見出し画像

三笘ブレイクでブライトンに興味を持ったあなたに贈る、ブライトン選手名鑑(2023冬版)

はじめに

こんにちは。じらをと申します。
W杯によって三笘選手が国民的にブレイクし、僕の周囲でも三笘ファンが増加しました。
ブライトンファンである僕にとっては、もともと日本のブライトンファンは少なかったこともあり、Twitter上でも三笘フィーバーの影響を大きく感じています。
僕も三笘選手が好きなので、興味を持ってくれたことがとても嬉しいです。

常々Twitterでは言っていますが、三笘選手にとって現在所属するブライトンは最高の環境だと考えています。
そこで、一緒にサッカーをするブライトンの選手の特徴を知ってもらう事で、三笘選手以外の楽しみも増えるのではないかと思い、僕なりの主観となってしまいますが選手名鑑を作成しようと思いました。

突き詰めると、「三笘選手に興味を持ち始めた方がブライトンのサッカーにも魅了されて欲しい!」という僕のエゴなのですが、もし「世界一知名度と強さが比例していないサッカーチーム選手権」があったらブライトンは相当上位に来ると思っていて、単純にサッカーを好きになる上でおすすめするチームとしても結構いいチームなはずだ!という自負もあります。
これからもどんどん強くなっていくであろう、成長過程にあるブライトン。そこにいる個性豊かな選手達の楽しさを一緒に分かち合えたら幸せです。

今回は基本的な情報のほかに、選手メモとしてそれぞれの選手の特徴を表す一言メモもつけてみました。
長いからざっと見たいという方はこちらだけでも見てください!
あと、ブライトンのスカウティング能力・育成力が分かるかと思うので、獲得時の移籍金と現在価値も載せておきます。
(ただし、選手の価値は年々高騰しているので、値上がり=ブライトンの手柄とも言い切れません。ご参考までに。)

※今季出場している選手を基本に紹介しています。
レンタルで修行中の選手で期待している選手もいますが、ちょっとマニアックすぎるので、今回はやめておきます。(コズロウスキとか、アディングラとか良い選手いるので、それは来夏以降のお楽しみに!)


ゴールキーパー編

ロベルト・サンチェス

選手特徴:「足技完備の現代型GK」
年齢:25歳
ブライトン歴:9年
獲得費用:0ユーロ
現在価値:3,200万ユーロ(だいたい45億円)
前所属:レバンテ(スペイン)
 ※16歳からブライトンなので、ほぼ生え抜き

足技に優れており、昨シーズンはプレミアリーグのゴールキーパーで最多のパス数を記録するなど、ゴール前でシュートを止めるだけでなく、自らもパスを駆使してチームに貢献する現代型ゴールキーパーの資質が非常に高い。
(現代サッカーは自陣で待ち構える守備よりも敵デイフェンダーを追い回す事でプレーの選択肢を奪う傾向が強まっているため、ゴールキーパーもパス回しに参加する事で人数有利を保つ事が多いです。)
またシュートストップもレベルが高く、セーブ率もいつも上位。
弱点は飛び込む際、PKを与えることが多く、負けん気の強さが出すぎてしまう点と、PKストップが苦手。(今シーズン1回止めたけど、それ以前は多分1度も止めてない。記憶違いだったらすみません。)

先日のサウザンプトン戦ではイエローカード1枚をもらっている状況で相手選手に食ってかかり、我らがキャプテンのダンクにキレられていた。
その試合ではイライラが収まらなかったのか、ダンクに怒られてしゅんとしたのか、その後のプレーも崩れかけた。
とはいえ現時点でもリーグの中で結構いいキーパーではある。
しかし、レギュラーに定着してもう3年目、そろそろ次の段階を目指す上でもチームの中核としての自覚を持ち、メンタル面の成長を期待したい。

スペイン代表では同い年のレギュラー、ウナイシモンと一生ライバル関係になりそう。
足技重視ならサンチェスがレギュラーでもおかしくないが、セービング能力が最近特に伸びているブレントフォードのラヤもおり、みんな横並びという印象。頭抜けて欲しい。

ジェイソン・スティール

選手特徴:足技やりたがり度はサンチェスを凌ぐ、任せて安心スティールおじさん
年齢:32歳
ブライトン歴:4年
獲得費用:0ユーロ(フリー移籍)
現在価値:60万ユーロ(だいたい8,400万円)
前所属:サンダーランド(イングランド)

基本的にはサンチェスがメインゴールキーパーとしてほぼ全試合の出場となると思うが、カップ戦など一部試合やサンチェスの怪我時には出てくるおじさん。
足技も下手ではないが、特筆すべきはサンチェスよりもリスキーなプレー選択をする点。
自分が持ったまま相手をかわしたり、際どい所にパスをつけたりもするので冷や冷やする。
しかし、大きな失敗はないので、結果として2ndゴールキーパーとしては満足できるクオリティを示し続ける。
1st・2nd共に足技系のキーパーで揃えるのは現実的に結構難しいので、どちらが先発してもやるサッカーを大きく変えなくていいというメリットを提供してくれる。
先日のFAカップのミドルスブラ戦では、シーズン初ゴールを決めたウンダヴを祝いに自陣ゴールからダッシュで駆けつけるなど、チームプレーヤーとして素晴らしい一面もある。
あと先日行われた契約延長時のコメントが泣けた。
デゼルビのサッカーで自分は生きていると実感できる、ピッチの上では20歳の若者のように楽しめるんだ的な事言ってた。ポエム能力高すぎる。

試合中見ていると、「大丈夫!?」と思う場面もあるが意外と大崩れしないベテランの味。

DF編

ルイス・ダンク

選手特徴:目を疑う鈍足以外はほぼ完璧なキャプテン。
年齢:31歳
ブライトン歴:20年
獲得費用:0ユーロ
現在価値:1,800万ユーロ(だいたい25億円)
前所属:地元出身&生え抜きのカモメofカモメ

