愛(AI)

AI時代ってどんな時代?そもそもAIって?

 AIとよく耳にしますが、AIとはそもそもどのようなものなのでしょうか?

人工知能 【 AI 】 Artificial Intelligence 
人工知能とは、人間にしかできなかったような高度に知的な作業や判断をコンピュータを中心とする人工的なシステムにより行えるようにしたもの。
人類は未だに人間の脳の振る舞いや知能の仕組みを完全には解明していないため、人工知能にも明快な定義は与えられていない。
(http://e-words.jp/w/人工知能.html)

とのことでした。
 AIが発達して人間の行ってきた仕事の肩代わりをしてくれたり、人間では不可能な仕事を一手に引き受けてくれたりと、社会の一部として浸透してきています。このことから、雰囲気でAI時代を理解しているという方もいらっしゃると思いますが、本来の「AI時代」の定義は何なのでしょうか…?

実はAI時代そのものに明確な定義をしている文献などはなかなか見あたりません。

 しかし、望むと望まざるとにかかわらず、「人の仕事がAIに置き換えられていく」ことは確実な流れだといえます。下図は職場への人工知能AI導入の有無および計画状況を示したものです。

(出典)総務省「ICTの進化が雇用と働き方に及ぼす影響に関する調査研究」(平成28年)

 2018度のAI導入率は全体の約5%でした。これを少ないと思う方もいらっしゃるかと思いますが、2017年度は1.8%だったので1年間で倍以上の企業がAIを導入し始めています。そして今後も大きく導入率が上がることが予想されます。情報通信業はもともとITリテラシーが高いためAIの導入は進んでおり、金融業に関してはAIに置き換えられるタスクベースの処理が多く、システムやAIを導入した方がヒューマンエラーも少ないため導入事例は今後も伸びていくことが予想されます。銀行に関しては今後、AI導入が活発に行われ、10年後に無人化や無店舗運営が行われると多くの研究者が発言しています。
 一方、導入率の少ない業種は医療、建設、運輸でありますが、導入を検討中と回答した割合はそれぞれ、医療が21.1%、建設が20.9%、運輸が13.8%と決して低くなく、今後このような業種からも多くの事例が出てくる可能性を秘めています。実際に運送業での導入事例では、無人のトラックによる荷物の運搬が行われていたり、医療では、画像解析による病気の診断等、活用事例は多いです。

AIとどう付き合うか

 AI時代と聞くと、「仕事がなくなる」「ロボットに支配される」そんな考えを持つ人もいるのではないでしょうか。しかし、「ロボットが人にとって代わる」といったような悲観的なとらえ方はしていません。むしろ、AIの登場によって私たちはより人間らしく「楽しく」働くことが可能になるのではないかと考えられます。
 これまで、働く人々は莫大な量の情報を、マルチタスク、時短などの効率化スキルを駆使し、睡眠時間も削ってなんとか処理してきました。しかし、情報量が爆発的に増え続けるうえに人手不足も加わる現代では、人々は、やってもやっても終わらない仕事に追われ心身共に疲れきってしまっています。ところが近年、AIの進化により、その状況に変化が生まれる可能性が出てきました。日ごろ多くの人が時間を取られている情報処理という“ロボット的な仕事”は、AIの得意分野です。そうして、私たちは過重労働から解放され、本来の“人間らしい”仕事に注力できる可能性が生まれます。
 つまりは、何が言いたいかというと、AI時代とは、我々の仕事がなくなる時代ではなく、ロボットに支配される時代でもなく、

