ハイリスクな見栄の話

少し前の会食の話。

会食が始まり、とても良い雰囲気になっているところで、違う席にいた方が、たまたま知り合いで、ワインを一本プレゼントで出してくれた。
“なんて粋な方なんだ”と皆でテンションが上がり、お店の人がワインをグラスにいれて持ってきてくれた。
早速飲むと、会食メンバーのうちの一人が “美味しいですね、これはアメリカのワインですか?” “いえ、ブルゴーニュです”というやりとりがあった。

よく考えれば、ワインをブラインドで当てられた時のリターンは“凄いですね!”と言われることくらいで、外した時のリスクが大きいと思う。
実際僕も何とも言えない気持ちになった。笑 見栄は、ハイリスク・ローリターンなことが多いことを学んだ。

実はこのハイリスクな見栄を張ることがビジネスでも多いのかもしれない。

最近、とある社内の会議でも“某社では、幹部の登竜門として、しみずジャンプという研修をやっているようです“ “しみずジャンプ?” 聞きなれない単語が気になって、手元にあるレジュメを見ながら詳細を確認した。その社員が必死に説明していたしみずジャンプとは、"清水の舞台から飛び降りる"ような体験をさせる研修のことで、京都の清水寺(きよみず)のことだった。きよみずのことを、しみずと勘違いしていることに気づいた。間違いを見つけたこっちが恥ずかしかった。

この間違いは、勘違いに近いかもしれないけど、会議中に知らない言葉が出てきたりすることは少なからずあると思う。それを知っているかのように振舞うのはよくない。その議題が重要だったら、ちゃんと理解できてないことによってミスリーディングすら起こす可能性がある。

ビジネスにおいて、見栄が必要な時も確かにあるけど、それはリターンもそれなりに大きい時に限る。

肩ひじ張らず、分からないものはその場で言い、ハイリスク・ローリターンな見栄は極力張りたくないものだ。

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