小林製薬の紅麹の問題から考える教訓~株式投資の観点も交えて~

今連日騒動になっている小林製薬さんの「紅麹」の健康被害問題…先日記者会見が開かれましたね。今回の事件で最も大きな被害を受けたのは当然健康被害を受けられた被害者の方ですが、当然企業イメージや株価にも大きなインパクトがあり、株主や従業員にも大きな影響を与えました。今回の事件の概要を簡単にまとめてみました。

- 2016年製造開始
- 2024年1月-2月、6人の症例を把握
- 2024年2月、調査を開始。健康被害はいずれも同じロットの原料使用であることが判明
- 2024年3月中旬以降、一部の製品・原料に想定外の化学物質混入が判明。自主回収、記者会見の実施

小林製薬は最初の症例報告から自主回収まで2月かかっており、結果として自主回収の範囲を拡大せざるを得なくなり、信用を大きく失墜させる事態となりました。今回、被害が拡大してしまった主原因を私なりに考察してみました。

・製造開始が2016年で問題が発覚した2024年まで18年間経っており、それまで特に健康被害が報告されていなかったので、今回の健康被害と商品との因果関係に懐疑的だった。(あくまで私の想像)

・今回の主要因物質が「本来想定していなかった成分」であり、調査に時間がかかった。

今回の小林製薬さんのように、「想定外」で健康被害を拡大させてしまったケースというのはいくつもあります。有名な例でいうと、カネボウの白斑被害や、さらに昔の例ですと、サリマイド薬害被害などが挙げられるかと思います。
これら想定外の健康被害を完全に防止する方法は残念ながらないかと思います。しかし、少しでもそのリスクを回避するために、臨床実験の期間を長くとるとか、品質試験で検査項目
を多めに設定しておくか、少しでも健康被害の可能性がでた時点で自主回収に踏み切るとか、リスク回避や健康被害拡大を防止する方法はいくつもあると思います。(もちろん、それをやりすぎるとコストが嵩み、売り上げが上がらないので難しいころではありますが…)

2024年から新NISAが始まり、株式投資をしている人も増えていて、決算書などのファンダメンタル分析をされる方も多いと思います。しかし、こういった不測の事態をどれだけ想定しているか、あるいは起こった時にどれだけ迅速かつ誠実に対応するかという、決算書の数字ではみえにくい部分も企業判断では重要かなと感じます。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。

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