霜降り牛について
獣医学生のつぶやき
但馬牛の「優良な」遺伝子を守るために近親交配が進み、死産や発育不良などの事例が増えているそうです。
但馬牛は霜降りの入りやすさや上質な脂から、その形質が大切にされているけど…
健康志向が進み赤身肉への注目が集まる中、
牛たちのQOL(生活の質)を下げてまで遺伝子保全に取り組む必要はあるのでしょうか?
余談ですが
霜降り肉を作るために、牛へのビタミンAの
給与を意図的に減らすこともしばしば。
ビタミンA欠乏症によって、目が悪くなる
「夜盲症」と呼ばれる病気も問題になっていると聞きました。
生産者の方々の思いや利潤ももちろん大切
なので、あくまで個人的な意見ですが
消費者の健康、動物福祉、食の安定供給の
面から考えると、
無理して遺伝子の保全を図ったり、ビタミンAを減らしたりしてまで霜降り牛を売り出す必要はないのではないかな…と、思います。
質の良い霜降り肉が海外で評価されていて、
これから世界に市場をどんどん広げていきたい!という気持ちも非常によくわかります。
ですが、その背景に近親交配やビタミンA欠乏症などがあると知った時、海外の消費者がどう
反応するのかは私もわかりません。
世界では、動物福祉の考え方が畜産分野にもどんどん浸透してきています。
日本においても、将来を見据え、生産者ならびに消費者の考え方の方向転換が求められているのではないでしょうか。
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