巡るキセキ ループメモ


はじめに

2023年8月25日修正あり
2023年7月29日、[BSC42]ドラフトブースター 巡るキセキ発売。
気軽に「ドラフト戦」、「シールド戦」が遊べるように設計された本商品だが、ループデッキにも大きな影響を齎した。そう、商品名の"巡る"とはループを示唆していたのだ。

巡るキセキでは、いくつかのカードがループで使用される可能性が孕んでいる。しかし、表向きはループを推奨していないORGは、[ターンに1回:同名]の記載を持つ《リアニメイトLT》、《スリーカードLT》といったカードや使用後にゲームから除外する《マジックハンマーLT》、《ハイエリクサーLT》を同時に収録することで、ループ対策を行っているように見せかけている。これらのカードによって隠された巡るキセキの真意を読み解いていく。

なお、本記事は個人的なメモなので強さを保証しないどころか全てのデッキを脳内で完結させている。何も参考にならないが暇潰し程度に見てもらえたらと思う。

序章

まずは、ループの内容には関与しない補強となり得るカードを扱う。

  • 《グリプ・ハンズLT》

  • 《スケル・バイパーLT》

  • 《百面相のフラットフェイスLT》

  • 《ペンタンLT》

  • 《トリックスターLT》

  • 《武器コレクターのゴドフリーLT》

  • 《リアニメイトLT》

  • 《エンジェルボイスLT》

  • 《スリーカードLT》

《グリプ・ハンズLT》
採用先:つららループ等
紫以外でも軽減ができる3コスト1ドロースピリット。比較対象となる《シキツル》や《キャメロット・ナイトX》と比べると系統のサポートが少ない点が残念。

《スケル・バイパーLT》
採用先:メフィラスループ等
フル軽減だと軽くなった《オンミョウジャ》。《相棒武者オボロ》《月鬼城》のパッケージと相性が良く、4コストであるため、《メフィラス[外星人]》で召喚できる。

《百面相のフラットフェイスLT》
採用先:特になし
比較対象は《三賢神ラルヴァンダード》。
優れている点は
・黄色のみで0コストで召喚できる。
・系統:「金雲」である。
・2コストである。
特に2コストである点は大きく、《ハイドランディア》や《メフィラス[外星人]》で召喚が可能となる。

《ペンタンLT》
採用先:フェルマを軸としたループ等
比較対象は《三賢神ラルヴァンダード》。
優れている点は
・スピリットカードの究極軽減も満たすことができる。
・黄色のみで1コストで召喚できる。
・系統:「金雲」の3コストである。
・系統:「歌鳥」である。
・系統:「漂精」である。
・名称:「ペンタン」である。
最初に着目したのは究極軽減を満たせることであったが、相性が良さそうなカードは《ボーン・バード》《ダークマタードラゴン》《リューマン・ランドアックス》辺りであり、あまり大きなメリットではないように感じた。
次に《相棒猫フェルマ》を相棒にした際に、紫を採用せずとも《探偵ペンタン》《ダークイニシエーション》を使用しやすいのではないかと考えた。以下が考えたデッキ。

結局つらら

黄色のみで1コストで召喚できるというメリットを《三賢神ラルヴァンダード》召喚の手助けに使用するという逆転の発想だ。
そして、系統:「歌鳥」と「漂精」を持っている点であるが、これは《コーラスバード》と《丙の星獣スター・キャンベル》の対象であり、回収が非常に容易であることが挙げられる。
名称に「ペンタン」が含まれている点は《魔法剣士ケープペンタン》《ペンタン大好きラクェル》
《[ペンタン祭り]ラクェル》等で活用できるが使用することはなさそうである。

《トリックスターLT》
採用先:ウィザードループ、戦国フェスループ等
このカードは《渚のトリックスター》《魅惑の覇王クレオパトラス》《オラクル二十一柱 XVIII ザ・ムーン》に取って代わる回収カードである。コストが軽く、バーストでも召喚できるため、トリトーンを使い回すためだけに《ダークイニシエーション》とセットで採用するタイプのデッキにおいて活躍が見込める。また、《メフィラス[外星人]》《爆烈十紋刃》《対数の姉妹ウマル&ウメル》の対象とサポートも手厚い。

