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ワイシャツサブスクの消費者心理の考察

今、ワイシャツサブスクなるものが成功しているらしい。

正直、なぜこのサービスが成功するのか、よくわからない。ので、このサービスは、「誰の、どんな課題を解決しているのか」を考えてみた。

問い:「ワイシャツサブスクは、誰の、どんな課題を解決し、サービス活用によって顧客はどんな欲求を手に入れるのか?

対象となるサービスは「ワイクリン」
https://yclean.co.jp/

幾つか調べてみてわかったユーザーが抱える問題は、
・共働き世帯で、奥さんの家事の負担が大きい。
・毎週アイロンがけすると、奥さんの機嫌が悪くなる。
・奥さんがアイロンをかける時間がなく「本当はやってあげたいのに・・・」と気が引ける
・家事分担で、旦那さんがシャツ担当になっている場合もあり、旦那さんがアイロンをうまくかけられないor作業が面倒と感じている。
・長期出張時に大量にシャツを持っていくと荷物が多くなる。スーツケースにシャツを入れて持って行くと、シワがつく。
・白シャツだから汚れが目立つ。買い替えも頻繁に発生して、費用も嵩む。
・毎週土曜午前にクリーニングへ持っていき、日曜に取りに行くのが面倒。しかもこのサイクルだと、ゆっくり旅行も行けない。

なるほど。なるほど。

ここからわかる、ユーザーの本質的欲求は、

家事におけるストレスを解消して、関係性が良好な家族でいたい

ということかもしれない。

ただ前提として、現状のサービスは、オシャレなシャツはなく、定番の白シャツが20枚届く、というサービス。

そうすると、ターゲットは、若手より中年から年配。白シャツであることが義務付けられている職業の方、となる。

ペルソナの仮説を立ててみると、

■利用シーン
45才男性。メーカーの営業。1度転職して15年目。年収600万。神奈川県横浜市在住。職業結婚して10年経ち、2児の父である。子どもは、7才と3才でまだ手がかかる。妻は42才。共働き。できるだけ家事の分担もするようにしているが、それでも妻は家事に仕事に追われて、毎日忙しそうで、日々ストレスが溜まっているようである。
営業で外回り中心のため、常にシャツは清潔でなければならないので、クリーニング、もしくはアイロンが必須。少しでも家事の負担を減らそうと、シャツについては、クリーニングに毎週出すことにしている。ただ、シャツは7,8枚で回しているし、クリーニングには平日行けないため、土曜日の午前に出して、日曜日に受け取るしかない。そうすると、ゆっくり週末に旅行も行きにくい。たまの家族旅行は、土曜の午前にクリーニングを出してから車で出かけ、閉店前には帰って来ないと行けないので、旅行先でゆっくりもできない。

■性格
家族思いで、感受性が高い。平和主義。人がイライラしているのをみると、ストレスがかかる。できるだけ温和に過ごしたい。情報感度は高く、新しいものは好き。とりあえず試してみたくなる。仕事も顧客のため、チームメンバーのために懸命に努力するため、周囲からの信頼も厚く、順調に成果を残している。

こんな感じかな。価格を分析して、メリットがあるから、というよりは、もっと良い家庭を築きたい。そのためなら、お金は惜しまない。というタイプのような気がする。奥さんから「旅行行きたい!」と言われたら、断れないタイプかな。

なので、改めて整理すると、

上記のペルソナの人物像の「妻のイライラを根本から取り除くことで、自分の平穏を取り戻したい」が課題。

そうすると、マーケティング的に整理すると、

WHO:40代男性
WHAT:妻の笑顔
HOW:LP作成して「宅配 クリーニング」の検索で、広告出稿

かな。

シナリオを描くと、

① いつも妻は忙しそう。私はいつも通り、土曜日の午前にクリーニングにシャツを出しに行く。ただ、本当はその作業も面倒だ。
② 宅配クリーニングがあるってのは知ってるけど、宅配クリーニングだと、土曜日の朝出しても、日曜までに届かない。それが惜しい。
③ 翌日仕上げしてくれる宅配クリーニングないかなと、「宅配 クリーニング」で検索してみる。
④ すると、「定額制ワイシャツレンタル」という文字が目にとまり、思わずクリック。
⑤ 読んでみると、1ヵ月分20枚の新品同様のワイシャツが届くらしい。
⑥ 1ヵ月から契約できるとのことなので、とりあえず一度試してみよう。
⑦ 登録をすると、数日後に早速届く。「おー20枚全て新品!」
⑧ 「ただ、この20枚どこにおけばいいかなー。今まで使っているワイシャツもあるし。。」→ここの体験がスムーズに行かなそう。。適当に置いて、奥さんに怒られそう。

解決策⑨ 新規申し込み時に3ヵ月以上の契約者には「既存シャツの保管サービス」を行う。もし既存シャツの不要の申し出があれば、処分も代行。

⑨ 既存シャツはそのままダンボールに入れて返送。届いた新品のレンタルシャツはハンガーにかかっており、すぐにタンスに入れて保管。
⑩ 毎日帰宅後に脱いだシャツを返送するシャツ専用の箱に入れる。
⑪ 1ヵ月後、指定した日に次の新しい20枚が届き、同時に返送するシャツの荷物も手渡し。1ヵ月に1回の手渡しで、常に新しいシャツが着れるからすごく楽。
⑫ これで週末は、土日2日間めいいっぱい使って、旅行にいける。奥さんや子どもの笑顔も増えた。このサービスは手放せないな。
⑬ 「既存シャツはもう思い切って処分してもらおう。」処分を依頼。→これで、解約のコストも高まる。


とりあえず、こんな所かな。

若干まだペルソナ像と行動が一致していないようなところも感じるけど、こうやって書いてみるとその矛盾点も明確になってきて、さらなる考察が必要なのを感じられるなと思った。

じゃあ、なぜこのサービスが今、受け入れられつつあるのか。受け入れられているってことは、ユーザーは課題を解決したがっているとのこと。

この辺りも今後考察してみたい。

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