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何となく嫌な場所

読者の皆さんも、何となく嫌だなと感じる場所があると思います。
私にもそんな場所がありますので、ご紹介しましょう。

自宅の納戸

小学生の頃の私の家は、昔カイコの幼虫を育てる小屋だった場所を改造して、住めるようにした住宅です。

子供のころは風呂が自宅にないので、10分程度歩いて祖父母の家の風呂をオヨバレしていました。
そのうち「いくら何でも風呂のない家はありえないだろう」ということで風呂の増築をすることになり、ついでに建て増しをしようということになりました。

元の家は小さなカイコ小屋を改造した住居だった

元の家だったカイコ小屋と建て増しした新規の家を、廊下でつなぐことになったのです。

無事増築と新旧の家をつなぐ廊下が出来上がり、つなぎ目の突き当りは納戸にしました。
そのつなぎ目のことです。

何かいる

カイコ小屋だった古いほうの家から、何の気なしにつなぎ目を見ると、戸口の隙間から何者かが見ているではありませんか。

驚いて一瞬目を離し二度見すると、そこには誰もいなくて気配も消えています。
この時は私の気のせいだろうと自己完結しました。

何かいる ふたたび!

それから数か月後、叔父夫婦が遊びに来てご飯などを食べていましたが、何となく胸騒ぎがしてつなぎ目を見ると、再び何者かが見ているような感じがするのです。

今度は二度見することなくじっと見ていましたが、いつの間にかわからないうちに気配が消えていました。


彼らは悪さはしない つなぎ目を通り道にしているのか

父親に「あそこに誰かいた」と言うと、父親は笑いながら「あんなところに誰もいるはずがない」と、取り合ってくれません。

恐る恐るつなぎ目まで行くと、全く先ほどの気配がしなくなっています。
「ほれ見ろ」と父親は再度笑うのでした。

つなぎ目の現在

古いカイコ小屋の家は20年前に解体し、キッチン、リビングなどの増築をして二階には私の部屋とトイレを作りました。

つなぎ目のあった納戸はトイレに改造し、現在も家族が使用しています。

そのトイレですが、家族は何も感じないようで普通に使っていますが、私はそこの雰囲気が暗く、自宅ながら今も一度も使っていません。
「もれるーっ」という切羽詰まった時でも、ダッシュで二階のトイレに走り込みます。

十字路とつなぎ目

昔から十字路(辻ともいう)は、あの世とこの世の交わるところだといわれています。

夕方、逢魔が時になるとあの世から妖怪、幽霊など百鬼夜行の類がこの世にやって来ると言われています。

辻や逢魔が時などの、道路と道路、昼と夜の接点などはこの世のものではない者が現れる通り道なのでしょう。

夕方の十字路 辻と逢魔が時

十字路や逢魔が時と同じく家と家のつなぎ目なども、このような者たちの通り道なのではないかと思います。

たかがつなぎ目ですが、私にとっては不思議な世界の入り口のような気がします。


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