《武器コレクターのゴドフリーLT》
採用先:特になし
いつか使える日がくると思われる。まだ、その時でない。

《リアニメイトLT》
採用先:特になし
表のカードなので採用することは恐らく無い。

《エンジェルボイスLT》
採用先:特になし
《ホーリーサイン》や《ジャスト・アズ・カリキュレイテッド》と比較して優先度が低いと考える。

《スリーカードLT》
採用先:特になし
表のカードなので採用することは恐らく無い。
つららループを使っている人間から採用どう思いますかと聞かれたが《トパーズの流星》と《No.21 ダイバージェンスヒル》のテキストを教えると黙り込んでいた。

本章

この章ではループに絡む可能性を孕んだカードを扱う。

  • 《妖狐キュービックLT》

  • 《兵隊アントマンLT》

  • 《漆黒鳥ヤタグロスLT》

  • 《カイザレオン大帝LT》

  • 《竜戦車アースガルドLT》

  • 《シーサーズLT》

  • 《天使クレイオLT》

  • 《ポムLT》

  • 《チワールLT》

  • 《天使長セラフィーLT》

  • 《生み出される尖兵LT》

《妖狐キュービックLT》
採用先:シュタインループ等
何故か召喚時効果が出るようになった《妖狐キュービック》。まさしく悪用してくれとの挑戦状である。まずは、《妖狐キュービックLT》で召喚して強そうなカードを列挙してみる。
《シュテン・ドーガ》、《六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァドス》、《闇輝石六将 紫骸龍神ダイムザーク》、《デスマスクナイト》、《骸騎手ロードシルト》、《魔界七将デストロードXV》、《剣聖幽鬼イーグレン》、《神蛇王スネフェル》、《ナイトローグ》、《仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ》、《ゴ・ジャラジ・ダ》、《魔羯邪神シュタイン・ボルグ(リバイバル前後両方)》、《死蠍王メネスコルピオ》、《魔界七将ベリオット(リバイバル)》、《魔界騎士デストロイデン》、《冥府大魔導エシュゾ》、《妖術師ヤクモ(リバイバル)》、《水晶龍アメジスト・ドラゴン》、《六醒龍皇ジークフリード・アレックス》、《極帝龍騎ジーク・クリムゾン》、《女教皇リル・サキュバス》、《庚の水晶龍アメジスト・ドラゴン・ソニック》、《紫骸旅団 白竜エニグマドラゴン》、《鬼神女王ジェラシックドール》、《黄泉ノ獣ライウンシシ》、《魔界七将ベルゼビートX》、《仮面ライダーディエンド コンプリートフォーム》
上記を纏めて、実際に使用する可能性のあるカードのピックアップを行う。
手札補充
《六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァドス》
《魔界七将ベリオット(リバイバル)》
トラッシュ回収
《闇輝石六将 紫骸龍神ダイムザーク》
《魔羯邪神シュタイン・ボルグ(リバイバル前後両方)》
《冥府大魔導エシュゾ》
コアブースト
《仮面ライダー龍玄・黄泉 ヨモツヘグリアームズ》
《六醒龍皇ジークフリード・アレックス》
《極帝龍騎ジーク・クリムゾン》
《黄泉ノ獣ライウンシシ》
ブレイヴ召喚
《骸騎手ロードシルト》
《庚の水晶龍アメジスト・ドラゴン・ソニック》
破壊時起動
《魔界七将デストロードXV》
《ナイトローグ》
《女教皇リル・サキュバス》

結局《魔羯邪神シュタイン・ボルグ》である…。このカードを使えばループは簡単なので考えたリストだけ挙げておく。

《兵隊アントマンLT》採用先:特になし
効果での召喚をトリガーとした効果が増えればループの可能性がある。現状だと《相棒虫ガタル》辺りしかいない。

《漆黒鳥ヤタグロスLT》
採用先:リルサキュバスループ等
ついにきた《漆黒鳥ヤタグロス》の上位互換。バーストで召喚できるため、《ヤン・オーガ》や《トゲアント》より採用しやすいように思う。既存ループの強化に当たる。