(一番好きな選手なので、熱量が上がることを事前にお詫びします。)
ブライトンの屋台骨・大黒柱。
プレー面ではラストディフェンダーとして、味方のカバーやシュートをスライディングでブロックするのが得意。
背だけ高くて足元が下手な、いわゆる「電柱系CB」に分類されがちだが、意外とパス能力は高く、長短のパス精度とパスの出し先の判断能力は高い。
敵のロングボールなどをバックヘッドや胸トラップでキーパーにパスする能力が異常に高く、他の選手があまりやらない事もあって、観ていると「おぉ。」と声が出てしまう事も結構ある。
また、コーナーキックなどのセットプレー時、上がった後にカウンターを食らわなくても全力疾走で帰陣する姿は恒例となっており、ダンクの代名詞とも言える「らしい」プレーだと言える。
鈍足を自覚しているからこそ、判断が早くサボらない、
ハードには行くがダーティーではない。
選手の模範として、人格者としてチームを引っ張っている。
(あふれ出そうな文字数を強い理性で抑えて、このぐらいでダンクの紹介を我慢しておきます)

熱くなって審判に詰め寄る味方を抑えて遠ざけ、自分が代表して審判と話すなど、
チームのために熱くなりつつも冷静さを失わない頼れるキャプテン。

アダム・ウェブスター

選手特徴:空中戦の王者&意外にうまい持ち運び
年齢:29歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:2,222万ユーロ(だいたい31億円)
現在価値:2,200万ユーロ(だいたい30.8億円)
前所属:ブリストル(イングランド)

ダンクと並んでチーム最高身長クラス(ダンクは192cm、ウェブスターは191cm)で空中戦にめっぽう強いセンターバック。
守備時だけでなくコーナーキックなどで競り勝つ事も多く、ブライトンの守備を長く支えてきた功労者。
その長身から鈍足と思われがちだが、意外とボールを持ち運ぶキャリー力に優れており、ダンクが引き付けた敵FWの脇を抜けて持ち運ぶのが上手い。
後ほど触れるコルウィルやヘッケとレギュラー争いの真っただ中におり、ここ数年安泰だったレギュラーが脅かされている。
得意の持ち運びも、デゼルビ下では優先順位の高いプレーとされていない事も逆風となっている。
コルウィルよりもダンクにスキルセットが近いのだが、よりビルドアップに貢献度の高いコルウィルに出場機会が多くなるのは仕方のない所でもある。
決して悪い選手ではないし、信頼は出来る選手なのだが…
ダンクやコルウィルの負傷時など、それでも出番は多いと思うが、その際の人選はウェブスターかヘッケか、意外と注目かもしれない。
ちゃんと計算の立つ素晴らしい中堅選手。

ダンクの相方に求めるものが変わり、本人にとっては苦しい時期かもしれないが、
出番になったら100%を出してくれると思う。さらなる成長を期待したい。

ヤン・ポール・ファン・ヘッケ

選手特徴:ブレイク寸前!?ポテンシャル高めな若手センターバック
年齢:22歳
ブライトン歴:3年(去年一昨年は別クラブにローン移籍していたので、ブライトンは初年)
獲得費用:200万ユーロ(だいたい2.8億円)
現在価値:500万ユーロ(だいたい7億円)
前所属:NACブレダ(オランダ)

FA杯のミドルスブラ戦で初めて今季ちゃんとまともに出たオランダのセンターバック。とはいえ、昨シーズンでは一つ下のリーグでチームMVPを獲得するなど期待値は高く、ディフェンダーに似つかわしくないターンの速さや持ち出しの思い切りの良さを持っている。
ミドルスブラ戦では結構良かったと感じているので、継続して起用して欲しいところだが、継続して使われていないのには理由もあると思うので、その辺はプレイタイムが増えるにつれて明らかになるのかもしれない。
チーム事情的には、コルウィルに並ぶようなパフォーマンス・戦術理解を持ってくれるとありがたいのだが、ちょっと今後について未知数。
割と器用なタイプだと感じてはいるのだが、プレータイムが短いのでなかなか将来予想がしづらい。
コルウィルが買えない場合はウェブスターとスタメンを争う事になるかもしれない。
いずれにしても22歳にしては落ち着いていて、大きなポテンシャルがある選手だと感じている。

持っている能力は高いので、今後には期待できる。
まずはカップ戦で信頼を得るところからスタートかもしれない。

レヴィ・コルウィル

選手特徴:パス能力が高く、「ゲームを作れる」現代型CBの超有望株
年齢:19歳
ブライトン歴:0年(ローンでチェルシーから借りているため、今シーズン末には返却の必要あり)
獲得費用:レンタルのため獲得していない
現在価値:1,000万ユーロ(だいたい14億円)
前所属:なし(9歳以下のカテゴリーからずっとチェルシー)

イングランド代表に各カテゴリで所属してきたような有望株がデゼルビによって更に進化。W杯の中断明け以降からウェブスターの怪我に伴い出場すると、ビルドアップの中核を担っている。
ダンクには無いスピードを生かした持ち出しや、パススピードの速さを生かして長短のパスを織り交ぜながら、デゼルビサッカーの始点になっている。
W杯の中断期間でデゼルビの戦術をインストール出来たのが大きかったと思う。
今後はコルウィルからボランチへの配球を基本としつつ、そこをケアしようとした敵の裏をかく、三笘への直パスが増えると予想。
サッカーの進化の中で、センターバックは守備能力は当たり前、プラスとして攻撃にどれだけ貢献できるかが大事な時代になってきているが、そんな変化に必要な能力を持ち合わせたモダンな選手。
デゼルビサッカーの戦術適応の速さ、先日のリバプール戦でのサラーへの対応を見てもサッカーIQも相当あると思う。
※追記 筋肉系の怪我で1か月近く離脱…悲しい…

