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夏越の大祓

上野の湯島天満宮にお参りに行った。
6月30日の今日は夏越の大祓が行われる。
半年の間についた罪や過ち、心身の穢れを祓い清める神事だ。
人形に名前を書いて、体の痛いところや悪いところをなでて、息を3回思い切り人形にフーッとはき、半年の罪や穢れを人形にうつす。
初穂料と人形をおさめ、茅の輪をくぐり、お参りした。
日曜日なのでたくさんの人が参拝にきていた。
御朱印をいただいたあと、ふと見ると本殿にいく橋をちょうど白無垢の花嫁さんが渡って行った。
確か、神社で結婚式に遭遇するのは、神様が歓迎してくれている印だったはず。
歓迎してくれたのかなとうれしい気持ちになって、夫に花嫁さんだよって言ったのに、夫はとんと興味を示さなかったから、それ以上言うのはやめておいた。
新しいお守りを大事にバックにしまった。

御徒町駅の北口から湯島天満宮にいく道を歩くたびに思い出す。
数年前、湯島天満宮に行くときだ。
松坂屋を通り抜け、信号を渡った先で、年配の女性を助け起こそうとしている若い女の子2人がいたので、手を貸した。
どうされたのか聞くと、この斜めになっている道路の境目で足を滑らせて転んだんですという。
おばあさんは立たせてほしいというが、動かすと痛い!痛い!と叫んで、なかなか立たせられない。
やっと立つことができて、ガードレールを支えにしてもらった。若い女の子はおばあさんが痛くないようふくらはぎを両手で支えていた。
おばあさんの自宅は茗荷谷だという。タクシーが通りかかったためタクシーで帰るといいかなと相談したら、おばあさんは一人暮らしだと聞いたタクシーの運転手さんはどうにもできないといって、行ってしまった。
一歩も歩けない状態では自宅に帰れたとしても、何もできないと思ったので、救急車を呼びましょうと言った。
救急車ってどう呼ぶんですかって若い女の子が聞いたので、わたしが119にかけますねと言って電話をした。
初めてのことでわたしも動揺していた。あなたは?と聞かれ、通りすがりと言いたかったのに言葉が全然出てこなくて、わたしは、ゆっゆきずり、ゆきずりの者ですっと言っていた。
救急の電話の相手の質問にこたえながら、おばあさんの年齢はと問われたので、おばあさんにきいたら、80歳と言った。
白いパンツに紺色ベースの大きな花がらのカットソー、お化粧もちゃんとしている女性だったから、80歳と聞いてちょっとびっくりした。とてもおしゃれなおばあさんだった。
担架に乗せられる時も痛い!!痛い!と叫んでいたが、救急隊の方もちょっと我慢してねーって構わずさっと乗せてた。さすが、慣れてると思って見てた。
おばあさんはありがとうありがとうと言っていた。
わかい女の子たちはとても優しくて感じがいいかわいい子たちだった。
女の子たちはすぐ歩き出し、わたしは救急隊の方に名前など聞かれたあと、湯島天満宮に向かった。

わたしは、あっ困っている人がいる大変だ手助けしなきゃっていう純粋な気持ちじゃなくて、これから、神社に行くのに、知らんぷりしていくなんて許されない。そんなことしたら、わたしの願いなど何一つ聞いてもらえないだろうという不純な気持ちもあった。だからきっといつもここでそのことを思い出す。

あのおばあさんはどうしているかな、今はもう良くなって元気に暮らしているだろうと思う。










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