《カイザレオン大帝LT》
採用先:デルフィニュートループ
ついにきた《助祭ピゥ・マルティヌス》に代わるアクセルコアブーストカード。このカード、何故かリザーブに2コアではなく、スピリット上とリザーブに1コアずつ置く効果となっている。スピリットを召喚しないループで悪用されないためであろうか。《黄の起源龍デルフィニュート》で使えば制約はないも同然であるのにも関わらず、スピリット上にコアブーストする意味とは…。その理由は逆にループで使用されることを想定したカードだからである。スピリット上にコアブーストすることで、相性の良いカードが存在するのだ。《グラーバ》《チャウー》《セブンスポット》《タランシダー》である。
特に《チャウー》は《黄の起源龍デルフィニュート》と同じ黄色であり、2コストと軽い上に系統:「漂精」を持っており、ループパーツにもなり得る《丙の星獣スター・キャンベル》で回収が可能となっている。
上記を踏まえて考えたデッキが以下となる。

《カイザレオン大帝LT》がトラッシュに置かれると回収が難しいため、仕方なく《トリックスターLT》と《ダークイニシエーション》を採用。それに伴い、《妖精神官アンドロメダ(リバイバル)》による《究極北斗アポロドラゴン・メグレズ》無限召喚ではなく《神海賊皇子トリトーン》を用いたデッキ除外をフィニッシュ手段としている。ループの方法は簡単で《黄の起源龍デルフィニュート》で《カイザレオン大帝LT》のアクセルを発揮してコアブースト。増えたコアで《凶神獣カオス・ペガサロス(リバイバル)》と《丙の星獣スター・キャンベル》を使用して《黄の起源龍デルフィニュート》と《丙の木猿ナラ》を回収して、《丙の木猿ナラ》を召喚して手元のアクセルを回収するだけである。ただし、《黄の起源龍デルフィニュート》で《凶神獣カオス・ペガサロス(リバイバル)》と《丙の星獣スター・キャンベル》を使用することで、《カイザレオン大帝LT》の要求枚数が少なくなったりとパターンは複雑である。《天使アルケー》を採用しないスマートなデッキになったと考えていたが、マイデッキを作成している際に似たようなデッキを入力した既視感があった。スマホのアルバムを探ってみると下記のデッキを見つけた。

ループ条件厳しすぎないか

1年半の時を経て大幅強化されていたようだ。

《竜戦車アースガルドLT》
採用先:特になし
今後に期待

《シーサーズLT》
採用先:特になし
《妖狐キュービックLT》同様に召喚時が発動するようになった。今後に期待。

《天使クレイオLT》
採用先:探偵ループ等
何故かメインステップで破壊してもドローできるようになった。既存のデッキのドロー強化にも使えそうである。以下が考えたデッキ

どちらもループ方法は簡単なので説明は省く。

《ポムLT》
採用先:クウガループ?
使い道が思い付かなかった。デザイナーに敗北した気分だ。チェンジや《宙吊りの五行山》辺りが思い付いたが《ポムLT》を使うことで得られるメリットを見出だすことができなかった。なんなんだこのカード。

《チワールLT》
採用先:特になし
何故か系統:「遊精」が回収対象に追加された。《チワール》自体は古き悪い時代にループで使われた過去があるが、令和では悪いルール(消滅も破壊扱い)は無くなったため悪用は難しい。
とりあえず考えたデッキを載せるが無理して《チワールLT》を使っている感が拭えない。

エテの口からコアを吐き出してもらう

《身代之術》と比較するとソウルコアを使用する必要がない点で優れている。そのため、《No.21 ダイバージェンスヒル》をドローエンジンとして用いることができる。

《天使長セラフィーLT》
採用先:特になし
《天使長ソフィア(リバイバル)》とお互いに召喚が可能であり、《クラウディブロウ》の対象にもなるため、いつか使う日が来ると感じさせてくれる。今後に期待。

