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ソードワールド2.5 種族総評


はじめに

本誌は、ソードワールド2.5におけるキャラクタークリエイトの際に初心者を悩ませてやまない要素の一つ「種族」をかんたんに解説し、プレイヤー諸君の種族選択の一助にしてもらうべく執筆されたものである。
※解説には執筆者の主観が大いに含まれる。執筆者の好みや経験を基軸として解説を行うが、それは必ずしもあなたの好みとはマッチしないだろう。以下に記された解説が諸君の価値観にそぐわない場合は本誌のことは忘れ、自由に種族を選択するべきである。
なお、本誌ではサプリメント「アーケインレリック」にて追加された「希少種」については言及しない。

全種族リスト

ルールブックⅠ掲載種族

  • 人間

  • エルフ

  • ドワーフ

  • ルーンフォーク

  • タビット

  • ナイトメア

  • リカント

ルールブックⅡ掲載種族

  • リルドラケン

  • グラスランナー

  • メリア

ルールブックⅢ掲載種族

  • ティエンス

  • レプラカーン

サプリメントによる追加種族

  • アルヴ

  • ソレイユ

  • シャドウ

  • ウィークリング

  • スプリガン

  • アビスボーン

  • ハイマン

  • フロウライト

  • ダークドワーフ

種族解説(ルールブックⅠ)

人間

種族特徴《剣の加護/運命変転》
ソードワールド2.5の世界「ラクシア」に最も分布した種族。道具や技術によってどのような環境でも暮らせるポテンシャルの高さを誇る。「神に最も愛された種族」と称されることもあり、自らの選択で運命を切り開く特異な力を持つ。
《種族特徴/運命変転》は、1日に1回だけダイスの出目に干渉できる能力だ。ダイスさえ振れば活躍の場を選ばず、己の不運に対する保険になる。その特性から、失敗が許されないアタッカーに高い適性を持つ。
強い。せっかくのファンタジーな世界観なのに、人間はこのゲームで最強クラスの出力を持っている。全くもってロマンのない話である。知力や生命力などの能力値に突出した点はないが、特段低い能力も無いため、どの技能にもそれなりの適性を持つオールマイティな種族といえる。

おすすめ技能
グラップラー バトルダンサー ソーサラー デーモンルーラー スカウト 

エルフ

種族特徴《暗視》《剣の加護/優しき水》
優美なものを好み、森の中に住む長命な種族。森に由来する独自の信仰を持つこともあり、エルフだけで集住していることが多い。ときたま生まれる好奇心旺盛なエルフが街に出てくることもあるようだ。また、この世界のエルフは水を好む性質があり、集落は川や湖に面した構造が多く見られる。
《剣の加護/優しき水》は水中で一時間の活動ができるというものだ。これによって、エルフは水中で呪文の詠唱ができる唯一の種族となる。また、毒属性と病気属性に対する生命抵抗と精神抵抗にボーナスを得ることもできる。免疫が強いらしい。
手先が器用かつ知力も高く、射手や魔法使いに高い適性を持つ。その反面打たれ弱く筋力も弱いため、鎧を着こんでの戦闘は苦手。

おすすめ技能
フェンサー シューター フェアリーテイマー ドルイド セージ

ドワーフ

種族特徴《暗視》《剣の加護/炎身》
鍛冶鉄工に優れた低身の種族。地下や洞窟、山岳地帯に暮らしているほか、優れた鍛冶屋として街に暮らすものも多い。ものごとに強く拘る性質を持つ人物が多く、料理や酒造においてもドワーフ産のものは多く出回っている。また、不義を憎む仲間想いな種族であるため、ドワーフの軍隊は最後の一兵まで猛々しく戦うと蛮族に恐れられている。
《剣の加護/炎身》は炎属性のダメージと悪い効果を全く受け付けないものだ。竜が吐く炎のブレスなども寄せ付けず、火山などの戦場での活躍も最早約束されたものといえる。
筋力、器用度、生命力がとても高く重戦士に適性を持つ。強力な武器と重厚な鎧で身を包み、背後の仲間を守る盾となるとよいだろう。ただし足が遅く、知力も控えめであるため探索は不得手である。

