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胆石発作(後編)
「胆嚢(たんのう)摘出手術」編に突入します。
<医者の説明>
腹腔鏡(ふくくうきょう)手術。一般的には楽な方なのだろうが、手術初体験者にとっては「痛い」思い出しか残らない。
そりゃあ開腹手術に比べると手術も術後も言われるように楽なのかもしれない。しかしこちらは手術初心者。右も左もわからない。
まずは症状についての先生の説明。
簡素化すると、
〇胆嚢(たんのう)は盲腸みたいなもので、なくても大丈夫。
〇胆嚢は肝臓で作られた胆汁(たんじゅう)を一時貯蔵するタンクの役割をしている。
〇胆嚢から腸に向かう胆管(たんかん)がつまっているのが痛みの原因。
〇胆嚢がないなら肝臓から直接、腸に胆汁という消化液が流れていく。
なるほど腹からエイリアンが飛び出てきそうな錯覚は、胆嚢がつまってパンパンになっていたのか。
小さな臓器だそうで、お腹を見ても飛び出してこないわけだ。
しかし腹が張ったように感じたのは納得できる。
カラダって本当によく作られたものだ。
そして手術の説明。
〇全身麻酔をして、お腹に4カ所穴をあける。
〇それぞれの穴からそれぞれの器具を入れて胆嚢を切除する。
〇最後はおへそから胆嚢を取り出す。
ものすごく簡単に言うとこうだった。最後のヘソから取り出すっていうのに一番驚いた。腹は出てても、意外とヘソの形は気に入っていたのだ。
<いよいよ手術室へ>
そして言われていた時刻より先に手術室に運ばれる。ん❓奥さんはまだ来ないよ❗️「全身麻酔になるので家族に付き添ってもらってください。」と言われていたので、奥さんがその時刻に合わせてくる段取りだった。
にも関わらず、奥さんの到着を待たずに、手術室に運ばれた。(後から分かった話だが、この日は月曜日で手術が立て込んでいたらしい。)
奥さんは手術には間に合い、術後に取り出された胆嚢と面会したそうだ。
手術が終わって病室に運ばれるときに、麻酔で意識朦朧の中「大丈夫?」って奥さんの声はなんとなくわかった。
コロナ禍で面会ができないので、結局奥さんと会話できたのは退院した1週間後だった。
手術室で一番安心させてくれたのは麻酔科の先生だった。私の今回の一番いい思い出はこの先生のことばだった。
(執刀医の先生はあまり優しい感じではなく、機械的に説明をしてオペをしたって感じだった。実際、術後の病室に来たのも一度だけである。同じ病室の他の患者さんのところは毎朝担当の先生が様子を見に来ていたのに。。)
「麻酔を担当します。よろしくお願いします。手術中もずっと一緒にいますから。安心して下さい。」なんと心強く、安心させられたことか。
「最初は血管から麻酔を入れて、冷たく感じ始めるともう麻酔が効いてきます。」
まさにその通り。右腕あたりから冷たいものが「シャバ シャバ シャバシャバッ」ときた。「なんじゃこの感覚は~」なんて思うや否や意識はなくなっていた。
次の記憶は「終わりましたよ~。無事にすみましたよ~。」という麻酔科の先生の声だった。
「手術編」と言いながら、当然手術について書くことなんか何もない。記憶がないのだから。
生まれて初めての全身麻酔手術は麻酔科の先生のことばで始まって麻酔科の先生のことばで終わったのである。
そしてこの後が術後の痛みとの闘いが始まるのであった。(ん?まだ続くんか〜いっ)
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