ勝利。「相手は強いけど十分自分の力が通用するライン」という感触を得て一度休憩。約1時間後に再び潜って当たった3戦目の相手は寿司+カミユイという構築であり、先発イーユイ+ラッシャという出し方をしてきたためラッシャの鉢巻ゴーストテラバーストの臭いを感じ取りクレセリアをガチグマに交代するも普通に悪波とウェブタ集中が飛んできいてお陀仏。ただ、内容的には事前に決めていた動きを取った結果負けただけ、それなら割り切るべきと判断して潜り続けます。
結果、追い風軸などこちら目線有利な構築に当たり続け、怒涛の3連勝(予選で負けたお相手の1人にリベンジ成功。ついでに動画化されてた)。
とはいえこのレベルでの連戦は普通に精神が擦り減るため大事をとって1時間休憩することに。しかしこの時、このままのペースで休憩をとり続けると、20戦の消化が間に合わないのではないか?ということに気がつきました。
実際ここまでの6戦+休憩で2時間を消費しており、ここに更に1時間の休憩とその後の試合の時間を出せば消費は合計3時間。本戦が開催されている時間は6時間なので、その半分を僅か7戦で消費してしまうことになります。
流石にそれはまずい、けど実際ここまで勝ててるからこのスタイルは続けたい…悩んだ末、私は必要最低限の対戦回数である10戦に命を賭けるプランを選択しました。
今のコンディションを保って対戦ができれば絶対に勝つことができる。しかし、時間を気にして焦って対戦してしまうと、余計な負け筋を引いてしまう…ということで、1時間の休憩をとってから再びマッチング。ここからの試合内容は大体覚えているので次の項で軽くですが一つずつ書いていきます。

7、8戦目

7戦目のお相手はサマヨール+アカツキに眼鏡マホイップ、ゴリランダーなどかなり癖がありながらも強そうな構築を使用していました。
正直構築相性的にはだいぶ不利ですが、こちらの方がレートが高かったためここで負けてしまうとかなりレートを吸われることになります。仕方がないので腹を括って対戦することに。
初手はマホイップから手助け+眼鏡のマジシャが飛んできてディンルーが致命傷を受けてしまいますが、返しの手助けじしんでマホイップを一撃で突破。その後アカツキガチグマを繰り出してきたので、一度S関係を確かめるためにガチグマにムンフォとじしんを集中することに。すると、なんとムンフォでCダウンを引くことに成功。ガチグマからの返しでディンルーが倒れますが、その隙に安全にモロバレルが降臨。
胞子でサマヨールの最長眠りを引き、ガチグマには最速起きを引かれるもCダウンのお陰で攻撃を耐えて反撃し、あとから出てきたゴリラも無事突破。
運に救われた戦いではありましたが、なんとか不利構築に勝利しました。
続く8戦目。ここに来てなんとディンクレセミラーを引いてしまいます。「え?そんな変な並びでミラーなんてあるの?」と思うかもしれませんが、ディンクレセの並びの強さは徐々にバレ始めており、予選抜けの人だけでも自分以外に少なくとも3人が使用していたのを確認しています。HOMEの本戦使用率を見てもディンルーとディンクレセと相性がよいガラルサンダーの使用率はランクマと比べて非常に高くなっており、ミラーが起きる可能性は十分ある並びとなっていたのです。
対戦の方はというと、お相手も当然分かり手の方だったため、初手でディンクレセミラーが発生。こちら目線では相手のディンルーに対する決定打がないこと、お相手の並び的に恐らくディンルーはSを落としてはいなさそうということで、相手クレセリアにじごくづきをしながらトリックルームを展開。これが見事に通り、初手でアドを稼ぐことに成功。
次のターンはお相手はクレセリアを温存してパオジアンに交代、ディンルーがフェアリーテラスタルを切ってきます。
フェアリーテラバでディンルーが倒され、その後じしんとつらら落としでモロバレルが倒されるもこちらは安全にガチグマを着地。しんくうはでパオジアンを倒し、ディンクレセVSガチクレセの構図が出来上がります。
ここまでの戦いの中で、技構成やダメージ感覚的に、お相手のディンルーは突撃チョッキではないかという予想を立てていました。であれば、三日月の祈りで回復し続けられる限りディンルーを突破することは不可能。ならば先に体力が削れたクレセリアから倒すべきという判断をしました。
当然お相手も考えることは同じで、お互いクレセリアが回復をしながら隣のポケモンで相手を殴るという構図が出来上がりました。
しかしアカツキガチグマと言えば最強クラスの特殊アタッカー、お相手の受けを許さず計2発のブラッドムーンを打ち込んでクレセリアを突破して決着となりました。
2戦ともかなり苦しい戦いだったため、早いですが再び休憩をとることに。この時の時刻は12時を過ぎた頃。ちょうどお昼時だったので、買い溜めておいたサラダチキンを一つだけから食べて休憩することにしました。

