みどりいせき 大田 ステファニー 歓人
こんにちは。
難解、不思議、晦渋(かいじゅう)。(・・?
始めてもらった食べ物を目の当たりにして、どこからどのように食べたらいいのか迷いつつ、かじりついている内に「はまってしまった。」
そんな、イメージの小説です。
第47回すばる文学賞受賞
第37回三島由紀夫賞受賞
ダブル受賞しています。
ストーリーは、不登校になる寸前の、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでたひとつ下の「春」と再会したのを期に、一瞬にして怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた。
落ちこぼれ少年が、犯罪に手を染め行き先を見極められず彷徨っている、そんなモラトリアムを僕の視点から描写していますが、その視座が面白いです。
僕の視点から、外にひろがる世界にピントを合わせようとすると、ぼやけて霞んで見えてくる。
でも、その霞んだ世界には多くの仲間がいた。・・・
その仲間たちとの会話は、擬音・幼児語がミックスされたような文体。
使われている言葉を一部紹介します。
〈きらん〉〈ぷしゅう〉〈ズゴー〉〈すすん〉〈ぽっこぽこ〉などの擬音。
〈ギャルピ〉〈タギング〉〈バビ公〉〈ブリっちゃった〉〈チキる〉といった、若い世代のジャーゴン(内輪の言葉)がゴロゴロしている。
※興味のある方は、ググりながら一読ください。
著者に関しては、受賞の際の言葉をご覧ください。
小説も同様の文体で構成されています。
常識という壁に一穴を開けた作品です。
ぜひ、食べてみてください。
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