全体的な能力が高く、まさに現代型のディフェンダー。
正直完全移籍で買い取れるのであれば最高なのだが…売ってくれないだろうな泣

ジョエル・フェルトマン

選手特徴:ディフェンシブで目立たないが仕事は確かなイケおじ
年齢:31歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:100万ユーロ(だいたい1.4億円)
現在価値:1,000万ユーロ(だいたい14億円)
前所属:アヤックス(オランダ)

3年前、当時現役のオランダ代表がなぜか格安で来てくれるという事件が発生。それ以来、
「3バックの右やって」→「らじゃ」
「4バックの右サイドバックやって」→「らじゃ」
「ちょっと怪我人多いからセンターバックやって」→「らじゃ」
と守備系のタスクならある程度なんでも受け入れ、きっちりとした仕事でブライトンの守備を安定化させてきた。
1対1で負けそうになると安易にファールをする癖はあるが、W杯後にはその中断期間で身につけたと思われる偽サイドバック(マイボール時にサイドバックが上がらずに中に入る事でミッドフィルダーのように動くこと)ムーブも披露し始め、筆者の度肝を抜いた。
若い選手が多いブライトンだが、一方こういった器用で状況対応がうまく、周りを活かせるオトナも多いところもすごく好き。
あとプレーやベンチでの行動などを見ているとホントに真面目で良い人だなぁとつくづく思う。こういう選手がチームに与える価値って大きいと思う。

決して花形ではないが、シーズンを通した貢献度で見ると決して軽視できない選手。
いないと困る選手。

ペルヴィス・エストゥピニャン

選手特徴:三笘とのコンビが驚異的で無尽蔵に飛び出せるスタミナお化け
年齢:25歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:1,780万ユーロ(だいたい25億円)
現在価値:2,000万ユーロ(だいたい28億円)
前所属:ヴィジャレアル(スペイン)

昨季チーム内MVPだった左サイドバックのククレジャがチェルシーに行き、代わりに来た選手。
しかし、予想をはるかに上回る貢献度で瞬く間にファンからククレジャロスを取り払ってくれた。(なんなら差額の4000万ユーロのプラスと考えると大きく得をした。)
ククレジャよりも足が速く、前に出ていく頻度と速さは圧巻のものがある。三笘が敵DFに突っかけている最中に追い越す動きはどんどん完成度を上げており、約半年でブライトンは左サイドのこの二人から崩していくチームになりつつある。
三笘を活かすのもうまく、三笘に活かされるのもうまいという、まさに女房役になりつつある。
練習動画などではすごく陽気な性格っぽく、超陽キャのエストゥピニャン・クールな三笘という水と油のような二人が、とりわけサッカーになると相性抜群なのは面白い。

時々自由奔放な動きもあるが、それも三笘への信頼が増すにつれて減ってきているように思う。
まだまだ急造コンビといえる期間でこのパフォーマンスなのだから、活躍はまだまだ続くだろう。

タリク・ランプティ

選手特徴:ブライトン快速部門筆頭の爆速サイドアタッカー
年齢:22歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:120万ユーロ(だいたい1.7億円)
現在価値:1,500万ユーロ(だいたい21億円)
前所属:チェルシー(イングランド)

163cmという身長、溢れるようなぷりんとした唇。とにかくかわいい。
主戦場は右サイドで、テレビで見ていても明らかに周囲と一線を画す驚異的なスピードに驚くことが度々ある。
W杯直前には、複数持っていた国籍を使い、ガーナ代表に電撃加入。
W杯本大会への出場を果たした。
サイドなら左右割と選ばずどこのポジションでもプレイでき、守備よりも攻撃、とりわけドリブル突破に強みを持っている。

今後の課題はデゼルビサッカーへの適応。
浅い位置で無理にドリブル突破を狙ってボールロストする場面や、周囲と連動しきれていない感覚的な立ち位置などの改善を期待したい。
個人的には快速は守備でも強みになると思っていて、先日のアーセナル戦ではマルティネッリ相手にスピードで負けない強みを活かしてエースキラーになれていた。
もっとそれを重視して、相手の強みを消せるようになれば、かなり評価が変わるポテンシャルがある選手だと信じている。

※追記 現在レンタルを含めて移籍報道が複数から出ている。ランプティファンには申し訳ないし、個人的にも寂しいのだが、攻撃で違いをそこまで作れない上に守備は安心して任せられない現状はデゼルビも使いどころに悩むのが実情だと思う。

カラバオカップのアーセナル戦ではトドメの3点目を決め、
ウェルベックに抱き上げられるというライオンキングのような1シーンに。

MF編

モイセス・カイセド

選手特徴:世界を代表する選手に手をかけている最有力若手。21歳なのに超万能選手。
年齢:21歳
ブライトン歴:2年
獲得費用:500万ユーロ(だいたい7億円)
現在価値:3,800万ユーロ(だいたい53億円)
前所属:インデペンディエンテ(エクアドル)

