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幼い頃の幻

私がまだ小学生低学年の頃、たまに怖いまぼろしを見ることがありました。
あくまで幻なのですが、夢と違って眠りに入る前に見た世界です。

実際の出来事でないのは確かなのですが、記憶にこびりついているので書くことにします。

巨大化する恐怖

小学生の低学年だったころ、何日も連続で同じまぼろしを見たことがあります。

眠りに入る前、電気を消して豆電球の光を見ていると周りの景色がゆらぎ、家の外に仰向けでねころんているのです。

イラストは寝ている場面だが、実際は眠りに入る前のこと

身体は動かずジッとしていると、自分の体がドンドン巨大化していき
「あっ、家と同じぐらいの大きさになった!」
と驚き、さらに巨大化して何と頭が境港市の半分の大きさにまでなった、という幻でした。

幻とはいえリアルな体験でもあり、恐怖に震えたことを覚えています。
自分の体が異常な何かに変わるのは、バケモノに追われたり、霊に遭遇するのとは違った恐怖でした。

家の前でホバリングするヘリコプター

ある時、空が白みかけている時間に目が覚めました。
身体は横になっているのに、意識は立ち上がって窓の外を見ているのです。

そのころの家は蚕を飼う小屋を改造した家で、窓はスリガラスでしたが、1か所だけ小さな破損個所があり、そこから外を覗くことが出来ました。

そこから外を見ると、家の前の広い空き地の上空を1機のヘリコプターがこちらを向いてホバリングしているではありませんか。
大きな音を立てて、こちらに機首を向けて動きません。
ヘリコプタ―の窓には景色が反射して人の姿は見えませんでした。

見たのはもっと小型で、真っ黒なヘリコプター

恐ろしくなり布団に戻りたかったのですが、なぜかジッとそのヘリコプターを見つめていました。

人の姿が見えない機械が、こちらをうかがっているというのは、何とも言えない恐ろしさがあったことを思い起こします。

ただの幻ですが・・

その他にも知り合いの首に、バネ状のカールした尻尾が生えている生物の幻を見たり、天井と床が入れ替わって天井を歩いたりしたまぼろしを見たりしました。

荒唐無稽な、ただの幻であることは分かっています。
しかし幻が実在する世界があるような気もしていますし、それを見る能力があるのは子供時代の特権ではないかとも思っています。

大人になってからはこの様な幻を見ることがなくなりました。
本当につまらないことです。
こんな幻を今でも見ることが出来たら、きっと面白い小説が書けたのに、と思うのですが。


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