おすすめ技能
ファイター プリースト スカウト エンハンサー バード

ルーンフォーク

種族特徴《暗視》《HP変換》
選択不可技能:フェアリーテイマー プリースト
現在(一般的にセッションする時系列)から300年ほど前まで繁栄していた「魔動機文明時代」に開発された人造人間。姿形は人間と変わらないが、体のどこかに硬質化した部分を持つ。食事と睡眠は必要。自分が仕える主を追い求めるよう開発されており、一度主人と決めた人物を絶対に裏切らない。
《HP変換》によって1日に1回だけHPをMPに移し替えることができる。魔力が切れたあとも粘り強く戦うことが可能。
器用度と筋力に優れており、軽戦士向きの種族といえる。精神力≒MPが低くなりがちであるものの、HP変換によってMPを供給できるため魔法を使う選択肢も十分にとれるだろう。ただし、人の手で作られた存在であるため神の声が聞こえず、妖精の姿も全く見えない。プリーストとフェアリーテイマーにはなれないため注意が必要だ。

おすすめ技能
ファイター フェンサー マギテック スカウト エンハンサー 

タビット

種族特徴《第六感》
選択不可技能:プリースト
他コンテンツにはほとんど見られないウサギの獣人。『体長1mほどで、肉球のある直立したウサギ』という一般的な人族とかけ離れた姿を持つ。全体的に知識の収集を好み、真実の探求に打ち込むことを生きがいにしている。モフモフした見た目のわりに賢い。
《第六感》によって、その手の技能がなくとも「危機感知判定」ができる。
圧倒的な高さの知力を持ち、パーティのブレインとなりうるポテンシャルを秘めている。MP≒精神力も十二分にあり、頼れる魔術師となるだろう。しかし他の能力は大きく劣る。良くも悪くも得手不得手のはっきりした種族だ。
なお、なぜか神の声が聞こえないという特徴を持つ。タビットたちはこれを「太古の神々の戦に敗れ、呪われた神の末裔だから」と考えているらしい。

おすすめ技能
ソーサラー コンジャラー フェアリーテイマー セージ アルケミスト

ナイトメア

種族特徴《異貌》《弱点》
人間、エルフ、ドワーフ、リルドラケン、シャドウ、ソレイユの赤子のうち、「穢れ」をもって生まれてしまった突然変異体。出身種族による見た目の差異はなく、人間と大差ない外見だ。小さな角と痣を持ち、その角で出生時に母体を傷つけてしまうことから、ラクシアでは忌み子として差別の対象になることがある。なお、寿命という概念がなく不老不死であるらしい。
《異貌》によってナイトメア特有の禍々しい姿に変身でき、その間はどんな鎧を着ていても自由に魔法が使える。とっても強い。しかし、強力ゆえに「出身種族と対応した属性」の《弱点》を持っているため注意が必要だ。
すべての能力値において人間に勝り、欠点のない優秀な能力値を持つ。種族特徴ゆえに魔法戦士がやりやすいが、他の技能でも十分活躍できるだろう。

おすすめ技能
ファイター フェンサー ソーサラー コンジャラー デーモンルーラー

リカント

種族特徴《獣変貌》
豊かな体毛に覆われた耳と尻尾を持つ獣人。この世界で人間の次に数が多く、主に野外での生活や活動を得意としている。かつて人狼(ライカンスロープという蛮族)と間違われて迫害された過去があるが、大らかな性格なのかそれほど根に持っていないようだ。
《獣変貌》では、頭を獣の姿に変化させることができる。暗視を得るうえに全身の力が強まるが、リカント語でしか会話できなくなるデメリットがある。対策しておかないと仲間とのコミュニケーションに苦心するだろう。
筋肉質であり敏捷性にも優れ、知力も高い。優れた戦士/斥候/狩人となるだろう。しかし精神力は低いため魔法にはめっぽう弱い。注意されたし。

おすすめ技能
グラップラー バトルダンサー シューター スカウト レンジャー

種族解説(ルールブックⅡ)