そこ届くの!?と、遠い所でも足を伸ばし奪いきる。
そこから足出すの!?と、無理な体勢でも奪いきる。
なんでいるの!?と、危険な場所のカバーが出来る。
21歳、インタビューでは無邪気という言葉がぴったり合うような、あどけない少年は、守備においてはすでにリーグを代表する選手になっていると思う。
更に恐ろしいのが攻撃性能もかなりのものがあり、加えてサッカーIQも高い。
ブライトンではCB2-ボランチ2の四角形でビルドアップをするのだが、CBからのクサビのパスをダイレクトで展開する役割を担う事が多い。
守備に特徴があるミッドフィルダーはその分テクニックが苦手というパターンも多いのだが、カイセドは技術的にも戦術理解的にも自分が穴になることがなく、攻守両局面で貢献し続ける。
名が売れてきた頃のカンテに印象が近いのだが、当時のカンテよりもはるかに攻撃性能も高いという印象。
このままどこまでの選手になるのか、ちょっと想像もつかない。
世界ベストイレブンなどを取っても全く驚かない。
プレミアの上位クラブすべてが欲しがる人材といっても過言ではない状況になってきており、ブライトンで見られるのは今だけかもしれない。
ただし、今はエクアドルフレンズやすでに信頼している様子の三笘など、ブライトンのサッカーを楽しんではいるようだ。

1年と経たずにプレミア中が欲しがる人材になった。今のカイセドを見ているのは非常に幸運かもしれない。代理人を変更したという事もあり、移籍を考えていないとは言えないだろう。
ブライトンに終生いる選手では、残念ながらないだろう。

アレクシス・マカリスター(マックアリスター)

選手特徴:カイセドに並ぶブライトンの出世頭。W杯優勝の立役者。
年齢:24歳
ブライトン歴:4年
獲得費用:800万ユーロ(だいたい11億円)
現在価値:4,200万ユーロ(だいたい59億円)
前所属:アルヘンティノス(アルゼンチン)

ブライトン加入後、大きく2段階の成長を果たしている選手。
最初は守備強度の低いテクニシャンだったが、守備的ミッドフィルダーにコンバートされると守備強度が上がり、持ち前のゲームメイク力が活かされるようになると、今期前半戦では中核として活躍。(成長その1)
その活躍により、W杯直前にアルゼンチン代表にメンバー入りした。
W杯ではマカリスターがスタメンに置かれた2戦目以降、無敗でそのまま優勝。マカリスターが優勝チームのラストピースになった。
アルゼンチンの優勝にマカリスターが果たした役割は大きいと思う。実際マカリスター以外の選手は結構プレイスタイルに特徴がある選手が多く、マカリスターが全体のバランスを考慮しながら、時には守備的に、時には攻撃的に調整をしていたと思っている。
さらに驚くべきはW杯中断明け。攻撃的MFとして途中出場した2戦ではいちいち全てのポジショニングが効いており、静かに急所を突き続ける恐ろしい成長を遂げていた。(成長その2)
結果として、ブライトンの守備的MFも攻撃的MFも両方柔軟に対応できる選手として成長。役割・状況・時間を考慮しながらプレーを選択するような狡猾な選手になってきている。
先日のリヴァプール戦、カイセドの負傷を見て、2-2のダイレクトパス役を応急処置的に代役していたのは彼の能力の高さを示している。

彼もブライトンでいつまで見られるか分からないが、W杯直前に契約更新をした点を見るとW杯で名を挙げて移籍するんだ!という考えでなかったことは言い切れるため、最速でも今夏の移籍になると思う。

ボール扱いが上手いという意味もあるが、もっと本質的に「周囲の状況を把握して最善の場所にいる」という意味でサッカーが上手い。シャイボーイらしいので、ここからさらに本領発揮の可能性もあり、どんどん自分らしく成長していきそう。

パスカル・グロス

選手特徴:身体能力を有り余るサッカーIQでカバーする超器用おじ
年齢:31歳
ブライトン歴:6年
獲得費用:300万ユーロ(だいたい4.2億円)
現在価値:800万ユーロ(だいたい11億円)
前所属:インゴルシュタット(ドイツ)

足は遅い、フィジカルも強くない。
でも彼には正確なキックと豊富な運動量、サッカーIQがあった。
中盤ならどこでも出来る上にサイドバックとしても出場するなど、チーム事情で空いたポジションを埋める器用さを持っている。
シュートフェイントやパスフェイントをして逆にターンをすることが多く、もはや代名詞となっている。そのためスタジアムではグロスがそのターンをすると歓声が上がる。
セットプレーで多くの場合でキッカーを務め、正確なキックでもチームに貢献する。(意外とブライトンはセットプレーから点が取れないのだが…)
戦術理解度が極めて高く、デゼルビのサッカーにもすぐに対応。
走行距離はチーム1で、献身的に前へプレスを掛けたりゴール前に飛び出したりするプレーが得意。
グロスには失礼だが、「究極の凡人」のような選手。
天性で持って生まれた才能だけならもっと他にいい選手はたくさんいるだろうが、誰でも工夫や努力でここまでこれると自らのプレーで体現しているような選手。
サッカーをやっている人は彼のポジショニングと判断力をぜひ勉強して欲しいと思う。
ピッチ上でよく周囲に声を掛けている姿も印象的で、ララーナのようにチーム全体を引っ張る存在になっている。
特にマーチとグロスは長い時間一緒にやっているからなのか、お互い阿吽の呼吸のように良いコンビネーションを見せていく。
アスリート度は低いが、プロフェッショナル度は高いという、ある意味超カッコいい選手だと思う。

調子や、試合ごとの役割の違いなんかまるで何も無いかのようにいつも活躍してくれる。
ブライトン歴が増えるほど評価が上がる選手だと思う。

アダム・ララーナ

選手特徴:ピッチ内の将軍として君臨するワイルド系イケおじ
年齢:34歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:0ユーロ(フリー移籍)
現在価値:150万ユーロ(だいたい2.1億円)
前所属:リヴァプール(イングランド)

