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COUNTDOWN JAPAN 22/23 DAY4 ライヴレポート

動線

14:50~go!go!vanillas→16:05~Mr.ふぉるて→16:40~*Ivy to Fraudulent Game→17:40~羊文学→18:05~*ポルカドットスティングレイ→19:10~BLUE ENCOUNT→20:25~*ストレイテナー→21:30~きゃりーぱみゅぱみゅ→22:35~OKAMOTO'S→23:40~ジェニーハイ→24:55~THE BAWDIES→25:50~NEE→27:05~PEOPLE1
(*は途中参加)

バニラズからピポワンまで

 ロッキング・オン・グループ代表取締役の渋谷陽一の呼び込みによって登場したのは,go!go!vanillas。バニラズを観るのは,バズリズムライブ以来の2回目だ。「エマ」では,ジェットセイヤが「エマジェットスティックキャッチ」を失敗した後,何事も無かったかのようにスペアを取り出す姿を見られて良かった。「one shot kill」にて,牧がトリガーを引く動作と同時に炎が上がる演出には胸を撃たれた。昔交際が報じられたきゃりーぱみゅぱみゅも,このようにして射止めたのだろう。セイヤが最後に見せた,鉛直に投げ上げたチャイナシンバルを叩くというお決まりのパフォーマンスも,ロックンロールそのものだった。トッパーに相応しいライヴ。

 同行人の友人の勧めで観に行ったのは,Mr.ふぉるて。個人的には,あまり好みではなかった。ヴォーカルの声が,筆者の性に合っていない(ヤングスキニーや,ねぐせ。と同じ類型にカテゴライズしている)。また,オーディエンスのセンチメンタルな感情を動員するライヴには,そのバンドへの高い没入度が必要条件になると考えている。筆者には,彼らに対する(正/負の)感情が何も無かったので,どうも感傷的にはなれなかった。が,これまで彼らと長い時間を共有してきたファンにとっては,実にエモーショナルなライヴだったのではなかろうか。好みでない理由に,彼らと同い年であるというジェラシーも少なからず混入していることは否めない。
 しかし,Dr.の女の子の奏でる力強いバックビートはかなり好きだった。

 羊文学は,普通に顔がタイプ。ごめん。塩塚は,顔が濃くて歌声には芯があるのに,喋りがポワポワしていて,良い意味でアホそう。高校時代によくいた,幾人ものクラスの男子に思わせぶりな態度を取ってその気にさせて,いざ告白したら,「ごめん実は彼氏がいて…」と打ち明けてくるタイプの顔をしている。そして,あざと系女子としてクラスで覇権を握っているので,一部の女子からは疎まれている。年の離れた兄貴がいる。河西は,タヌキ顔。「ばんばんざい」のるなに似ている。あんまり擦れていなくて,大学に入ってからサークルの先輩に新歓で言い寄られる感じの顔をしている。あと関係無いけど,ベースの流麗な独特の指弾きが見ていて心地良い。
 羊文学は,ほとんどの曲でオーディエンスを棒立ちにさせていた。確かにシューゲイザー的なゴリゴリのバンドサウンドを聴いているはずなのに,川面で小鳥の囀りを聴いているかのような心地良い感覚に襲われた。シンプルに設定されたドラムセットで,「余計な」キメやフィルは一切しないフクダの安定したドラミングも相俟っていると思う。カースケさんのプレイスタイルに似ている。

 ブルエンは,暑苦しいとも言えるほどの力動的な音圧とメッセージ性が,高校時代の部活後のような疲労感を与えてくれる。そして最後に,「負けるな」と全力で鼓舞してくれた。
 筆者の周りには,高校生と思しき男の集団ですし詰め状態であった。このクソ狭いなか,みんなで写真を撮っている。まったく周りが見えていない。しかし,それで良いのだ。彼らがコロナで喪失したむさ苦しい「青春」とは,元来そういうものであった。ブルエンが,何かと周りの目を気にして窮窮としがちな聴衆のブルーな気持ちを晴らして,「青かった」あの頃へとトリップさせてくれた。

 次に,同行人に連れられてきゃりーぱみゅぱみゅへ。彼女は,言わずと知れた,2010年代を代表する原宿系(「kawaii」系)カルチュアのアイコンである。彼女の披露した曲をほとんど知っていたことから,きゃりーの全盛であった小中学校の時分に,彼女の音楽が自分の身体と記憶に,思っていたよりも浸透していたのだということに気付いた。一時代の文化を築き上げた功績と影響力は,途方もなく凄まじい。

OKAMOTO'Sの圧倒的とも言えるグルーヴィーなサウンドには,身を揺らさざるを得なかった。「JOY JOY JOY」は,このフェスを通じて最も印象に残った楽曲。同行人にとっても,そうだったようだ。ハマ・オカモトが奏でるベースラインが心臓を震わせ,言い知れぬ極致感に襲われた。技巧的で芸術的なそのグルーヴ感に,絶頂的な身体的快楽を感じた。

続いて,カウントダウンライヴを行うジェニーハイ。吉本興業に関連するアーティストが続く。舞台裏でハマ・オカモトと小籔,くっきー!は何か会話を交わしただろうか,気になる。大人気のお笑い芸人2人がリズム隊を成すという,極めて特異なバンド。もちろん,プロフェッショナルな演奏とは言えないが,だからこそ,手が届きそうな親しみやすさと,「壊れるかもしれない」「何が起こるか分からない」ヒヤヒヤ感が底流していて,たまらない。技術面での成長が現在進行形で確認できるバンドなので,彼らと同じ時間を共有しているのだという実感が湧きやすく,応援したくなるとともに,自分も頑張らなければ,という励みにもなるバンド。

続いて,BAWDIES。噂には聞いていた,HOT DOG前の寸劇,からの,高揚感を煽るスネア4連符×4。最高。

NEEは,早々にCOSMO STAGEに入場制限をかけていた。ここら辺から,疲労感と闘い始める。しかし,それをブチ破ったのが1曲目の「不革命前夜」。カウントダウンで獲得した風船を持ち込んでいる人も多く,サビになるとみんな一斉にそれを飛ばす。筆者も,風船が邪魔で仕方がなかったため,不革命前夜のラスサビで思い切り飛ばした。くぅも,曲間に「風船すご」と漏らしていた。

最後,ピポワン。「今からここはクラブです」の号令と共に始まった「フロップニク」は,最高の一言。個人的に「常夜燈」は,あんまり好きではないので,無理にノらずにゆったり聴いた。

眠すぎて,ネクライトーキーは断念。漏れてくる「北上のススメ」を聴きながら,一刻も早くここ(幕張)から抜け出し「北へ向か」いたいと思う。

まとめ

来年も行きます。多分。





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