リルドラケン

種族特徴《剣の加護/風の翼》《鱗の皮膚》《尻尾が武器》
二足歩行し、人間に近い背丈をしている以外はほぼ竜である。鱗を持ち、大きな翼と強靭な尻尾を持っている。しかしそんな見た目に反して交流を好み、商人になるものも多く存在するようだ。
《剣の加護/風の翼》によって1日に1分だけ自由に飛行でき、《鱗の皮膚》による堅牢な防御を誇り、尻尾があるため武器の選択肢が一つ多い。3つあるうえにどれもムダのない強力な種族特徴が揃っている。
筋力、生命力が冗談のように高い純前衛向きの種族だ。重武装ができる。その反面命中と回避が低いが、飛行している間は命中にボーナスが付く。気にならない。前線で大暴れしてやろう。

おすすめ技能
ファイター フェンサー バトルダンサー エンハンサー ライダー 

グラスランナー

種族特徴《マナ不干渉》《虫や植物との意思疎通》
人と比べて遥かに小柄な種族で、好奇心旺盛な気質を持つ。なぜか魔力に反応しにくい体質を持ち、魔法には興味を示さない。出自や由来が不明である謎の多い種族であり、魔神の住まう異界から来たという説すらあるほどだ。
《マナ不干渉》によって魔法に高い耐性とMPを持たないという強烈な個性を持つ。「MP0」ではなく「MPなし」だ。魔法の類はほとんど使えないだろう。《虫や植物との意思疎通》では、自然からイメージを受け取ることができる。
筋力と生命力は大きく劣るものの、器用度/敏捷性/精神力が冗談のように高くリルドラケンと双極を成す存在といえる。軽戦士や斥候としての能力は他の追随を許さない上、高い精神力によって吟遊詩人にも適性を持つ。小柄ですばしっこい身体を活かして戦場を駆けまわろう。

おすすめ技能
フェンサー スカウト レンジャー バード アルケミスト

メリア

種族特徴《繁茂する生命》
世にも珍しい植物から生まれた種族だ。人間に近い外見をしているが、体のどこかに自身を象徴する花を咲かせていて、本人の健康や精神によって咲き誇ったり萎れたりする。また、陽気な短命種とおおらかな長命種が存在する。
《繁茂する生命》は、人間には必須である睡眠が必要なくなるものだ。食事は必要だが、寝なくとも朝を迎えたタイミングで自動で体力が回復する仕様になっている。そのため夜襲や強行軍でも疲弊しにくい特性を持つ。
リルドラケンに次ぐ突出した生命力を持ち、粘り強い前衛としての戦い方が可能なほか、次いで高い知力と精神力を活かした「打たれ強い後衛」という独特な立ち回りも可能となる。メリアの冒険者は、攻撃に晒されても早々倒れない事故に強いキャラクターとなるだろう。

おすすめ技能
フェンサー コンジャラー プリースト フェアリーテイマー レンジャー 

種族解説(ルールブックⅢ)

ティエンス

種族特徴《通じ合う意識》
体内のマナが結晶化した宝玉が体のどこかに存在する種族。魔神との戦いに備え、人間と魔物を人工的に合成した種族である。その出自ゆえか、戦いに向いた強靭な肉体を持つ大柄な人物が多い。下記の能力によって仲間との連携も得意としている。
《通じ合う意識》によってテレパシーに近い能力を使うことができ、相手が動物や幻獣なら命中と回避にボーナスをつけることができる。ゆえに、動物とともに戦うライダーに向いている。
戦闘のために作られた種族なだけあって、高い能力値を持つナイトメアと同等レベルの能力を持っている。こちらはナイトメアよりも耐久寄りの能力値であるが、それゆえに様々な技能をそつなく使える安定型といえるだろう。

