会議の決まり文句「That’s all for me」では、なぜ「from」ではなく「for」と言うのか
会議などでよく聞く「That’s all for me.(私からは以上です)」という表現に違和感を感じたことはないですか?
私が初めてこのフレーズを聞いたのは、マネージャーたちとのミーティングでした。なんでここで “for” が使われてるの? そこは “from” じゃないの? と思いました。というのも、学校の授業で「for は矢印の先が何(誰)なのか」「from は矢印のこちら側が何(誰)なのか」と、習ったからです。この認識は間違っていません。しかし、 ”for” には “from” のような働きをする、例外的な使い方が存在したのです。
“for” と “from” の基本的な使い方
例外的な使い方を解説する前に、それぞれの基本的な意味をおさらいします。辞書によるとこうです。
これは私の認識と完全に一致します。みなさんの多くもそうじゃないでしょうか? ますます、「That’s all for me」でなぜ ”for” が使われているのか、謎が深まります。
なんでそこで “for” が使われるの? 大きくなった疑問をぶつけてみた
会議で何度も耳にするうちに、「きっとこういう場面では “for” を使うのが自然なんだな」と思うようになりました。でも頭でっかちの大人な私は、どうも納得がいきません。自分の中で大きくなった「なんで “from” じゃなくて “for” を使うの?」という疑問を解消するために、マネージャーの1人に聞いてみました。
「That’s all for me.」って言ってるけど、どうして “for” を使うの? ここは “from” じゃないの? 学校では、”for” は「誰(何)に」、”from” は「誰(何)から」って習ったんだけど……
すると、こんな返事が返ってきました
すごい! めちゃくちゃわかりやすい! 今年1番スッキリした瞬間でした。
ただしこれは例外的な使い方で、基本的な使い方は最初に述べたように「for = 矢印の先が何(誰)か」「from = 矢印のこちら側が何(誰)か」とのことです。
ほかにも例外的な使い方はあるの?
ほかにも例外的な使い方があるのか聞いてみましたが、すぐには思い浮かばないそうです。そのくらい、「That’s all for me」の “for” の使い方は特別らしいです。
でも、このフレーズは本当によく聞くので、今後どこかで耳にすることがあると思います。そのときは「あ、あの note 記事のやつだ!」と思い出してくれると嬉しいです。
これ以外にも言語には、さまざまな例外があります。新しい言語を学習しようとすると、文法書などで基本的なルール(使い方)から学ぶことが多いと思います。もちろん、そのやり方は間違いではないです。でも文法書ばかりやっていると、例外的な使い方や自然な表現にはなかなか出合えません。そういうものは、ネイティブ向けのコンテンツ(洋書や海外ドラマ)や、英語でのミーティングなど実践の場で出合うことがほとんどです。
なので、中学校で習う英文法と仮定法の学習(または復習)を一通り終えたら、文法書は一旦横に置いて、ぜひ洋書や海外ドラマなどで、生の英語にたくさん触れてください。すると、文法書や教科書には出てこなかった、新しいフレーズや使い方に出合うことができます!
おまけ 〜自分の中でまとまっていないと日本語でも伝わらない〜
ちなみに、マネージャーに質問する前に、同じことを代表の松井にも聞いていました(もちろん日本語で)。でも、考えがまとまっていない状態で話し始めてしまい、結局何が言いたいのか自分でもわからなくなってしまいました。当然松井には、私の訊きたいことが1ミリも伝わらず、困った顔で「あー、”for” を使う場面もあるよね……」と返されてしまいました。本当はそれを使い分ける理由が知りたかったのですが、そのときは叶わず……
それで、マネージャーに聞いてみることにしたんです。このときは、①聞きたいことを明確にすることと、②文章を簡潔にまとめることを意識して、メッセージを作成しました。そのおかげで、一発で質問を理解してもらえました。
どの言語でも、話したり書いたりするときには、自分の考えを整理して、簡単な構成を組み立てることが本当に大事だと改めて感じました。でも、わかっていても、日本語だとつい口が先に動いちゃうこと、ありますよね……?
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