抜けを賭けた戦い 9、10戦目

時刻は13時過ぎ。十分な休養は取ったので最後の戦いへ向かいます。次の試合に勝てば最悪10戦目で負けても他の人のポイント次第で抜けられる可能性がある、そのためポケモンを始めて以来過去1の集中をしていました。
そんな局面、気になるお相手はイエアルマにキノガッサが入った構築。とはいえディンクレセの並びはイエアルマに対して絶対的有利。
先発組でアルマとイエッサンを突破してからキノガッサをモロバレルで倒して勝利という形で、大事な1戦を無事に勝ち取ることができました。
この地点でレートは1605近くあり、最悪次の試合を落としても抜けの目があると言える状況です。でも、折角なら勝って終わりたい。そんな思いで潜ってマッチングした相手。それは、PJCS予選で結果を出したことで流行したアグロ追い風構築。
構築記事で書いた通り、僕の構築で明確に有利を取ることができる相手です。第3回目の予選でマッチング運が下振れていた分、ここにきてようやくツキが回ってきました。
お相手の初手はエルフーンオーガポン。幾度となく見てきた対面です。ここ、わかっている人であれば、基本的ににほんばれ+つたこんぼうorがむしゃら+つたこんぼうでクレセリアを突破しに来ることがほとんどです。
ですが、クレセリアが炎テラスをきることで急所を引かなければ耐えることができます(エルフーンのH個体値が0だとオーガポンが陽気252の場合急所最高乱数、特化の場合急所+50%以上の乱数を引かなければ耐える)。
そのため、初手からテラスを切りながらトリルを展開してディンルーはじしん。お相手は予想通りがむしゃらとテラスつたこんぼうをクレセリアに集中。が、特に急所を引くこともなく返しのじしんでオーガポンを突破。次のターンは手助けじしんでエルフーンと毒テラスを切ってきたウーラオスをまとめて吹き飛ばし、降参を貰うことに成功。
見事9ー1、レート1618を達成できました。が、人間うまくいくと調子に乗ってしまうもの。ここから最終1位を狙って潜ろうとします。が、「流石にやめといた方がいい」との助言を受け、順位を見ながらステイすることに。
本戦をこの戦績で駆け抜けた興奮が冷めず、ポプテピピックの「ステイッ ステイッ」の画像のあれみたいな状態になりながら残りの時間を過ごしたものの、最終結果も1位でした。
本戦終了直後、前述の配信者と話すことができるイベント2日目があったので、私は「1位とりました!!」と報告。自分の復帰のきっかけになった配信者に直接結果報告をし、成果を出した報告ができるとはいい時代ですね。
リアルの方のお友達にも結構祝ってもらうことができ、PJCS本戦は笑顔で終えることができました。その後、リバティノート様の方に構築記事を寄稿。構築名は自分を奮起させてくれた曲の「最高到達点」と、基本選出である「ディンクレセ」をクッソ安直に組み合わせて「最高到達点ディンクレセ」に決定。
爆速で記事を書き、夜中の3時に記事を送りつけました。自分でも割と狂ったことをしたと思ってます。リバティノートスタッフの皆さん、ご迷惑をおかけしました…

終わりに、横浜に向けて

ここまで読んでいただき誠にありがとうございました。乱文、駄文で申し訳ありませんが、こんなnoteでもこれからVGCに乗り込むという方の取り組みのお役に立てれば幸いです。
自分の方に話を戻すと、現在横浜に向けてチマチマ練習を積んでいる段階になります。例によって初見殺し要素が多いながらも順当に殴り勝つためのパワーもかなり高い構築に仕上げたので、本戦だけの1発屋で終わらないために頑張ります!!ただ、現在私はSwitchライトでプレイしており、本番までに買い換える必要があります。よければそのための資金提供ということで有料部分の購入にご協力いただければと考えております。
内容としましては
・予選本戦没ポケモン一覧
・横浜決勝没ポケモン一覧
・横浜決勝に向けての取り組み(少しだけ)
・購入者特典色違い配布(希望者のみ)
でいこうと思います。是非ご検討ください🙏

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