おすすめ技能
ファイター グラップラー コンジャラー バード ライダー

レプラカーン

種族特徴《暗視》《見えざる手》《姿なき職人》
個体数が群を抜いて少ない希少な種族。小柄であり、モフモフした耳が特徴。家族単位で遺跡などに隠れ住む性質があり、排他的で人見知りの激しい気質も相まって存在がもはや伝説として扱われることもあるほど。気に入った相手には尽くすタイプで、変わり者が稀に冒険者になる。
探索にあると便利な《暗視》、装飾品の装備できる数を1つ増やす《見えざる手》、完全に透明になれる《姿なき職人》と地味ながらも痒い所に手が届く種族特徴が揃っている。玄人向けといえるだろう。
器用度に優れ、知力と敏捷はそこそこ。ただし生命力が低く打たれ弱いため、後衛からの支援役に適性がある。器用な支援によって仲間たちを支えてあげよう。

おすすめ技能
フェンサー シューター マギテック レンジャー アルケミスト

種族解説(サプリメント掲載)

以下に記載された種族はサプリメント「アーケインレリック」に掲載されたものである。詳しいデータはそちらを参照してほしい。

アルヴ

種族特徴《暗視》《吸精》
めったに見られない変わった種族。青白い肌や、人とは全く異なる赤い眼を持つ。神によってヴァンパイアが転生した姿とも言われているが、れっきとした人族である。蛮族と勘違いされることは未だ多く、現在進行形で迫害されている。しかし人族からマナを吸わねば生きていけない難儀な種族であるため、理解ある集落やパートナーと隠棲していることがある。
探索に便利な《暗視》のほか、《吸精》という種族特徴を持つ。任意の相手からMPを吸い取ることができる便利な能力だが、2週間これを行わないと衰弱死するという強烈なデメリットを持つ。
知力が高く、種族特徴と合わせて魔法使い向きの種族といえる。ほかの能力値も極端に低いわけではないため、柔軟な対応ができる便利な魔法使いとなれるポテンシャルがあるだろう。あと吸血鬼のRPは楽しそうだ。

おすすめ技能
ソーサラー コンジャラー デーモンルーラー セージ アルケミスト

ソレイユ

種族特徴《輝く肉体》《太陽の再生》《太陽の子》
極めて筋肉質であり大柄な種族。筋肉を誇示するために薄着を好み、鍛錬を積むことを是とするまっすぐな種族である。基本的に遥か南の島で暮らしているが、稀に海に流された者がこちらの大陸に流れ着くことがある。暮らしている風土の影響か陽気な者が多く、細かいことは気にしない性格だ。
強力な種族特徴が三つ揃っている。《輝く肉体》は敵の回避を下げることで自身の命中率を補強でき、《太陽の再生》によって日光で傷を癒し、日中には《太陽の子》で魔法への高い抵抗を誇る。おおらかな気質に対して手堅い種族特徴によって優れた戦士となるだろう。
筋力、器用度、生命力に優れるため前衛職のほとんどに適性がある。特に筋力は尋常ではなく、重い武器でも軽々と扱える。その反面知力の低さも尋常ではなく、魔法適性には期待しない方がいいだろう。

おすすめ技能
ファイター グラップラー フェンサー エンハンサー ウォーリーダー

シャドウ

種族特徴《暗視》《月光の守り》
影のような褐色の肌と第三の目を持つ人族。傭兵として活動する者が多く、一生のほとんどを戦いの中で過ごすため、100年ほど存在する寿命を全うする者はほとんどいない。傭兵をしている影響か、シャドウたちの間には「契約や仁義は必ず守り抜く」という不文律が存在するようだ。
探索に便利な《暗視》のほか、精神抵抗(魔法の効きやすさ)を+4するという単純かつ強力な種族特徴により、魔法に高い耐性を持つ。後述する理由からも初心者におすすめしたい種族だ。サプリ掲載種族なのだが。
器用度と敏捷度に優れ、特に敏捷度はグラスランナーに次ぐ高さとなる。知力と精神力は低くいためMPが低く、魔法は苦手だ。総じて回避主体の前衛に向いた種族といえるシンプルな造りだ。