元イングランド代表・ヨーロッパ王者・プレミアリーグ優勝と、リヴァプールの黄金時代(今ももちろん強いけど)を支えたベテラン。
高いテクニックを持ちつつ、ララーナが抜群の立ち位置にいることで敵を引き付けたりするなど、さすがの戦術眼。ララーナがいるといないとでは全体のボール回しが変わるほどの影響力を持っている。
リヴァプールから移籍をして、キャリアの下り坂に差し掛かったかと誰もが思っただろうが、デゼルビに変わった今年は第二の春と言っても良いほど輝きが増していて、現状攻撃的ミッドフィルダーのファーストチョイスはララーナだと思う。
ピッチ上では常に誰かに声を掛け、味方を鼓舞する姿が印象的。
デゼルビ体制になって早々に監督への信頼を口にするなど、サッカー観が合う様子。
リヴァプール同様、こちらからどんどん仕掛けて制圧していくロジカルなサッカーが好きなのだろう。
あまり語られないが、ここまでのデゼルビブライトンの好調には、監督に共鳴しているピッチ上の監督がいるというのは特別大きいと思う。

おとなしくクールにしがちな若いチームにおいて、戦う姿勢を示す姿はチームの完成度を引き上げている。あと絶対監督向いていると思う。監督としてのキャリアも楽しみ。

ビリー・ギルモア

選手特徴:足元まじうま天才児
年齢:21歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:1,200ユーロ(だいたい16億円)
現在価値:1,200万ユーロ(だいたい16億円)
前所属:チェルシー(イングランド)

今シーズン開始直前にひょいっと獲得できたチェルシーの有望株。
体格・フィジカル的に恵まれているわけではないが、足元のテクニックは抜群。中盤の底で動き回りながらパスを繰り出し、自分もすぐにボールを受けに動き直し続ける。
いつもキビキビ動いていて、ボールもよく動いて、見ていて気持ちいいプレーヤー。
しかし、ここまで多くのプレータイムがもらえていないのには理由があり、僕の見立てでは、「ギルモアはボールを持っていないときの動き(オフザボール)が弱い」と感じている。
常に動き回りボールに多く触るのが本来の彼のプレースタイルなのだが、それ故にオンザボール(ボールに触れている時)の活躍で勝負してきた選手。
自分が司令塔となりボールに触れる時間が長ければ長いほど輝くタイプ。
ただし、一人の選手がボールに触っているのは90分のうち3分程度と言われるように、サッカーはボールに触れていない時間が大半になる。
レギュラークラスのララーナやマカリスター、グロスは自分がボールを持っていなくても敵を引き付けたり、マークを迷わせたり、スペースを生んだりとゲームに存分に関われており、ここがギルモアの課題だと思う。
才能は間違いない。デゼルビの指導が身についてくれば一番化ける選手ではないかと思っている。

個人的な意見ではこういった課題は、変わりにくい人間性や性格とは少し違うため、変わっていける可能性が高いと思っている。自分の能力の活かし方や、ゲームへの関与の仕方が分かってくればその才能は一気に輝くと思う。

ソロモン・マーチ

選手特徴:ブライトンの躍進を3部から支えてきた苦労人サイドアタッカー
年齢:28歳
ブライトン歴:10年
獲得費用:5,000ユーロ(だいたい70万円)
現在価値:1,200万ユーロ(だいたい16億円)
前所属:ルイスFCユース(イングランド)

ソリーは愛称で、本名はソロモン。
ブライトンのトップチーム経験では、ダンクと同期の10年目。
当時は3部リーグのクラブで、トニーブルームのオーナー就任から始まった、プレミア目指そうプロジェクトの3年目に加入した若者だった。
今のマーチを見たら誰も信じてくれないかもしれないが、本職は左サイドハーフ。
一昨年くらいまでは右サイドハーフは非常事態の際にやる程度しかやっていない。
サイドバックなどもやるし、中盤センターハーフもやっている。
彼の特徴はドリブルだが、三笘のように抜き去るドリブルというよりは相手の逆を突きながらパスやシュートを狙っていくタイプ。
「正対」と言うが、相手DF正面に体を向けた状態でプレーをするのが非常にうまく、相手に的を絞らせないのがうまい。
(余談:正対する事で、プレーの行き先が読みにくく、こちらが選べるプレーの角度が広くなるというメリットがある。例:敵からしたら、自分の左側を向いた場合、右側へのプレーはほぼ無いから追い込みやすい)
3部リーグにいた選手なのにも関わらず、今季だけでこれまでのキャリアのすべてのゴール数と同じくらいの活躍をしている。
そのため、古くからのブライトンファンは、マーチの得点が入った瞬間に喜びつつも、マジかよ!?と驚いてもいる。
そもそも3部の選手がここまでブライトンを引き上げ、自分自身も何度もレギュラーの地位を奪われそうになりながらその度に復活し、進化をして期待に応えている。エモすぎるだろ。

昔は忘れたころにミドルシュートを突き刺し、マーチ砲きたー!!!みたいな選手だった。
基本ポジションが右に変わったのに、それがキャリア最高のパフォーマンス。
本人の人間性の素晴らしさを物語ってる。

ジェレミー・サルミエント

選手特徴:エクアドル組の中では意外に最年少。足技が華麗なアタッカー。
年齢:20歳
ブライトン歴:2年
獲得費用:不明(ほぼ無料ではあると思う)
現在価値:300万ユーロ(だいたい4.1億円)
前所属:ベンフィカユース(ポルトガル)

エクアドル組は普段の姿を見るとカイセドが最年少に見えるのだが、実はサルミエントが最年少。
スペインのマドリード生まれでその後にイングランドに移住しているためエクアドル代表でありながら実生活のベースはヨーロッパ圏で育ってきている。
ブライトンには珍しくボールをこねるタイプで、跨いだり足裏を使ったりして華のあるプレイが特徴。
攻撃的ミッドフィルダーとサイドアタッカーの両方をプレイできるが、ブライトンでは現在攻撃的ミッドフィルダーの交代要員としての出場が多い。
特に前を向いて勝負が出来る場面では積極的に仕掛けていくスタンスは好感が持てる。
デゼルビサッカーの中ではドリブルは左右のアタッカーに求められるスキルであり、中央はパス攻略の比重が高いため、その部分の適応はもう少し時間が掛かりそう。
三笘やマーチのサブとしてサイドから仕掛ける姿は想像できるし、そういった活躍を期待される場面は多そう。
現状は攻撃的ミッドフィルダーでララーナの優位は盤石だが、ララーナの怪我や離脱などに備えて牙を研いでおいて欲しい。
(追記)ララーナホントに怪我したので、牙研いでどころじゃなくて、今すぐやって欲しい…笑