《生み出される尖兵LT》
採用先:尖兵ループ(新規)
このカードを使ったループを書くためにここまで駄文を重ねてきた。このカード、何故かメインステップでもコアを増やすことができるようになった。メインステップで疲労させることでコアブーストするカードといえば皆さんご存知《異海獣アビスシャーク》が挙げられる。このカードを《天使エンジュ》で回復させるデッキをTwitterで見たことある私はとりあえず天霊軸でデッキを考えた。

色々混ざっている

黄色にも系統:「武装」持ちがいたことでデッキの形にすることはできた。しかし、天霊は《湖に咲く薔薇》と《天使ルナリエル》を使うことでコアブーストが可能である。明らかにその方が簡単である。
そうなると残された道は《天使エンジュ》は使わない、つまり系統:「武装」持ちを無限に回復させるギミックを他に用意する他ない。
そんなカード果たして存在するのだろうか…。

あった。

《翼神機グラン・ウォーデン(リバイバル前後両方)》と《翼神機グラン・ウォーデン・ツヴァイ(裏面無し)》である。気付いてしまった私が意気揚々と考えたデッキがこちら。

無限コアブーストの後は《盾甲機レイド・キャバリアー》で無限ドロー、完璧!。とここまで考えてから気付いたが、冷静になるとフィールドに《翼神機グラン・ウォーデン・ツヴァイ(裏面無し)》2枚要求であり《翼神機グラン・ウォーデン》は既にループ対策が行われており(制限1)、ループに関与しないカードであった。一応、《盾甲機レイド・キャバリアー》を《要塞蟲ラルバ》のように振る舞うことができる。非現実コンボでおしまいなのだろうか…。

さて、話は少々逸れて、上で登場した《盾甲機レイド・キャバリアー》とあるカードで無限ドローができることはご存知だろうか。
そのカードとは《星と獣の創界石》である。ドローをトリガーにコアブーストを行うため、《盾甲機レイド・キャバリアー》が赤もしくは緑色であれば無限ドローができるようになる。
《星と獣の創界石》は系統:「占征」と「星竜」/「剣獣」を要求するが、そういえば同じテーマにループを行うカードが存在していたような覚えがあった。《守門ブルドグレゴリー》と《オラクル V オーバーハイエロファント》の組み合わせだ。そのまま使うと無限にミラージュがセットできるだけの組み合わせ。しかし、この動作の中で行っていることが2つある。それは、「疲労」と「回復」だ。尖兵ループで求めていたものは何だっただろうか。そう、「回復」である。ついにピースが揃った…。できたデッキがこちら。

《盾甲機レイド・キャバリアー》を疲労させるため、《選ばれし探索者アレックス(リバイバル)》と《創醒の宝珠ヘキサ・タリスマン》を採用。《星と獣の創界石》のトリガーにもなるため、色々と噛み合っている。
《守門ブルドグレゴリー》と《オラクル V オーバーハイエロファント》の無意味コンボも2体回復であれば別だ。《創醒の宝珠ヘキサ・タリスマン》を移動させることで、《盾甲機レイド・キャバリアー》を何度も疲労させ、《守門ブルドグレゴリー》と一緒に回復してもらう。
2023年8月25日追記
ブレイヴの移動(合体)による疲労では、《生み出される尖兵LT》の「疲労したとき」は発動しないと指摘を頂いた。《緑の世界》の転醒等、普通のバトルでも発生する事例のため、気を付ける必要がありそうだ。
このデッキにおいては、仕方ないが《突機竜アーケランサー》を採用して対応するしかなさそうである。

さいごに

最後にとてもよいクソコンボが思い付きとても幸せに思う。巡るキセキは通常弾と違いテーマが無いため、Twitter等でもデッキレシピを載せている人は非常に少なかった。デザイナーの用意したテーマデッキで遊ぶのも楽しい。しかし、バトスピは15周年も続いているのだ。15年分のカードプールから自分でデッキを考えるのも楽しいのではないだろうか。私は巡るキセキにはそのようなメッセージも込められていると思う。以上


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