スポーツがもつ力

悩み続けた問い

 今回の課題のテーマである、「夢」「ワクワクするもの」。正直、私は小学生の頃から「将来の夢はなんですか?」という類の質問が苦手だった。将来なにになりたいの?何がやりたいの?と聞かれても、そんなことわからない。そのため、高校に進学するときにも大学に進学するときにも、「とりあえずいつかやりたいことが見つかったときのために選択肢はたくさんもっておこう、自分の道は狭めないように。」という思いだけで理系を選び、どんな道にも進めるような学科を選んだ。ただ、就活はそうもいかず、今まで避けてきた壁と向き合わなければいけなくなった。周りの友達が夢に向かって努力している姿を見てただただ羨ましく、自分はとりあえず手当たり次第いろんな企業をみていく、そんな状態だった。面接ではきれいごとを並べて、具体的にその会社でどうしたいかなんて全く思いつかずに選考に進めないことだって茶飯事。そんな中、悩みながらも自己分析をしていくと、少しだけ自分の強みが見えてきた。

14年間続けた強み

 私は小学3年生から今もなお14年間バスケットボール部に所属している。14年間も続けていれば、辞めたいと思ったことも何度もある。特に大学では、友達が好きな時に好きなだけサークルに行ったり、旅行に行ったりしている中で、部活の練習があるがために犠牲にしなければいけない自由な時間を考えると、なんで大学に入ってまで部活をやってるんだろう…と思うことだってあった。スランプやプラトーに陥ったときにはメンタル的にもとてもきつい思いをした。それでも、ここまで続けてこれたのはもちろん周りの人の支えもあってこそだが、自分で思っている以上にバスケットが好きなんだと思う。そこまではまるバスケットの魅力はなんなのか考えてみると、まず第一にはチームプレイがうまくいき得点に繋がったときの喜び、そして自分の技術が高まっていく楽しさ、接戦を勝ち取ったときの達成感など様々だ。
 話を戻して、これらの経験を就活で使える強みに置き換えると、チームワーク力、向上心、継続力、粘り強さという感じだろうか。キャプテンも経験していたため、リーダーシップも入れておこう。好きなスポーツを続けた経験から得られた力が私の強みとなり、就活では具体的な将来目標ではなく、自分自身の素質、強みを見てもらおう伝えようと努力した。その結果、私の価値観や求める環境がマッチングしたのがネオキャリアだった。

やっと見つけたやりたいこと

 ネオキャリアから内定をいただき、キャリアシートと向き合っているとき、あることを思いついた。就活をしているときからずっと、大好きなスポーツに関わった仕事がしたいとは思っていたものの、プロスポーツ選手になるわけにはいかないし、スポーツの何に携わりたいのかはぼんやりとしていた。しかし、ネオキャリアが人材業界であることをキーポイントに、スポーツをしている人のキャリア形成や、仕事を理由にスポーツをする時間がなかなか取れない人達のための支援をしていくことで、スポーツを続けていく人をもっともっと増やしていきたいと考えた。また、スポーツを引退した人たちのキャリア形成をサポートする体制を整えることで、アマチュアやプロに関わらず、将来のキャリアを気にせずに思う存分スポーツに熱中し挑戦し続けられる環境ができるのではないかと考えた。実際に平成30年2月にスポーツ庁が出した世論調査結果として、仕事が忙しくてスポーツができないと答えた人は約40%であることを発表した。(下図参照。下図は男女別となっているため、誤差あり)仕事がスポーツをする時間をとれない原因の一つであることは言うまでもない。そして、既にスポーツを始めている人達だけでなく、子供たちにも焦点を当てて、そもそものスポーツ人口を増やしていくような事業もできたらいいなとも考えている。
 現在、小学校や中学校では部活がなくなってしまい、自ら地域のクラブチームに出向かなければ競技スポーツと関わる機会がなくなってきている。例えば、「本当は野球がしたかったんだけど、近くに野球チームがなかったからサッカーを始めました。」(スポーツはなんでもいいですが)というような人も少なくないのではないだろうか。そこで、幼い子供たちにメジャースポーツからマイナースポーツまで様々なスポーツを経験する機会を提供し、その子にあったスポーツを見つけ出す事業をやってみたいと考えた。最初から正式なルールで始めることは難しいと思われるため、参加する子供たちの年齢層やレベルに合わせた工夫を凝らしながらスポーツの楽しさを感じてもらうのである。子どもの頃からスポーツを経験することで、社会人になってからも必要なチームワーク力、最後までやり遂げる力、忍耐力、感謝の気持ちなどが身につき、より生産性の高い人材に成長するのではないだろうか。
実際にこのような素質をもった体育会学生を求めている企業も少なくない。体育会学生だけを対象に就職支援を行っている会社(株式会社スポーツフィールド)もあることがこの現状を表していると言える。
 ネオキャリアの「社会課題を解決する」というミッションに対して、スポーツを経験した人材を増やすということは間接的に労働生産性の高い人材を育成するということに繋がるのではないかと考える。

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(引用)chosa.nifty.com/hobby/chosa_report_A20121012/5/?theme=A20121012&report=5&theme=A20121012&report=5

スポーツの価値

 では、なぜそこまでスポーツにこだわるのか。それは、スポーツにはとてつもなく大きな力、価値があると思うからだ。
 最近のトピックスで言えば、ラグビーワールドカップや世界バレーなどが記憶に新しい。私がラグビーワールドカップで印象に残った場面は、海外チームの選手たちが試合後に応援席に向かって整列し、日本の文化である「お辞儀」をしていたこと。そして、選手たちのノーサイドだけでなく、日本人と外国人応援団が肩を組んで一緒に盛り上がっている姿。まさにこの出来事がスポーツの力や価値を表しているのではないだろうか。選手たちはまさに心・技・体すべての力を高め、マナーや礼儀の正しさを身につけ、観戦する人たちは、言葉が通じずとも共に喜び共に感動することができる。スポーツは人間力を高め、人々を繋げる力があるのだ。
 また、経済効果すらあると考える。今回のラグビーワールドカップでは観客動員数が128万人を超え、1試合の平均観客数は、34,596人を記録したようだ。試合を見に行くまでの移動に使う公共交通機関、近隣の宿泊施設や飲食店など、これほどの人が集まれば周辺地域の経済効果は大いにあったと考えられる。
 競技スポーツだけではなく、運動という大きな枠でとらえても、運動することでストレスの発散や健康維持にも繋がり労働力の確保、労働生産性の向上に繋がっていくのではないだろうか。

やりたいことをやるために

 はじめて見つけたやりたいこと、これを叶えるためにもまずはネオキャリアというフィールドで基礎を固め、多くの経験をし、スキルを身につけていかなければならない。まだぼんやりとしているやりたいことも、スキルが身につけば現実味を帯びてくるだろう。それを信じて、今目の前にあることを全力で取り組み後悔のない日々を過ごしたい。


龍井亜伽里


 


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