良い感じにバッドボーイっ気のあるイケメンぶりに女性だけでなく男性も惚れるという噂。
プレー見てると自由奔放さはそこまで感じないので、根は真面目でいい奴なんだと思う。

ファクンド・ブオナノッテ

選手特徴:アルゼンチンの若手有望株。超期待の新人。
年齢:18歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:600万ユーロ(だいたい8.4億円)
現在価値:800万ユーロ(だいたい11.2億円)
前所属:ロサリオ・セントラル(アルゼンチン)

18歳ながらアルゼンチンリーグでレギュラーを務め、ちょうど今から開催するU-20 南米選手権でも主力として活躍を期待されている逸材。
ビッグクラブも注目する中、ブライトンは安めの移籍金で成立をさせたのも素晴らしい。
海外記事によると本人やクラブへの接触もブライトンが早く、ブオナノッテの両親などにも会っていたようなので、他クラブよりも見極めと初動の速さが功を奏したのだろう。
(※余談だが、ブライトンは三笘への接触も最速だったという。ブライトンすげぇ)
ポジションは攻撃的/守備的ミッドフィルダーをしつつ、右サイドのミッドフィルダーやウィングも出来る。
ブライトンのクラブ首脳はネクストマカリスターと期待しているようで、その期待の大きさからもポテンシャルが窺い知れる。
フルで試合はまだ見られていないのだが、ハイライトではプレーのスケールが大きく、個人的にはすごく期待している。
(追記)U‐20南米選手権では攻撃ミッドフィルダーとしてプレイしていたが、立ち位置をバシッと決めてボールを受けようとするタイプ。
立ち位置を判断する能力は高そうなので、期待度はさらに上がった。
ただ、その試合で怪我をしてしまい、南米選手権は出られないだろう。
しっかり治して、プレミアデビューを果たして欲しい。

U-20南米選手権では18歳ながらアルゼンチン代表の10番を背負う。
ボールキープしながら相手の逆を取るとか、ドリブルで仕掛けてヌルっと抜くとか、
相手の重心把握がすごく上手い印象。

アンドリュー・モラン

選手特徴:ユースあがりの期待枠、攻撃的なスキルが豊富なMF
年齢:19歳
ブライトン歴:2年
獲得費用:0万ユーロ
現在価値:30万ユーロ(だいたい4,200万円)
前所属:プレイワンダラーズ(アイルランド)

移籍した時は17歳、Uー19のチームにいたモランもU-21に昇格、その勢いのまま今期プレミア初出場を果たした。
テクニックをベースに相手の逆をつくドリブルやターンはララーナっぽくもあるが、プレイのクセはサルミエント寄りでドリブルを使うシーンも多め。
ただし、サルミエントとは違ってより直線的にドリブルをするタイプ。
守備的ミッドフィルダーも出来るが、強みはより前でのプレーだろうと思う。サイドも対応可。
ファーガソンと並んでアイルランドユース組の先頭を走る存在。
現在のスカウト部門の副責任者がアイルランドに強いらしく、最近でも2名の獲得が決まっており、彼らが数年後のカイセドやファーガソンになっていく可能性がある。
実際プレミアリーグ2でも12試合4ゴール6アシストと、かなり活躍している。
ジャニーズJr.を推すように、「あんなに大きくなって…」と親心のような気持ちになる事がお望みなら、推すのは今かもしれない。
今期モランのプレータイムが急激に伸びることはないかもしれないが、限られたプレータイムでプレミアに慣れるよう期待したい。

モランはチームメイトとの掛け合いとか、幼くてあどけなくてとてもいい。
素朴な感じが(本当かは別にして)サッカーしか興味ないサッカーバカっぽくて好感が持てる。

ヤシン・アヤリ

選手特徴:19歳にしてスウェーデンフル代表招集経験ありの新加入選手
年齢:19歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:600万ユーロ(だいたい8.5億円)
現在価値:400万ユーロ(だいたい5.6億円)
前所属:AIKソルナ(スウェーデン)

スウェーデンリーグではメガクラブのAIKからやってくる今冬獲得の選手。
後半戦にどのくらい出場するかは分からないが、個人的には面白い存在かなと思っている。
デゼルビ以降のスカウティング(選手獲得の興味やオファー)を見るに、推進力があって自らボールを運べる中盤の選手(ザッニオーロとかイガンインとか)を欲しがっている印象なのだが、アヤリもそういった選手の印象が強い。
持ち味は1枚、2枚と剥がせる持ち運びで、ボールキャリー力はかなりありそうな印象を受けている。
2‐2陣形でCB→ボランチが降りてパスもらってダイレクト(カイセドがよくやってる役割)のパスの受け手として、こういう選手がいると一気にカウンターのような状況になりやすいのだが、その中で帰陣を急ぐ敵に追いつかせないような速い持ち運びで戻り切らせないまま攻め切る展開を準備しているのかな?と思ったりする。
とはいえ、個人的には選手のハイライト動画で分かる事はあまり多くないと思っていて、あくまで暫定的な印象としてそんな選手かなーと想像している。
パスは精度とパススピード共にけっこう良い印象を受けたので、ハイライト動画の中では結構好印象。

