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【2021年マイ映画ベスト10】

#2021年映画ベスト10

例年どおり順位不同(鑑賞順)で、自社作品は入れていませんが、この年から新作として配信された長編映画も入れました。2021年に劇場&配信で観た新作映画は、117本です。

「花束みたいな恋をした」

他人にはつまらないものが宝物に見えたり、ちょっとした偶然が奇跡に思えたり、何でもない日常が愛おしくてたまらなかったり、そんな魔法のような日々がかつて自分にもあったのだと、甘酸っぱさとほろ苦さが何度も同時に押し寄せてくる。邦画を観てこんな気分になったのは初めて。

「ノンストップ」

高度一万メートルの密室で繰り広げられる、爽快で痛快なアクション・エンターテイメント。伊坂幸太郎作品のように、クセの強い登場人物たちが二転三転のどんでん返しを経てピタッとハマる感じがとても気持ち良かった。ハリウッド大作の公開が少なかった今年上半期の癒し&救いに。

「ミッチェル家とマシンの反乱」

ぼくが大好きな「LEGOムービー」や「パディントン」と同様に、最高のファミリームービーは決してお子様向けではなく、ファミリーの誰が見ても楽しめる、つまり全世代にオススメしたい最強のエンターテイメントなのだ。アニメーションの新たな可能性も感じさせる傑作。

「アメリカン・ユートピア」

劇中でデイヴィット・バーンが「人間が最も目にしてるのは人間だ」と語っていたけど、コロナ禍によってリアルな人間よりPCやスマホを眺めている時間が増えた今こそ、全身全霊で躍動する“人間力”に激しく心動かされた。人間って凄い。気づいたら涙が止まらなくなっていた。

「47歳 人生のステータス」

“中年の危機”を描いた作品は色々見てきたけど、“自分の人生こんなはずでは…”と主人公が漠然とした不安に襲われる感じがとてもリアルに刺さった。自分もそういう年齢になったこともあるけど…。ベン・スティラーの魅力によって、辛気くさくなりすぎないところも良かった。

「走れロム」

ベトナムの路地裏に暮らす“闇くじ”の予想屋かつ仲介屋(走り屋)の少年ロム。彼が未来を夢みて全力疾走で駆け抜ける躍動感と、路地に暮らす住民たちのギャンブルに熱狂する姿が、ライブ感あふれるカメラワークで映し出させていたのが忘れ難い。ときに切なく、ときに残酷なほど生々しい。

「サイダーのように言葉が湧き上がる」

地方のモールを舞台に“ボーイ・ミーツ・ガール”を描いた切ない恋愛映画としても、鮮やかな色彩の中に懐かしさを感じる大胆で繊細なアニメとしても、忘れられないひと夏を描いた青春物語としても最高で最強。俳句がこんなにも自由でエモーショナルだったとは!

「ドライブ・マイ・カー」

ときに"演じる"という言葉は“嘘をつく”という意味で使われることもあるけど、役者が役を演じることは、むしろ物語に秘められた“本当のこと”を抽出して見せることなのだと教えてくれた。淡々としたドラマなのに、今年観た邦画の中で最も刺激的で緊張感あふれる作品だった。

「Our Friend アワー・フレンド」

人生で決して避けられない孤独と喪失というテーマを、余命宣告を受けた妻と夫、そして彼らの友人という3人の視点&ランダムな時系列で描くことにより、三者三様の痛みや悲しみが自分のことのように感じられた。いつか再び本作が必要になるときが必ず来るはず。

「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」

まだ何者でもない若者が夢をつかむために必死に生きる姿を描くのにニューヨークという街は最高の舞台であり、また90年代という時代は無邪気に夢を信じられた最後だったのかもしれない。ぼくが夢を見ていた青春のすべてがここにある、大好きな作品。


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