ヒゲダンとStand By Youと私。

2021年4月18日official髭男dism(以後ヒゲダン)のFC限定オンラインライブが行われた。
今回のライブには事前投票というものがあり、ファンから楽曲投票が行われた。私は投票開始早々に投票した。

選んだのは「Stand By You」だ。

悩まなかった。仮に突然街頭インタビューで聞かれたとしても秒でこの楽曲を答えたと思う。

私がこの曲に出会ったのは地元ローカルラジオの月間パワープレイに選ばれた頃だった。

毎朝聴いているラジオからこの曲が流れた。
ピアノの音、奏でられるサウンド、耳を虜にして離さない歌声、全てを包むクラップ音、私の耳に焼き付いて離れなかった。

ラジオから流れる、名前も知らなかったバンドの、名前も知らなかった曲の、その歌詞を小さな脳に記憶させ、走らせていた車を止めスマホのメモに歌詞を書き留めた。のちに彼らがヒゲダンだということ、あの曲はStand By Youだということが分かった。

それからというもの、ヒゲダンの曲をとにかく聴いた。良いことがあった嬉しい日も、辛くて泣いた日もヒゲダンの曲をひたすらに聴いた。

いつしか私の日常にはヒゲダンがいた。

完全に推しに変わった頃、お隣の県にヒゲダンがホールツアーで来ることが分かった。チケットを持っていなかった私は当日の機材席開放の知らせを聞き即エントリーした。片道3時間、結果が出てから車を走らせても間に合わないのは分かっていたので、とにかく車を走らせ会場に向かった。が、残念ながら私の席はご用意されなかった。泣いた。会いたかった。ただ、この涙が悲しみによるものだけではないことがその場で分かった。会場に来ていたファンのみんなを見ていると、本当にキラキラしていて、大好きに溢れていた。自分も重ねた。同時にヒゲダンを通じて出会ったTwitterのフォロワーさん達のアイコンも瞼の裏に浮かんだ。あぁここにもヒゲダンのこと大好きなみんながいる。ここのみんなが会場いっぱいにしてくれるんだ、クラップしてくれるんだ、その中でヒゲダンは歌うんだ、音を鳴らすんだ、なんて幸せなバンドなんだろう。そしてそれを見ていられるファンはなんて幸せなんだろう。ライブに行くみんな良かったね!本当におめでとう!行ってらっしゃい!グッドミュージック私の分も沢山浴びて来てね!本当にそう思えた。完全に会場入りするみんなに魂をあずけていた。魂参戦とはこのことか、そう思えた初めての感情だった。

気付くとヒゲダンは眩しいくらいにとても大きくなっていた。もう近くで見れる日なんて来ないのかもしれないと思ってしまう程に大きくなっていた。

そんな時、あの歌詞が胸の中で流れた。

"たとえ僕ら遠く離れた場所へ行こうとも
変わらずにいたいよな?変わるはずがないよな?"


そうだ、これだ。私を変わらずここまで支えてくれたのはヒゲダンとこの歌詞だった。

ヒゲダンはまだまだ大きくなるだろう。私には想像できないくらいに大きく。もちろん私だって歳をとっていく。でも、それでもヒゲダンは絶対に私たちを置いてはいかない。

今回FC限定オンラインライブでアリーナツアー再開決定の報告があった。心から嬉しかった。ヒゲダンがまた有観客ライブを行える!ヒゲダンを大好きなみんながライブに行ける!その事実が何よりも嬉しかった。それと同時に、自分がライブに行けない選択をするしかない未来もすぐに想像できて実感として私の元にやって来た。

大丈夫、自分の胸に言った。

ライブ後のコメントでメンバーはこう記していた。

「ライブに行くという選択をした人には最高のライブを、ライブに行かないという選択をした人にも最高のライブを。」

「今すぐにじゃなくても良いです。会える時に会いに来てください。」

涙が止まらなかった。嬉しくて、優しくて、涙が止まらなかった。

またヒゲダンは私を置いてはいかなかった。
約束のその日はまだまだ先の未来ではあるけれど、必ず会える未来の約束を私にくれた。

ヒゲダンは陽のあたるところも、陽のあたらないところも必ず見てくれていて、そっと手を差し伸べてくれる。誰のことも決してひとりになんかしない。
だからみんな、どんな環境であっても応援していられるし、大好きでいられる。

全てはヒゲダンとStand By Youの歌詞のおかげだ。

だからこそ私にはStand By You以外の投票の選択肢が無かった。本当は全部って言いたいくらい大好きな曲ばかりだ。みんなそうだと思う。投票する前から、この曲はライブの終わりにきっと歌ってくれるだろうことすら想像できていた曲だ。それが分かっていても、どうしても投票したかった。ヒゲダンに何かお返しの気持ちを送りたかった。それが投票というかたちだった。

「ヒゲダンがどんなに大きくなって遠くに行ったって変わらないよ!みんなずっとここにいて応援してるよ!約束だよ!」

私の小さな一票だけれど、それはヒゲダンとの約束と、それに対しての私なりのアンサー的なモノであったと思う。

そんな思いを込めた一票だった。
それで良かった。

この世界を見せてくれて本当にありがとう。
私がStand By Youの歌詞と共に過ごす日々は、これまでもこれからもきっと変わらない、今日もまたそう思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?