新貨幣を軽くまとめてみる

こんにちは、サークルの大きな行事を終え、ようやく一段落ついた大学生のくらちです。今回は時事ネタについての記事を書いていきます。

最近の時事ネタと言えば2024年7月3日に導入された賛否両論な新貨幣です。

正直私も従来の貨幣がフェードアウトしていくのはすごく寂しいし、パッと見今回の新貨幣は微妙かもと思っていました。

しかし、よくよく調べてみると新貨幣にも面白い仕掛けや歴史的人物、作品が施されていて新貨幣も案外悪くないと感じるようになりました。今回はその特徴についてまとめてみることにしました。

仕掛けについての詳細な解説は国立印刷局によって以下の特設サイトで語られています。

この中でも特徴的な部分をピックアップして語っていきたいと思います。

北里柴三郎1000円札

まずは1000円札です。自然科学&芸術好きの私にとっては1000円札が1番お気に入りかもしれない。

初めに注目すべきが、今回の肖像画にあたる北里柴三郎です。

二つ名は「近代日本医学の父」。それもそのはず、彼は1889年に破傷風菌培養に成功した翌年、破傷風菌抗毒素を発見しています。

破傷風菌は土の中に存在する細菌で、傷口に菌が侵入することで感染を引き起こし、筋肉のけいれんやこわばりなどが症状として目立つものです。柴三郎はこのような厄介な感染症に対して、血清療法と呼ばれる治療法を確立し、世界を震撼させたのです。
それ以外にも1894年には香港でペスト菌を発見したりと、彼は細菌学に大きく貢献しました。

先代1000円札である野口英世は黄熱病などに功績を残しており、彼らには偉大な細菌学者であるという共通点があることが分かります。

裏面には葛飾北斎作の富嶽三十六景

裏面には世界的にも素晴らしい知名度と人気を誇る富嶽三十六景の1つ「神奈川沖浪裏」がプリントされています。主人公である富士山を大々的に描かずとも明らかに異質な存在として遠くに描かれているのが素敵です。

1000円札の裏面が富士山であるということは、前回から引き継いでいるようです。
ちなみに前回の富士山は岡田紅陽が撮影した作品である「湖畔の春」をモデルにしているようです。

面白い仕掛け「見る角度を変えると…」

1番今回の貨幣やばいなってなったのは何よりもこの仕掛けです。

なんと見る角度を変えただけで、柴三郎おじさんを違った角度から眺めることが出来るのです。

この技術を貨幣に取り入れたのは日本が初っぽい。最新技術がこういう実用的な面で活躍しているのを見るのはとても楽しいもっとやって欲しい

津田梅子5000円

5000円札なのですが、1000円札とは一風変わった構図になっています。

今までは真ん中にあったすき入れが左に移動し、5000の文字がドーンと中央に。

さらにユニバーサルデザインである11本のしましまの位置にも大きく変化を取り入れることで、より他の札との識別がつきやすいデザインになったようです。

新5000円札の肖像画は津田梅子。女性の人物を5000円札に持ってくるという点は前回と同じです。彼女は津田塾大学を創設し、女性教育に力を入れた人物です。

アメリカへの留学を繰り返していた彼女は、日本では儒教の精神が強く女性が活躍する場がかなり限られていることを痛感しました。そして彼女は女性にも教育の場が与えられるべきだという思いを抱き、1900年に「女子英学塾」を創設します。少人数方式のレベルが高い教育を目指した学校だったようですが、彼女は確かに日本人の女性が活躍出来るような社会を切り開いていったのでしょう。

とはいえ女性社会進出後の現代ですら物理系や数学系を専攻している日本人の女性の少なさなのはかなり異様だ…そこは何とかならなかったのだろうか…?

裏面には日本では歴史的にも馴染み深い藤の花が採用されているよう。

面白い仕掛け②ストライプ型でより煌びやかに

みんな大好き3Dホログラムは5000円札にも採用されています。

下に日本らしい装飾が施されより煌びやかに

別に偽札を作りたいとかではないんですが、どういう仕組みでこんな装飾ができるのか純粋に気になります。

渋沢栄一10000円

最後の大トリが10000円札、江戸時代末期から昭和までの激動を支えた男、渋沢栄一です。

長い間の鎖国から幕開けて間もない1866年、フランスやヨーロッパに渡航し、先進的な産業や軍備に感銘を受けました。

帰国後は明治政府からの招待で、大蔵省の官僚として造幣や戸籍など、さまざまな政策を立案しました。

退官後は実業界に力を入れ、第一国立銀行やサッポロビール、帝国ホテルなどの500以上の企業の設立に携わりました。その二つ名は「日本近代社会の創造者」。

これほどまでに大きく貢献した人物なのですから、これまでに何度も紙幣の肖像の候補者として選ばれたのにもかかわらず、ずっと肖像にされなかったのは偽造防止に強力な髭がなかったからのようです。

現代では偽造防止技術が向上したこともあり、髭がない人物でも選ばれるように。やったね!

裏面には赤レンガでおなじみの東京駅がプリントされています。

もちろん彼の3Dホログラムも存在。

0の残像だとかNIPPONの文字が突如として浮かび上がったりとか、デザインもなかなかに秀逸。

新貨幣はいつ自分の元に現れるのか

早くも目撃情報が散見される新貨幣。現行で回っている貨幣が生産終了となってしまったのには寂しさは残るものの、防犯面でもデザイン面でも生まれ変わった新貨幣を初めてお目にかかるのはドキドキで楽しみです。

〈引用〉

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