AIKはスウェーデン国内ではメガクラブなので、そこで19歳ながらレギュラークラス、
加えてフル代表にもデビュー済みなので結構期待している。

カオル・ミトマ

選手特徴:未だ完封されたディフェンダーはゼロ。タイマン最強の特攻隊長
年齢:25歳
ブライトン歴:2年(1年はベルギーへのレンタル移籍)
獲得費用:300万ユーロ(だいたい4.2億円)
現在価値:850万ユーロ(だいたい12億円)
前所属:川崎フロンターレ(日本)

説明不要の突破力で、対面となる数々の右サイドバックの脳裏に恐怖を植え付ける、もはやリーグを代表するアタッカー。
彼より速いドリブラーは多くいるし、彼より上手い選手も多いと思う。
しかし、ボールを持っている際に行く/行かないの判断や、行き方の種類の多さや判断力がここまで正確で間違えないという選手はあまり記憶にない。
持っている能力や技術は当然素晴らしいのだが、その使い方や活かし方が彼の強烈な1対1性能に繋がっていると思う。
また、先日のレスター戦ではカットインから文句なしのスーパーゴラッソをあげ、「とりあえず縦を切っておけば痛い目には合わない」という対策すらやりにくくなった。
中を切って外を突破されるか、縦を切ってカットインされるか。
プレミア中の右SBが選べない2択を突き付けられている。

称賛については多くの人が挙げているので、このくらいに。
以下、個人的に感じる課題をいくつか記載しておく。
①もらう動きの質の向上
 高い位置にいて、降りながらパスをもらう場面がまだ多いと思う。
 一度下がると見せて、敵がついてくるなら裏に抜ける。ついてこないならパスを足元にもらって前向いて勝負という2択を迫る場面はもう少し増やせると思う。
②カットインシュートの精度向上
 レスター戦のゴールは本当に素晴らしいものだったが、一つ前の試合のリヴァプール戦でも似たような展開から撃っているが威力・コースともにあまり良くないものだった。
中行かせたらまずいと思わせるためにも、ディフェンダーの圧になるプレーを常時出せるくらいのプレー精度を身に着けて欲しい
③それでも個で対抗してくるラスボスの存在
ここまでで、大半のプレミア右SBには勝てると立証出来ているが、もう敵はいないと言い切れない部分もある。
マンチェスターシティのウォーカーがラスボスだと思うので、彼を切り刻んで欲しい。
ウォーカー抜いたらもう敵はいない。現状一番対抗していたのはベンホワイトだったと思うので、彼にも次戦でリベンジして格付けしてあげて欲しい。

3Mユーロと信じられないコスパで市場価値を上げ続ける、サプライズオブイヤーと言われても全くおかしくない活躍。ブライトンという強いチームの勝敗を背負う役割は、サブとしてビッククラブにいる事より、フットボーラーとして成長出来ると思っている。
移籍するならエースでビッククラブに行って欲しい。それが出来る選手だと思う。

FW編

ダニー・ウェルベック

選手特徴:幾度となくチームを救うゴールを決めてきた、プレミア経験豊富な頼れるベテラン。
年齢:32歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:0ユーロ(フリー移籍)
現在価値:800万ユーロ(だいたい11.2億円)
前所属:ワトフォード(イングランド)

マンチェスターUやアーセナルで主力として活躍した選手で、それぞれのチームでは主力として期待されたが、期待に応えきるという所までは出来ず退団してきた選手。
決して悪い選手ではないところに加えて、長年のプレミア経験を買って20‐21シーズンに加入。
当時のブライトンはポッター監督のもと、内容はポゼッション出来ているが得点力に悩んでおり、得点そのものを期待されて入った。
結局そのシーズンは最後10試合で5ゴールを奪い、ブライトンの残留の立役者となった。
年齢もあり全盛期のプレーをしているとは言えないが、逆に自分でいろいろやるという考えが薄まって、出来ることをきっちりやろうとしている印象。
クセだったサイドへ流れるプレーも減少し、中央でのチャンスメイクとシュートに役割を絞っている印象。
安定感のあるポストプレー(ゴールに背を向けて自分が起点になる動き)や、裏抜けの技術、空中戦の強さなどは今でも錆びていない。
今シーズンはほぼ唯一のFWとしていいプレーを続けていたが、W杯明けからファーガソンが台頭。リバプール戦ではファーガソンがスタメンを取って活躍すると今度はウェルベックは途中出場でゴールを決め、さっそく二人のライバル関係が良い意味でお互いを高めあってくれている。

怪我が多いこと、決定力があまり高くないのは残念だが、昔のウェルベックに比べて
自分が囮として味方を活かしたり、サポートする走り方は増加。
身体能力で押していく奔放なFWもずいぶん大人になった。

エヴァン・ファーガソン

選手特徴:下部組織でゴールを取りまくった怪物、遂にプレミア上陸
年齢:18歳
ブライトン歴:3年
獲得費用:0ユーロ(フリー移籍)
現在価値:100万ユーロ(だいたい1.4億円)
前所属:ボヘミアンズ(アイルランド)

昨年のプレミアリーグ2(21歳以下の若者が原則出場する下部組織同士のリーグ戦)では、17試合8ゴール。今期も開幕時は同様にプレミアリーグ2にいたが、5試合で6ゴール。その後トップチームに帯同し、ベンチ入りが増加。
正月のアーセナル戦では途中出場からゴールを奪い、以降はスタメンが増加。4試合で3ゴール2アシストと文句なしの結果を出している。
大柄な身体で正統派センターフォワード感があるが、実は幅広いスキルセットを持っている総合力の高い選手。
ゴール前でポストプレーを行う事もあれば降りてきてゲームメイクにも関与できる器用な選手。守備も献身的で現代型のフォワードという感じ。
総合力の高さで器用貧乏に見られるかもしれないが、特にパワーに関してはすでにアーセナルのサリバを倒したり、リヴァプールのコナテに安定感抜群のポストプレーで抑え込んだりと、すでにプレミアではっきりと通用することを示している。
ブオナノッテと同い年、カイセドサルミエント世代よりも下のネクストスターだと思っていたが、この選手は18歳ですでに主力としてプレーできるポテンシャルを証明している。

