梅本修央とHIPsの魅力に迫る
HIPsはヘルスケア領域専門プラットフォームや、医療&スポーツ指導者向け教育メディア「オンライン師匠」などの運営を行っている会社です。HIPs[ヒップス]はHealth&care Innovation Partnersの略称で、医療・予防健康業界における大殿筋(ヒップ)のような存在になるという意志が込められています。様々な専門職が集まり、知識・技術・ノウハウを融合していくことで、医療・介護業界に新たな「上昇気流/UPDRAFT」が作り出せるという考えを追求した結果、HIPsでは、優秀で個性あるスペシャリストの集団が日々活動しています。
今回はそんなHIPsの一員である梅本修央さんにお話を伺いました。
経歴
静岡県の大学に進学し、理学療法士の国家資格を取得。
県内の病院に就職し、理学療法士として様々な領域の患者さんのリハビリテーションに携わる。
社会人二年目のときに大学院に進学し、修士号を取得。
その後、院内での教育やセミナー活動を行う。
2021年に病院を退職し、2022年にHIPsのライセンスメンバーとして、静岡県浜松市で整体院~想和~を開業。
現在はセラピストとして静岡、大阪を拠点に活動中。
理学療法士を目指したきっかけ
文平:理学療法士を目指されたきっかけは何ですか?
梅本:理学療法士を目指したきっかけは、小学校のころから少林寺拳法をしていたことです。武道は柔道でも空手でも道徳的なところを大切にしていますよね。少林寺拳法にもそういうものがあって、自他共楽という言葉があります。小学校のころからずっとその言葉に触れてきて、なんとなくそういう生き方がしたいなという思いが漠然とありました。高校2年生の時に理学療法士という仕事を知って、人と関われるような仕事がいいな、自分に合うなと思い、気づいたらこの道にいました。
専門分野
文平:梅本さんは何を専門とされていますか?
梅本:最近は来る患者さんが多彩なのであまり専門という感じではやっていないですが、元々のルーツは足の問題や歩く動作です。病院の現場だと、歩く動作が不安定で転んでしまうような方が多いので、歩行に紐づく問題を深めてきました。
強み・こだわり
文平:ご自身の強みは何ですか。また、仕事をする上でのこだわりを教えてください。
梅本:治す技術はみんな高いので、それと比較して秀でてる場所ってあまり思いつかないですが。僕たちセラピストは手で患者さんを治す特殊な仕事ですよね。いろんな筋肉、骨、関節がある中で、その細かいところを触るという技術には自信があります。
静岡のお店で持っているこだわりは、治療という目的がありながらも、自分へのご褒美の時間であったりとか、日常から離れてリラックスしてもらえるような空間づくりです。
患者さんとのエピソード
文平:今まで出会った中で印象的だった患者さんとのエピソードはありますか?
