長野市の思い出②:ダイナマイト関西

 2018年の年末から2019年の秋にかけて、私は毎週のように権堂に飲みに行っていた。その中でも、入り浸っていたといっても過言ではないのは「ダイナマイト関西」という飲み屋だった。
 入り浸っていたというのは大げさな表現ではなく、金曜日と土曜日の2日、多い週末は1回行ったあとに別の店に行ってから同日にもう一度行っていた事もあった。
 飲み物も食べ物も手頃で、私は毎回、とりあえずメガジョッキのハイボール(メガハイボール)を1杯飲んでつまみを食べながら、最終的にはメガハイボール3杯を飲んで店を出るのを週末課としていた。

 ダイナマイト関西は兵庫県出身のマスターがやっている店で、プロ野球シーズンには、店にある2台のテレビで阪神戦が上映されていた。最初に行ったときは2018年のシーズン終了後だったと思う。当時の私は、職場のあれこれでプロ野球を見る余裕もなく疲れていただけれど、この店のお陰でプロ野球の楽しさに再度気付かされた。
 店の魅力は阪神戦が見れるというだけではなく、マスターの人柄とつまみの美味しさだった。特段毎回話しをするわけではなかったが、マスターの気さくな雰囲気と、そのための店のラフな感じの空気には、職場以外に誰も知り合いのいなかった私はとても助けられた。つまみは300円から500円とやすかったが、お好み焼きやからあげはボリューミーで、名物の明石焼きはその後何度か別のところでも食べたが、この店を超える味には会っていない。

 コロナ禍の外食自粛などで、今は店は閉じられてしまったようだ。マスターのFacebookの更新も数ヶ月止まってしまっていて、私にはいまどうなっているのか知りようもないけど、この店がなければ今の自分がどうなっていたかもわからないくらい、私にとっては大事なお店だった。


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