おすすめ技能
グラップラー フェンサー シューター スカウト レンジャー

ウィークリング※長いです

種族特徴《蛮族の身体》
人族からの突然変異でナイトメアが生まれるように、蛮族にも突然変異が存在し、人に近い存在であるウィークリングが生まれることがある。出身種族の特徴を部分的に受け継ぎ、人と出身種族のハーフのような外見を持つ。
彼らの蛮族社会での扱いは奴隷同然の最悪なもので、酷い時には産んだ夫婦ごと処刑されてしまう場合も存在する。運よく蛮族社会を脱出できた者が人間の社会に流れ着くこともあるが、そこでの扱いも決していいものとは言えないだろう。それ故に、厭世的な気質を持つものが多いらしい。
現在、ガルーダ・バジリスク・タンノズ・ミノタウロスの4種の蛮族にウィークリングのデータが存在し、それぞれが異なる種族特徴を持つ。
ガルーダ   -《未熟な翼》《切り裂く風》《弱点:衝撃ダメージ+3》
バジリスク  -《石化の視線》《毒の血液》《水・氷ダメージ+3》
タンノズ   -《水中適性》《甲殻の手》《物理ダメージ+2》
ミノタウロス -《暗視》《剛力》
4種類も書き記すと文章量が膨大になるほか、能力値の補正など他にも細かい裁が存在するため、ここでは名称のみの紹介に留める。使ってみたいと思えたのなら、サプリメント「アーケインレリック」の入手をお勧めする。

おすすめ技能
選択種族により変動する。
ガルーダ  -スカウト フェンサー バトルダンサー エンハンサー
バジリスク -ソーサラー コンジャラー プリースト デーモンルーラー
タンノズ  -グラップラー バトルダンサー レンジャー エンハンサー 
ミノタウロス-ファイター フェンサー エンハンサー ウォーリーダー

スプリガン

種族特徴《暗視》《巨人化》
小さな体躯の姿と巨人の姿の2つの姿を使い分ける種族。普段は10歳程度の人間と変わらない外見を持つが、1日に数回ほど身長3mの巨人に変身する能力を持つ。人族社会に隠れて暮らしているがかなり希少で、一見して人間と判別できないためそうと気づかれない場合もある。人間との「取り替え子」を行うことがあるようで、人間の夫婦がそうとは知らずスプリガンを育てている事例があるようだ。
探索に便利な《暗視》のほか、《巨人化》すると筋力と生命力が大きく上昇し重戦士向きのステータスとなる。逆に敏捷度は低下するため、元の姿との使い分けが肝要となるだろう。そのほか、二種類の装備品を姿に応じて使い分けることもできる。費用はかかるが2つの姿というのは魅力だ。
小さな方の姿では全体的に控えめな能力だが、敏捷に優れる。巨人の姿では筋力と生命力が伸びることで一気に特徴的な能力となる。軽戦士と重戦士を両方使えるため、多少難易度が高いものの、他の種族にない柔軟な運用が可能となっている。

おすすめ技能
ファイター フェンサー バトルダンサー スカウト ウォーリーダー

アビスボーン

種族特徴《アビスアーム/トランク/アイ》《アビスカース付与》
ソードワールド2.5の世界で発生する「奈落の魔域」という異空間の中で出生した赤子に魔力が染みついてしまった状態。血筋に特殊な点はないが、奈落の魔域によってもたらされた魔力によって魔神の力を部分的に身に宿す。
アビスアーム(物理与ダメージ+2)アビストランク(防護点+1)アビスアイ(命中+1)の3つの力から1つを選択し、該当する体の部位を変質させながらこの特徴を得る。そのほか、アビスカースというデメリットを背負う。選択して得る3つの能力はどれも前衛向きのものであるため、戦士に適性があるだろう。魔法も使えないほど苦手ではないため、魔法戦士としても十二分に戦える。
筋力と敏捷力に長け、低すぎる能力値がないためステータスはかなり優秀な部類だが、アビスカースによるデメリットがどこまで枷となるかで性能にも大きく幅が生まれる。サイコロによって冒険の難易度が揺らぐ博打色の強い種族だ。

