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会議の決まり文句「That’s all for me」では、なぜ「from」ではなく「for」と言うのか

会議などでよく聞く「That’s all for me.(私からは以上です)」という表現に違和感を感じたことはないですか?
私が初めてこのフレーズを聞いたのは、マネージャーたちとのミーティングでした。なんでここで “for” が使われてるの? そこは “from” じゃないの? と思いました。というのも、学校の授業で「for は矢印の先が何(誰)なのか」「from は矢印のこちら側が何(誰)なのか」と、習ったからです。この認識は間違っていません。しかし、 ”for” には “from” のような働きをする、例外的な使い方が存在したのです。

“for” と “from” の基本的な使い方

例外的な使い方を解説する前に、それぞれの基本的な意味をおさらいします。辞書によるとこうです。

【for】
…のために、…にとって、…あての、…へ向かって など

https://ejje.weblio.jp/content/for
for のイメージ図

【from】
…から、…から(見ると)、…から(離れて)、…から(離して) など

https://ejje.weblio.jp/content/from
from のイメージ図

これは私の認識と完全に一致します。みなさんの多くもそうじゃないでしょうか? ますます、「That’s all for me」でなぜ ”for” が使われているのか、謎が深まります。

なんでそこで “for” が使われるの? 大きくなった疑問をぶつけてみた

会議で何度も耳にするうちに、「きっとこういう場面では “for” を使うのが自然なんだな」と思うようになりました。でも頭でっかちの大人な私は、どうも納得がいきません。自分の中で大きくなった「なんで “from” じゃなくて “for” を使うの?」という疑問を解消するために、マネージャーの1人に聞いてみました。

「That’s all for me.」って言ってるけど、どうして “for” を使うの? ここは “from” じゃないの? 学校では、”for” は「誰(何)に」、”from” は「誰(何)から」って習ったんだけど……

すると、こんな返事が返ってきました

So the meaning of "That's all for me" is I'm done speaking or done giving a presentation.
                                       
"That's all from me" means I have nothing else to give. So the situation is, I gave some clothes or food to someone who needs it like a donation. And then when I have given all that I can give, I'd say, "That's all from me or us."
                                       
So in short,
That's all for me means "I have nothing more to SAY."
That's all from me means "I have nothing more to GIVE."

「That’s all for me.」は、「私の話は以上です」または「プレゼンを終わります」という意味です。
                                       
対して「That's all from me.」は、「私からあげるものがない」という意味です。この状況では、寄付など、それを必要としている人に服や食べ物をあげることを言います。自分が与えられるものをすべて与えたら、「That's all from me or us.」と言います。
                                       
つまり、
「That’s all for me.」は「これ以上言うことはない(この場合はアイデアや情報など)」
「That’s all from me.」は「これ以上あげるものはない(この場合は物質的な物)」
ということになります。

すごい! めちゃくちゃわかりやすい! 今年1番スッキリした瞬間でした。

ただしこれは例外的な使い方で、基本的な使い方は最初に述べたように「for = 矢印の先が何(誰)か」「from = 矢印のこちら側が何(誰)か」とのことです。

ほかにも例外的な使い方はあるの?

ほかにも例外的な使い方があるのか聞いてみましたが、すぐには思い浮かばないそうです。そのくらい、「That’s all for me」の “for” の使い方は特別らしいです。

でも、このフレーズは本当によく聞くので、今後どこかで耳にすることがあると思います。そのときは「あ、あの note 記事のやつだ!」と思い出してくれると嬉しいです。

これ以外にも言語には、さまざまな例外があります。新しい言語を学習しようとすると、文法書などで基本的なルール(使い方)から学ぶことが多いと思います。もちろん、そのやり方は間違いではないです。でも文法書ばかりやっていると、例外的な使い方や自然な表現にはなかなか出合えません。そういうものは、ネイティブ向けのコンテンツ(洋書や海外ドラマ)や、英語でのミーティングなど実践の場で出合うことがほとんどです。
なので、中学校で習う英文法と仮定法の学習(または復習)を一通り終えたら、文法書は一旦横に置いて、ぜひ洋書や海外ドラマなどで、生の英語にたくさん触れてください。すると、文法書や教科書には出てこなかった、新しいフレーズや使い方に出合うことができます!

おまけ 〜自分の中でまとまっていないと日本語でも伝わらない〜

ちなみに、マネージャーに質問する前に、同じことを代表の松井にも聞いていました(もちろん日本語で)。でも、考えがまとまっていない状態で話し始めてしまい、結局何が言いたいのか自分でもわからなくなってしまいました。当然松井には、私の訊きたいことが1ミリも伝わらず、困った顔で「あー、”for” を使う場面もあるよね……」と返されてしまいました。本当はそれを使い分ける理由が知りたかったのですが、そのときは叶わず……

それで、マネージャーに聞いてみることにしたんです。このときは、①聞きたいことを明確にすることと、②文章を簡潔にまとめることを意識して、メッセージを作成しました。そのおかげで、一発で質問を理解してもらえました。

どの言語でも、話したり書いたりするときには、自分の考えを整理して、簡単な構成を組み立てることが本当に大事だと改めて感じました。でも、わかっていても、日本語だとつい口が先に動いちゃうこと、ありますよね……?

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