マイブック_2023年の記録_
“ 初日の出が見たい ”
車を走らす午前四時。
重たい瞼を擦りつつ支度する早朝の感触を覚え込みながらも、母と他愛のない話を交わすうちに、自ずと眠気が吹き飛んでくる。
きっと、またとない体験による高揚感からだろう。
そうこうしているうちに長いトンネルに入った。
窓越しでも肺腑にしみ入る、刺すような冷気を凌ぎ抜けた先には、存在をこれでもかと主張する雪嶺、富士山。
午前六時五十四分、劇的な日の入りは二人を感服させ、二〇二三年の念頭に美々しい彩りを与えてくれた。
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