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VIVA LA ROCK 2023 5/6(土)ライヴレポート前半

記憶の若いうちに記す。

動線

ハルカミライ→CHAI→打首→バンアパ→大宮セブン→ヤバT夜の本気ダンス→コルレ→ホルモン→DJピエール中野
太字は前から4,5列目までの位置で参加。

ビバステージとスターステージが隣合わせなので,片方の前方エリアから隣へ移動せずとも,かなり近くで観られた。実際,coldrainの時は,隣のエリアにおいてさえもサークルモッシュが発生していた。

ハルカミライから大宮セブンまで

 明治大学卒業・鹿野さんのオープニングMCは,ざっと以下のようなものであった。「未来の音楽ファンである子どもを守ろう」「いろんな人の各々の楽しみ方を尊重しよう」,そして本日の出演者(橋本学,大澤会長,こやま等)が口を揃えて言っていた「絶対に怪我の無いようにしよう」。地域社会・弱者をも包摂した彼のフェス構想は,「うっとりエリア」の設置やガーデンステージの設計,「美腹神社」(障がい者への募金プラットフォーム),そして“you'll never only alone”の標語に反映されていた。

 トッパーに相応しいステージングをハルカミライが披露した。早速ダイブやモッシュが発生しており,橋本学がオーディエンスに乗って歌う。「時間が余ったから」と矢継ぎ早に何曲も連続して歌う裸の男に,さいたまスーパーアリーナの熱気が収斂した。

 CHAIは,あまりにも凄かった。その奇抜なヴィジュアルからイロモノバンドだと高を括り,スタンド自由席で呑気に座っていたが,最終的には前方エリアで身体を揺らしていた。今回,ビバラロックで得た最大の収穫は,彼女らのパフォーマンスを真正面から受け止められたことである。まず,何と言ってもタイトでソリッドなユナ(顔が好み)のドラム・プレイと,ユウキの安定感・重厚感のあるベース・プレイのコンビネーション。その上に乗っかるのが,マナとカナの不安定でチャーミングな声である。この安定と不安定のアンビバレンスが,うまい具合に独特な世界観を呈示していて,1秒たりとも目が離せない。そして,彼女らの唱える「NEOかわいい」という思想が,コンプレックスに押し潰されそうなすべての女性の味方たり得るし,フワちゃんが影響を受けていることも容易く理解った。

 打首獄門同好会では,大澤会長の「怪我すんなよ」の声を皮切りに,ウォール・オブ・デスが発生。バンアパを観たさに隣ステージに待機していたため,参加できなかったことだけが悔やまれる。

 the band apartは,今回のビバラまでに最も聴き込んだバンドである。だから,前から3列目中央を死守するという気合いの入りようである。リハーサル中のちょっとした空隙に,すぐ目の前にいる荒井さんに手を振ってみる。無愛想に手を振り返してくれる。何とかっこいいのだろうか。そして原さんはずっと気怠そうに座っていて,徐ろにスマホを取り出し,呑気にフロアを撮影し始める。本番前,他バンドには見られない25年目のバンドマンの余裕と風格が窺えた一場面である。
 不気味な原さんの重低音ベースが鳴り渡る。そして,そこに木暮さんの4つ打ちが投入され,ラテン的なノリのカウベルが加わる。だんだんとその音像がハッキリしていく。これは「the ninja」だ!パンパンッパンッパンパン。手拍子が難しいし,タイミングを忘れてしまっていた。
 「Eric.Wのトラップ」には何度も引っかかった。木暮さんが唐突に4つ打ちを開始したら,皆んなそりゃEricだと思う。だから「ウォー」と声を出すのだが,しかし実際はZION TOWNだったりするわけだ(寧ろ,こちらの方が好き)。そして最後の最後にEricが来る。何度も焦らされたもんだから,川崎さんのリフが聞こえた瞬間,フロアが熱狂した。そして,思うがままに飛び跳ねる。しかし,最前列の方は地蔵している。ヤバT待機組なのか,はたまたバンアパのガチファンは羊文学のように静かに観るタイプなのか。

 お笑い好きからすると,大宮セブンは目の前で観たかったのだが,ヤバTの前方確保のため,バンアパ後もステイ。先日解散を発表したコマンダンテは不在。
 大宮セブンとコラボしたアーティストは,ヤバT,CHAIのマナとカナ,telephones,ピエール中野。特に次に出番を控えるヤバT登場時は,こちら側のステージ待機客が熱狂した。
 お笑いファンとバンドファンのベン図の重なりは分からないが,少なくとも大宮セブン登場時,私の周りのバンドファンは歓迎ムードでは無かったし,あまり笑いも起きていなかった。しかし,段々とこのアウェーな空間を制してきたのはさすがプロの芸人である。こちら側のお客さんからも次第に笑いが上がるようになってきた。

-後半へ続く-

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