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Taskmaster Australia Series 1

これまで欧州各国+NZの配信があったが、何れも文化の違いか笑いの違いかの壁の厚さを感じ、そもそも肝心のタスクマスターとそのアシスタントもグレッグ・デイヴィースとアレックス・ホーンのあの絶妙な息の合い方は誰にも真似ができない事は重々判っているにせよどうしても比較してしまったり、と、今一つ波にのれなかった為、今回オーストラリア版配信が始まると知っても、あんまり興味も湧かずまま視聴し始めた。

Taskmaster Australia Series 1 (Youtube Playlist)

しかし、オープニングでタスクマスターの顔が映って喋りだした瞬間、「あ!この人!!知ってる!!!!」となった。

そう、タスクマスターはなんと4年前にアマゾンでのワンマンライブが配信されていて、それが結構面白く、当時イラストと感想文も描いていたあのトム・グリーソン↓

Tom Gleeson (Taskmaster Australia)

トム・グリーソン版タスクマスターはお国柄なのか人物像がそうなのか、まん丸のお顔が太陽の様で言葉遣いもソフトでなんともほんわか温かいのだ。この太陽の様にニコニコ笑いながら駄目なものはずばずば切り捨てたり時に全くの独断で容赦無くびしばし厳しい採点を下す所がまた良い。

更にそのタスクマスターとアシスタント、トム・キャッシュマンの関係性が、本国のグレッグとアレックスとはまた異なっていて、予想外にとても良い。二人共トムとトムなのでタスクマスターに「紛らわしいのでお前はレッサー・トム(本国のアレックス・ホーンがリトルだと言う事に習っているか)だ」と有難くない名前を頂戴し、まんざらでもない様子でニコニコ顔のままのキャッシュマン(レッサー・トム)は、出演者がどんなに突拍子もない事を要求したり、何事かをしでかしていても、常に豆鉄砲を食らった鳩のように飄々と素っ頓狂な表情をキープしているのが素晴らしい。
しかし一つ難を言えば、「ポップコーンをアシスタントに食べさせる(食べさせない)」タスクで、コメント欄にも書いていた人が居たので私一人の見解ではないと確信しているが、これがアレックス・ホーンなら躊躇無くポップコーンを食べていただろう、と言う一点。そこはアシスタント魂が欠けていると思った。(食べない方が健康や安全面を考えると当然の行為なのだが、燃えカスも食べたアレックス・ホーンが基準値となっていると「なんで食べないんだ!一口位食え!」となってしまうのだ。)

出演者の一人、ジュリア・モリスは彼女の推定世代から「もしかしてオーストラリア90年代のコメディ「フル・フロンタル」(記憶間違いでフル・モンティで検索したので少々手間取ったが)に出てたりした?」とシリーズ観てる途中ずっとちょっと気になっていたもののものぐさで調べなかったけど、観終わってから何となく気が向いて検索したらメンバーだった!とはいえスチル写真見ても全然記憶に無いので(他のメンバーはほぼ覚えてるんだけど)まあほぼ初見と考えても良いだろう。彼女だけ他の出演者より年齢が上と言う事もあり「この年になって一生懸命何かに取り組むと言う事はやめた。」とか、人生の疲れが感じられる黄昏自虐コメントが多々ある中、結構適当にタスクを行っているがその割にきちんと着実に点数を取っていて、満身創痍真剣勝負で挑んでいても得点数下の方にいる人も少なくない(ここがタスクマスターの不思議な所)中でこの健闘ぶりは注目に値した。そんな彼女が「タスクマスター本人にばれない様にタスクマスターの写真を撮る」タスクの気合の入れ様は素晴らしく、他の出演者全員が適当に写真撮ってやり過ごしてお仕舞と言う中、彼女のそれは単なるストーカー行為、さすがにどっしり構えるタスクマスターも唯一たじたじ、笑顔だけど内心冷や汗を掻いているっぽい表情を見せる位心中まことに穏やかでない様子で、彼女への好感度が一気に増した。

タスクマスターもアシスタントも出演者も全員嫌味が一切無い所も好感が持て、その特色が一番良く出ていたタスクが「親戚に電話をかけて切ってほしい事を知られずに一早く電話を切って貰った者が勝ち」タスク。ダニエル(おばあちゃん)とルーク(ママ)の二人はどうしても切れなくて困りながら会話を続けるのだが、二人の優しさと焦りが伝わってきて可笑しいのに泣けてくる。二人共当然温情措置も無く低得点だけど誰も責められないしその後のスタジオ全体の反応と雰囲気もタスクマスターにはあり得ない心温まるものに仕上がっている。

まさかこんな楽しめると思ってなかったオーストラリア版、本国では5月からシリーズ2の放送が開始されたばかりらしいので、いつの日か配信してくれる日を願う。

付録:合わせて観たい日本でも配信中タスクマスター関連オーストラリアコメディ↓

Tom Gleeson: JOY


アマゾンオリジナルコメディ「Tom Gleeson: JOY
オーストラリア版タスクマスターはこんなコメディアン!と理解するにはうってつけのワンマンライブ。コメディアンの全国ツアーの会場への移動はどんな感じなのかな?と言う素朴な疑問はタスクマスターを観れば(ジュリア・モリスのおかげで)判ります。合わせて観ると面白いかも!

アマゾンオリジナルミステリーコメディ「Deadloch
一生懸命やっているんだけどすべて抜けていて奇想天外なお気楽主義を突き通し緻密さの微塵も感じられなかったニナ・オヤマが、結構事件の確信をつく新人警官役で出演(更にNZタスクマスターのシリーズ1に出ていたマデリン・サミも主演刑事コンビの一人で出演していて、NZ版観ながら「えらいこの人、デッドロックに出てた人に似てるなあ」と思って調べてみたらご本人だった)。ドラマ自体はまま笑えるし悪くはないがコメディなのかミステリなのかなんなのか判らない感じは否めないドラマ。

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