ストーマケアとストーマを付ける目的

ストーマを付ける目的は消化器系疾患や泌尿器系疾患で病巣を取り除く手術を受けたため、本来の排泄機能が使えなくなった場合、排泄物を体外に出すための経路が必要になります。これがストーマです。ストーマには括約筋がないので、腹部にストーマを創設すると、笑ったり叫んだりした際に排泄物が体外に出てきます。これを制御するためにストーマ袋のようなストーマ装具を付けます。ストーマ装具は定期的にメンテナンスが必要です。例えば、ストーマ袋に排泄物がたまってきたら、袋から排泄物を取り出し、ビニール袋に移さなければなりません。また、排泄物により、皮膚がただれることがあるので、皮膚保護剤を使います。こうした一連の行為をストーマケアと呼びます。

ストーマを創設する目的は永久的ストーマ、一時的ストーマで異なります。永久的ストーマの場合は大腸がんや直腸がん、膀胱がんで、手術が必要になり、術後、肛門機能が維持できない場合に創設されます。一方、一時的ストーマは予防的な意味合いで使われています。例えば、病変部に便を通過させたくない場合、一時的ストーマを創設して対応する場合があります。また、難治性痔ろうの手術や肛門の外傷治療を行う際に一時的ストーマを用いることがあります。尚、膀胱がんのような泌尿器系疾患で、括約筋が温存できる場合、ストーマ創設を行うことはありません。ストーマ創設が必要なケースは永久的ストーマに限られます。泌尿器系疾患で用いられる尿道ストーマでも腹部から尿を排出する仕組みになっているので、たまった尿をビニール袋に移すといったストーマケアが必要です。※さらに詳しくまとめたサイト⇒介護職員向けストーマケア事典