AIと人間がうまく役割分担をしながら適材適所で活躍する協調の時代

と呼べるのではないでしょうか。

「AIと闘わずに、AIと共生しなさい」

ということです。

人間ならではの働き方

 では、AIと共生するためにも、「人間にしかできない仕事」「AIのほうが得意な仕事」とはなにか。整理して考えてみたいと思います。

(出典)https://toyokeizai.net/articles/-/178166?page=2

 横軸の下に置いているのは、仕組み化された中で大量に実施する能力で、「構造的」と呼びます。言い換えると「マニュアル化されている仕事」を意味します。その反対側にあるのは、まだ仕組み化されていない物事に対して、問いを立てて仕組み化させていく能力で、これを「非構造的」と呼びます。4つに仕切られた区分のうち、AIが得意な領域はどこでしょう? 感覚的にわかると思いますが、左下の「オペレーター」と名づけられた部分がAIの得意な領域です。コンピュータの苦手な“人間らしい”分野は、この左下以外の、「創造的に考えることがより必要」で「身体性や感情が求められる」3つの領域。ここにおいては、まだまだ人間のほうがAIより優位だと考えることができそうです。では、AIが苦手な3つの領域をそれぞれ考えてみましょう。 
 まずは左上の領域。「まだ仕組み化されていない物事に対して問いを立て、論理的に分析していく仕事」とは、非構造的なモヤモヤしたイメージを言葉にしていく。その意味で、「仮説を立てる」「コミュニケーター」と定義されています。AIを使うのは人間です。AIがどれだけ高速で大量の分析ができるとしても、「何のために分析するのか」を考えてAIに仕事を指示し、AIが出してきた分析結果に基づいて意思決定をすることは、人間にしかできない仕事です。「目的」を定め、「意思決定」を行うために、私たちにはいつのときも現状に問いを持ち、AIを使って今の仕事を進化させる「仮説を立てる」ことが求められます。
 次は右下です。こちらは仕組み化された領域です。仕組み化された仕事において、「人間らしい価値」を発揮するためには、人間しか持っていない「感性・身体・直感」を活用することが必要です。人の感情を察し、相手に働きかける「ホスピタリティ」が求められる仕事は、やはりAIより人間が得意です。
「AIは感情を持つことができるのか?」という疑問は大きなテーマですが、現状では難しいと考えられています。そもそも「人の心」というものが、まだまだ私たち人間にはよくわかっておらず、人間が言語化できないものを、コンピュータに学習させることは難しいからです。
また、私たち人間の体には「背後からの視線をなんとなく感じる」といったセンサーがたくさん備わっていますが、これらのセンサーすべてをロボットに搭載することはとても困難で膨大なコストもかかります。体は人間の大きな価値なのです。
 しかしこの体を、家と会社の往復ばかりの日々を送る現代の人間は無視してしまいがちです。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚という五感、そして直感といわれる六感は、身体性を意識することによって伸びていきます。この心と六感すべてをフルに使って人をもてなす「ホスピタリティ」を発揮できる人。こうしたことが得意な人は、「心地よさ」をもたらしてくれます。「人が好き」で「場に安心感」を生み出すこの領域の人々を、場を和ます人という意味で「モデレーター」と名づけられています。
 最後は右上です。この領域では、感性・直感が豊かで、かつ問いを立てるという両方ができることが必要になります。既成概念にとらわれず、自分の感覚や発想で、いままでにない新しい価値観を生み出す仕事。まさに「イノベーター」であるといえます。
 彼らの発想は今までの考え方とかけ離れていることが多く、周囲からは「ぶっ飛んでいる」とか「ありえない」という感想を持たれることも少なくありません。そのために、現状の組織や社会においてあまり評価されていないということもあるでしょう。しかしだからこそ、変化していくこれからの時代において「価値を発揮する」可能性が高いともいえます。
 この3つの中では、イノベーターがAIの得意な領域と正反対にあり、最も代替されにくいといえそうです。そのため、「どうやったらイノベーターになれるのか」を求めてしまいがちですが、「人は一足飛びにイノベーターにはなれない」ということが言えます。
 人には得意分野があります。「感性・直感」が得意な人もいれば、「問いを立てる」ことが得意な人もいます。そういう意味ではいきなり右上の領域にいこうとするよりも、今の仕事で「より感性的・身体的・直感的になるにはどうすればいいか」と考えるか、もしくは「問いを立てるにはどうすればいいか」を考えていくことが、実践的かつ現実的といえるでしょう。
このように、今の自分たちの仕事をこの3つの領域にどう進化させていくかを考えることが、「人工知能時代の幸せな働き方」を生み出すヒントになると言えます。

私たちが活躍するためには「応用力」×「心」

 現時点でAIが決してまねできないのは、企画力や発想力、創造力、共感力(コミュニケーション能力)などといわれています。つまりはこれらの力を身につけていくことを必要不可欠であります。さらに既に兼ね備えている人間の力としては、人はひとつのことを学べばそれを比喩的に他のことにも応用することができます。たとえば将棋を学べば、囲碁も強くなる。でも人工知能はそうはならない。むしろ弱くなる。なぜなら人工知能は将棋に特化するからです。ひとつの椅子に座れるようになると、他の椅子にも座れるようになる。ドアノブを1個開けられると他のドアもだいたい開けられる。このように、「1を知って10を知る」これは人間の強みであると言えます。そして何より人間には「心」があります。これは私たち人間でもいまだによくわかっていないとされており、定型化することが難しいため、AIとの大きな差別化を図ることができます。これからのAI時代に私たちが活躍するためには、これらの人間ならではの強み、「応用力」「心」をかけ合わせていくことで人間らしさを大切にしていかなければならないと考えます。
 特に私たちはこれから人材業界、人との関係性が大切な仕事につきます。
ここまで、様々な視点から難しいことを言ってきましたが、極論言いたいことはこうです。たとえば、相談に乗ってくれる相手がロボットだったらどうでしょうか。そこに信頼関係は存在するでしょうか。いくら優秀なロボットであっても、「心」がない相手に対して、自らの「心」を開くことがあるでしょうか。自らの人生を相談するでしょうか。私は就活をする際に、話を聞いてくれる人の表情に、声のトーンに、熱量に心を動かされた経験があります。相手の言葉に気持ちがこもっていたから、相手の言葉に「経験」という根拠があったから、その言葉を受け入れ、信じることができました。正解かどうかわからなかったとしても、気持ちのこもった言葉の方が、プログラミングされた正解よりも私は価値があると思います。言葉だけでなく、相手が私のことを考えて自ら動いてくれる、労力を使ってくれるその気遣いが人間ならではの愛をもっての言動であり、AIには絶対にできないことだということです。
 私はこれから社会人として、ネオキャリアで活躍するために、

カスタマーファーストの心
行動力
応用力

これらを大切に、この3点では誰にも負けない気持ちで向き合っていこうと思います。そうすればおのずと結果もついてくると考えます。



参考文献
https://dime.jp/genre/572499/
https://kakeruai.jp/lifestyle/20190703/
https://www.career4it.jp/2018/11/27/age-of-ai/https://toyokeizai.net/articles/-/178166?page=2https://www.ibm.com/think/jp-ja/business/ai-manage/https://toyokeizai.net/articles/-/246712




龍井亜伽里


 






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