見出し画像

Xデザイン学校第7回を経ての気づき

先日の講座では、構造化シナリオ法を学びました。その後、実践してみたり、いくつかの経験を経たりした事で、気づいたことを書いてみようと思います。

目次
1.構造化シナリオの実践からの考察
2.フルマラソンに参加しての気づき
3.フィールドワークの実践からの気づき
4.その他、講義で気になったこと

1.構造化シナリオの実践からの考察

<企業研修の体験デザインでの活用>

前提として、私は、体験学習のデザインにUXデザインの考え方を取り入れられないかと考えて、UXデザインを学んでいる。なので、今回は、先日行った、とある会社の2日間の体験学習の設計において、構造化シナリオを作成してみた。

まずペルソナシートを作成。本来であれば、事前に参加者のグループインタビューやデプスインタビューなどができれば良いのかもしれないが、今回は、過去のこの会社の受講者の特徴から作成してみた。

数ヶ月前の受講者ではあるものの、ある程度、プロフィールは掴んでいたので、それほど時間はかからず、フォーマットを埋めていくことができた。作成してみてわかったことは、「ありたい姿」を発見することが最も重要だということ。企業研修においては、動機付けが不十分であることが多く、「ありたい姿」なんて持っていないようなイメージを持っていたが、上位下位分析をしたり、ペルソナシートを書いたりしながら想像する事で「ありたい姿(の仮説)」を発見できた。そうすると、バリューシナリオを作成する際に、単にプロフィールやその人の強み・弱みを分析するだけではわからな買ったアプローチの仕方が見えてきた。これはすごく良い気づきだった。そのアプローチを研修で実践することで効果的であったと感じた。

ただ今後の課題としては、
・研修の前に、受講者やその同僚・上司からインタビューなどで、より正確に受講者を掴む事で、より正確なペルソナシートをつくること。
・個々のプロフィールに寄り過ぎず、共通のありたい姿を見つけ、そのありたい姿を持っている受講者を集めること。
・企業研修用のペルソナシートの項目を作ること。今のフォーマットもだいたい埋められたものの、企業研修においては、より効果的なフォーマットがありそう。
・ペルソナシートの「ありたい姿」以外の情報を、どうシナリオ作成に活かすか。ここが一番難しそうな感じがした。

こんなところを修正していく必要性があることがわかった。
やはりざっくりとしたストーリーをつくるのは、それほど難しくないかもしれないけれど、そのペルソナで設定した人がリアルに動くイメージをして、矛盾なく具体的にストーリーを描くことは、小説やドラマの脚本を書くレベル。だからこそ、良い小説を読み、良いドラマ、映画を観て、どんなプロフィールの人がどんな状況で、どんな発言や行動をするのか?についての理解を深めたい。

2.フルマラソンに参加しての気づき

構造化シナリオからは外れますが、先週末、フルマラソンの大会に出場しました。走りながら、周囲を観察してみて気づいたこと。「フルマラソンもプラットフォームであり、サービスデザインがうまくできている事例」じゃないかなと思った。

様々な人を観察してみると、ランナー、警察、ボランティア、演技を披露する人たち、応援してくれる方々、メーカーなど、多様な方々が関わっていた。ランナーだけでも、完走を目指す人、仲間と会話しながら楽しんで走る人、Youtuberなのか途中でビデオカメラに向かって明るく中継している人、コスプレして走る人など、様々なニーズを持った人たちがいた。(ちなみに、なぜコスプレするのか?を観察していると、応援する人たちから「スティッチ頑張れー!」「ピカチュウ頑張れー!」など、応援する人が応援しやすくする、応援を楽しめる仕掛けがあるようだった。)もちろん、ボランティアにも、応援してくれる人にも、様々なニーズがあった。

これらの多様なニーズを持つ人たちをマラソン大会が惹きつけているというのは、サービスデザインがよくできているんだなと思った。シナリオの中で、ランナーは主役だと思うが、様々なステークホルダーが脇役でこのストーリーに参加しているようだ。

今後、マラソン大会の成功事例なども調べてみたいと思うが、現時点で考えて見ると、以下のようなステップでマラソン大会を発展させて行くのかなと思う。
①マラソン大会を完走できる力を持ったランナーを集める。
②スポンサーとボランティアを集める。(ここまでは普通のスポーツ大会)
③マラソン完走能力の低い人も集める仕掛けをして、参加者を増やす。(マラソン大会完走のための講習会企画、マラソンでのエイドステーションの充実、ルールの自由度を高めるなど)・・・新しい需要の喚起。
④ 応援する方々を楽しませるランナー(コスプレなど)も参加させる仕掛けで、ボランティアや応援する人を増やす。
⑤③④を工夫し続けて、各ステークホルダーの満足度を高めて、リピートさせる。

現実は、こんな簡単ではないかもしれない。けど、「なぜこの人たちは応援しているのか?」「なぜこの人たちはコスプレしているのか?」と問いを立てながら観察することで、新しい発見が得られた。

またプラットフォームビジネスを企画する時は、最初は、一部のユーザーの「ありたい姿」の実現であってもよくて、少しずつユーザー層を広げても「ありたい姿」が実現できるサービスを整えて行けばいい(ディベロッパーに頼ればいい)んじゃないかと思った。

3.フィールドワークの実践からの気づき

出張で京都に行く機会があったので、少しだけ京都駅での人の観察をしてみた。そもそも先生が仰っていた「場のルール」って何だろう?と思いながら、観察をしてみた。実は「場のルール」というのがよくわかっていなかった。

で、今回気づいたことは、場のルールとは「目的と行動のセット」を見ること。駅であれば「電車に乗る人」「電車降りて観光に行く人」「ホテルに向かう人」などだし、電車内であれば、基本は「移動が目的」であり「車内での行動の大部分は暇つぶし」。まず「その場にはどんな目的で来るのか?」を考えると、大部分の人の行動は理解できた。それができてはじめて、その目的から外れる(外れているように感じる)行動を取ってる人が目につくようになり、問いが立つようになった。

これからの観察が、前よリも少しうまくできそうな気がした。

4.その他、講義で気になったこと

先日の講義の最後に、福岡の無人スーパーや、MaaSの話を聞いて感じたこと。

結局、事象をそのまま見ていても新たな発見は少ない。その事象を、どの文脈から見るかが大事なんだと思う。Panasonicのリソースを無人スーパーから見る。MaaSをスマートシティから見る。時代の流れを理解して、より大きな文脈からある事象を見ることが大事。それをするためには、教養が大事ということだろう。

最近、新しく学んでいる分野の中で「地と図」という考え方を知った。ある情報(図)は、どの文脈(地)から見るかで、図の解釈も変わるというもの。まさにそれだなと思った。

今課題として与えられているN社のビジネスも、「どの文脈から見るか?」をまず考えてみると良さそう。

日本の社会課題や今後の将来予測からすると、
・スマートシティ
・超高齢化社会
・人口減少社会
・外国人労働者の受け入れ
・インバウンド
・ハラルフード
・自家発電
・原子力発電からの脱却
などなど、色々あると思うので、様々な観点から考えてみたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?