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東京輪舞を観劇して ①

東京輪舞 強い感動や、深い考察を。

文化芸術を観た後の感動は、哀しいかな、自分の中で日ごとにどんどん風化していってしまう。

これは鮮度を保つ方が難しくて、あんなに感動して涙したというのに… 気がつけば薄れていく。
感動して涙さえもした過去の自分のことをすっかり忘れてる今の自分は、自分で自分のことを裏切った気分になる。

でも、書き留めるという、少し面倒でも地道な作業をしておくと、後でその時の自分の気持ちを見返すことができ、過去の記憶を呼び覚ますことができる。
それも、記憶の冷凍庫から出してみると、割とあの頃の「鮮度」もまあそれなりにキープした、いい状態で思い出すことの方が多いのだ。

だから、「書き残し」てみる。

この度、3月11日から28日の期間 PARCO劇場で開催された「東京輪舞」という舞台について、私なりの感想やら考察などをツラツラと書いていきます。

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『ひたすらに手を抜かない態度を取り続けていくことでしか文化芸術の発展は無いと思う』とXでおっしゃったこの東京輪舞の脚本家の山本卓卓(すぐる)さんに多少なりとも感化された形ではあるけれど…

今年の3月『東京輪舞』を観劇したことが、何かに書き留めておきたい!と強く願ったきっかけでもあるのだから、然るべき流れに乗った形ともいえるかもしれない。

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① まず 『言葉』のこと

とにかく脚本(台詞 言葉)が素敵で この台本売ってくれないかしら?と思ったは、2回目の観劇のことだったと思う。

テンポの良さはもちろんのこと、言葉選びや二人芝居の会話の内容がウィットに富んでいる。

台詞の一つ一つになにかしら意味が持たされてるような気持ちになるし、聴き逃してはいけないという気持ちになる。

そういう点では、演じる役者さんのおふたりの滑舌の良さ、日本語の上手さ(フィリピン人のジャスミン役も含め)、聞きやすさが最高でした。
耳心地の良い日本語に出逢い、日本語を自由に操れる日本人であることに感謝したほどです。

それからまた何公演も観させていただいて、もうこの台詞を息をするように吐く髙木雄也くん、清水くるみさんの御二方の演技の虜になっていました。

難しくもあるのに、個人的にはすごく腑に落ちる返しの数々が続く。
安堵感がある会話劇の流れに、何公演か観ていると、自分の中でも自然と次の台詞が浮かぶようになってくる。

そうなると、もうこんなにも本当に楽しい言葉 の集まりを何度も何度も繰り返し観たくなって、当初の予定より観劇回数を増やしたほどだった。

もしも私が出版社の人間だったら、この台本を書籍化しませんか?とオファーさせてもらったのかもしれないが、しかし、私は娯楽の一つとして演劇を観ているただのファン。
私の不足な脳であっても、これはなんとかして自分の記憶の中に記録して、1秒でも長く記憶に留めておこう!そう心に誓った。

東京千穐楽を終えて、私の個人的楽日も終えて、まだなんとか鮮度よく記憶に記録されている「東京輪舞」という舞台。

もうそれは本当に幸せなこと💞

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PARCO PRODUCE 2024
東京輪舞(トウキョウロンド)
原作/アルトゥル シュニッツラー
作/山本卓卓 演出・美術/杉原邦生
出演/髙木雄也・清水くるみ
東京公演/3月10日〜3月28日 PARCO劇場
福岡公演/4月5日〜4月6日 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
大阪公演/4月12日〜4月15日 森ノ宮ピロティホール
広島公演/4月19日 広島上野学園ホール


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