ファーガソンは見た目に似合わずオフザボール(ボール持ってないときのプレー)が良いと感じる。味方からのパスに準備が出来ている姿が印象的。このまま成長を続けると相当完成度の高い選手になりそう。

フリオ・エンシソ

選手特徴:チーム内でムードメーカー的存在のパラグアイ産ヤングスター
年齢:19歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:1,160万ユーロ(だいたい16.4億円)
現在価値:1,100万ユーロ(だいたい15.5億円)
前所属:クラブ・リベルタ・アスンシオン(パラグアイ)

今期加入した選手の中で、エストゥピニャンに次いで高額となった19歳。
ブライトンは1,000万ユーロを超えるような獲得費用を用意する事はほぼほぼ即戦力のケースなのだが、エンシソは数少ない例外となった。
パラグアイでは14試合11ゴールと非常に結果を出しており、その実績によって、若手獲得選手の中でも高額になったものと思われる。
キャラクターは人懐っこく、エストゥピニャン曰く「ずっと冗談を言っている」との事で、明るく過ごしているようだ。
プレー面では思い切りの良さといい意味で自分勝手にプレーできるメンタルは持っており、点取り屋としての本能や自信は感じられる。
一方で、プレミアのスピード感や激しさには苦労している印象で、ボールが来たら個で打開しようとしたり、とにかくシュートは撃つものの、そのプレーの水準は高くなく、期待感のあるプレーは未だ見せられていない。
個人的にはボールをもらいに寄ってくる上に、持ってからどうしようか考えている印象で、パラグアイリーグではそこから仕掛けてシュートまで行けた場面でもそうさせてもらえない事が多いのだと思う。
プレータイムは勝敗が決しつつある頃にわずかに使われるorファーガソン・ウェルベックに次ぐ3番手という感じかと思うが、ララーナはエンシソのスキルの高さを評価していると発言をしており、やはりポテンシャルはあるのだろうから、持ち前の明るさで順応するまで頑張ってほしい。

オリジナルゴールセレブレーションのポーズも持っている。
早く、そしてたくさん見せてもらうことを期待している。

デニス・ウンダヴ

選手特徴:適応に苦しむシュートの達人
年齢:26歳
ブライトン歴:初年
獲得費用:700万ユーロ(だいたい9.8億円)
現在価値:600万ユーロ(だいたい8.4億円)
前所属:ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ(ベルギー)

昨季、昇格組だったサンジロワーズをベルギーリーグ1位に導いた立役者。
得点力がすさまじく、リーグ戦33試合25ゴール10アシストと、ヨーロッパ全体で見ても突出した結果を残した。
リーグレベルの差はあれど、シュートの上手さは明らかに見て分かるほどで、ブライトンと同じオーナーだったサンジロワーズでの活躍を見るに筆者も獲得しないかなーと思っていたところに獲得してくれた。
しかし、今期はずっと満足なプレータイムをもらえず、中々活躍の場がない上に、出てもあまり印象的なプレーが出来ずに終わってしまっている。
そんな中でファーガソンの台頭などもあり、余計に居場所が少なくなってしまった。
先日のFAカップのミドルスブラ戦では終了間際にゴールを決めた後、シャツで顔を隠すように涙を流し、それにそっと寄り添うチームメイトたちの姿が印象的だった。
その日のゴールも敵を抜き切らずにゴール隅に正確に振り抜くウンダヴらしいゴールだった。
ベルギーからプレミアに挑戦するという意味では三笘も同様なのだが、三笘もインタビューではリーグレベルがかなり違うと言っており、プレミアのサッカーに馴染めていないのかもしれない。
レンタル移籍の噂もかなりの頻度で報道されており、この冬に別チームへの修行に出る可能性も多分にある。
ベルギー時代はもっと表情豊かだった印象なので、メンタル面で何かあったのかな?など気になっている。環境を変えて再起するのも賛成。

シュートスキルは本当に優秀だと思うので、自分らしさを取り戻せることを祈っている。
技術面なのか精神面なのかはたまた別の理由なのか、再起を待っていたい。

おわりに

ふと文字数を見ると18,000字を超えており、もはや誰も読まない主観まみれの妄想文になっていないか背筋が凍りますが、1人でも2人でもブライトンの選手達を見る際に参考になったり、知らない選手をここで見直してもらえるなら本当に嬉しいです。
また、選手達へのコメントの温度差や文量に差があるかもしれませんが、素人がコツコツと書き足していったものなので、どうかご容赦ください。
(自分でも日によってペンが進んだりそうでなかったりして後から書き足したりしています…)

ブライトンは育成中の選手も多く、プレー面だけでなく年齢や来歴、移籍金なども知っていた方が楽しい(覚えておく必要は無いですよ!)クラブだと思いますので、皆さんの作業を肩代わりして日本語で一覧化したのは意味があるかなと信じています笑

今後も古参とか新規とか関係なく、動機は何でもいいのでブライトンのサッカーを一緒に楽しんでいけたら嬉しいです。
では、2023‐2024シーズンの選手名鑑でお会いしましょう!
(やらないかもしれませんがw)
長文ご覧いただき、ありがとうございました。

※一応興味を持っていただいた方向けに、僕が以前に書いた記事一覧も貼っておきます。
こちらはブライトンというクラブの紹介や、一つ前の監督期の話がメインです。
https://note.com/brightonfc


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?