梅本:病院時代で印象に残っているのは、脊髄小脳変性症とくも膜下出血の患者さんです。脊髄小脳変性症はすごく難しい病気で、病状自体はよくならないのですが、リハビリを経て、自分で歩けるようになって、元気に自宅へお帰りになりました。くも膜下出血の患者さんも初めは1人で座ることもままならなかったのですが、何も持たずに歩けるようになられました。この2人の患者さんは、僕の中では特にリハビリをしてあげてよかったなという患者さんで印象に残っています。今でも名前が思い出せるくらいです。
HIPsに入って一番最初の患者さんは中国人の20代の女性の方でした。その方は接客が好きでホテルのフロント業務をされていたのですが、膝が痛くて、フロントに立てなくなってしまった方でした。最終的に、施術を経て膝の痛みが良くなり、希望のホテルに再就職されました。
HIPsの強みでもあると思うのですが、膝が悪いから膝を診るというのではなく、身体全体を診て膝を悪くする原因にフォーカスして治療していくことが、このケースではできていたのだと思います。
静岡の患者さんは、ちょっとお年寄りメインになります。足が痛くて、百貨店に孫のプレゼントを買いに行けない患者さんがいたのですが、今ではアウトレットで2万歩歩いて孫と買い物しているそうです。
やっぱりそういうエピソードを聞くとよかったなと思います。
HIPsの魅力
文平:梅本さんが思うHIPsの一番の魅力は何ですか。
梅本:一番の魅力は人です。普通の組織よりちょっと暑苦しいメンバーが集まってて(笑)。お互いに高めあえる人間関係があるというのが僕たちにとっても、患者さんにとっても、HIPsの一番良いところだと思います。僕以外にも様々なバックグラウンドを持つ人が集まり、お互いに足りないところを補填しあっています。僕がHIPsに入らないで患者さんに施術を提供するよりも、より高みを目指しているHIPsの仲間と共に患者さんに施術を提供するほうが、提供できる価値が上がっていると思います。
HIPsの整体メンバーにはライセンスランクというものがあります。現在は3つのランクに分かれており、その中で1人で独立してHIPsメンバーとして活動できるのはパートナーというランクのみです。ライセンス昇格には合格率7%以下の試験があるため、実際に患者さんの施術を行うのは、経験を積み、自分の持つスキルを磨いてからになります。
この仕組みがあるからこそ、HIPs内の教育が行き渡り、患者さんにも安心して施術を受けていただけます。
若手はもちろん、僕自身ももっと力を付けたいと思っていますし、それが今後実現しうる組織だと確信しています。こんなに患者さんのことを考えている組織はそんなにありません。
文平:施術に関するHIPsの魅力も教えていただきたいです。
梅本:施術中のコミュニケーションを通して、症状に関して細かく聴取することだけでなく、表面的な課題の奥にある潜在課題を模索するということを問診では心がけています。HIPsでは表面的な症状の聴取にとどまらないように教育が徹底されているので、一時的な緩和ではなく、不調の根源を見つけることが可能です。
また、患者さん本人と共有しながら患者さん自身の身体の分析を進めています。例えば、あなたの重心はここに偏っていますね、と本人の認識とすり合わせたり、関節や筋肉の硬さを本人と一緒に確認しながら検査を行うことも多々あります。その中で、患者さん自身に自分の体の状態を知ってもらい、症状や身体の悩みを紐づけるような説明を展開するので、わかりやすいと言ってもらえることが多いです。
文平:HIPs独自の技術について教えてください。
梅本:古武術をベースにした体の使い方を徹底して練習し、ソフトなタッチで身体の奥の組織にアプローチできるのがHIPsの強みです。
また、HIPs独自の技術にBC理論というものがあります。
BC理論の強みは学問のチャネルの多さです。一般的なリハビリテーションでは、解剖や生理学などの基礎医学や戦争を機に発展した西洋医学が土台となっていますが、BC理論ではそれに加えて、動作動力学、認知科学、身体重心学、東洋医学など、様々な学問を統合して理論化されています。
そのため、様々な視点から、体の不調に対してアプローチすることができます。
今後のビジョン・目標
文平:今後のビジョンを教えてください。
梅本:僕は患者さんは当然ですが、セラピストにとっても道しるべであるような人間でありたいと思っています。
患者さんにとっても、ほんとによくなる場所が少ないとか、どこに行ったらいいのかわからないというような課題がありますし、セラピストの世界にも、働く環境や給料など様々な課題があります。
何か自分で始めたくても、治療の勉強しかしていないので、自分が望む未来を自分で描けないセラピストがたくさんいます。
そういう治療が大好きなセラピストたちの道しるべになって、そのセラピストの技術を患者さんに届けてあげられるような人間になりたいと思っています。それを実現するためにも、HIPsをもっと大きくしたいです。静岡含め東海圏にHIPsの店舗を増やして、人も増やして、そこのマネージャーとして患者さんに価値を届けていくような働き方をしていきたいですね。
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