おすすめ技能
フェンサー コンジャラー デーモンルーラー スカウト ウォーリーダー

ハイマン

種族特徴《デジャヴ》《魔法の申し子》
戦いに備え、人の手によって魔術的な改造が施された強化人間だ。色白で背が高く、儚げな印象を持たせる美形であることが多い。魔法に対して卓越した才能を持つが、代償として生命力が大きく劣化し、寿命は30年しかない。前世の記憶を引き継ぐこともあり、それを時々思い出すこともあるようだ。
《デジャヴ》では、知力を用いる判定に1日1回+2のボーナスを得ることができる。《魔法の申し子》ではあらゆる魔力が常に+1されるほか、稀に魔法の消費MPが0になる。魔力の扱いに長けた優れた魔法使いとなるだろう。
知力と精神力が高く、それ以外が抑えられた魔法使い向きのステータスをしている。打たれ弱く、前線の流れ弾でも斃れかねないので注意が必要だ。

おすすめ技能
ソーサラー コンジャラー フェアリーテイマー セージ ウォーリーダー

フロウライト

種族特徴《魂の輝き》《鉱石の生命》《晶石の体》
取得不可技能:エンハンサー
他コンテンツでもほとんど見られない「全身が鉱石でできた」種族。しかもこの鉱石は「魔晶石」という魔力を蓄えたものであり、フロウライトはこの魔力を自由自在に使うことができる。鉱脈の中で自然発生する種族であり、そもそも血筋と言う概念すら存在しない。
《魂の輝き》によって自身の発光を明かりにすることができ、《晶石の体》によって高いMPと硬質な体を持ち、《鉱石の生命》によって呼吸、飲食、毒/病気属性の効果、薬品をすべて受け付けない特殊な体を誇る。
全種族中1位の精神力と全種族中最下位の生命力というピーキーな能力を持っている。紙でちょっと手を切っただけで瀕死になるレベルの貧弱さだ。しかし、HPの低下を代償に手に入れた驚異的なMPによって、通常ではすぐガス欠になるような無茶な魔法の行使も可能となる。難解であるぶん最大値は高く、間違いなく上級者向けの種族だ。

おすすめ技能
プリースト フェアリーテイマー ドルイド デーモンルーラー バード

ダークドワーフ

種族特徴《暗視》《黒炎の担い手》
神々の戦争において人族を裏切り、邪神側についたドワーフの末裔。地中に隠れ住んでいたため肌は青白く、瞳孔も大きくなっている。蛮族社会で暮らしているが、稀に自身が人族であることを思い出し、人里に出てくる者もいるようだ。
いつもの《暗視》に加え、《黒炎の担い手》によって武器による攻撃に黒い炎を付与することができる。代償としてHPを消費するものの、この攻撃はドワーフの《剣の加護/炎身》をはじめとした炎属性を無効にする効果を貫通できる。耐性を持つ相手にも強引に攻撃を通せる強力な種族特徴だ。
器用度と精神力がトップクラスに高く、ドワーフに比べ生命力が抑えられている。種族特徴で攻撃力が担保されているため、高い命中と合わせて優れたアタッカーとなるポテンシャルを秘めた種族といえる。

おすすめ技能
ファイター フェンサー シューター マギテック

おわりに

ここまで長文をお読みいただき感謝の念に堪えない。そして本誌を読んでいるそこの初心者諸君。今回読んだ中にビビッと来る種族はあっただろうか?
あったのなら、ルルブから詳しい情報を見てキャラクリをしてみよう。冒険の扉はすぐそこまで近づいている。なければ、本誌末尾にTRPGの習熟度別でおすすめ種族表を載せるので参考にしてほしい。
近々「ソードワールド全技能総評」も制作する予定であるため、そちらも参考にしていただくとより精緻なキャラクリができるだろう。

付録 TRPG習熟度別おすすめ種族表

①難易度D はじめてTRPGをする
エルフ ドワーフ タビット シャドウ ハイマン ダークドワーフ

②難易度C 他システムを何度かやったことがある
ルーンフォーク リカント ナイトメア ソレイユ リルドラケン

③難易度B ソードワールドでキャラを作ったことがある
人間 メリア ティエンス スプリガン アビスボーン

④難易度A ソードワールドで作成したキャラが3人以上いる
レプラカーン アルヴ ウィークリング

⑤難易度S ソードワールドで世界を狙っている
グラスランナー フロウライト

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