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みどりいせき 大田 ステファニー 歓人

こんにちは。

難解、不思議、晦渋(かいじゅう)。(・・?

始めてもらった食べ物を目の当たりにして、どこからどのように食べたらいいのか迷いつつ、かじりついている内に「はまってしまった。」

そんな、イメージの小説です。

第47回すばる文学賞受賞
第37回三島由紀夫賞受賞


ダブル受賞しています。

ストーリーは、不登校になる寸前の、高2の僕は小学生の時にバッテリーを組んでたひとつ下の「春」と再会したのを期に、一瞬にして怪しい闇バイトに巻き込まれ始めた。
落ちこぼれ少年が、犯罪に手を染め行き先を見極められず彷徨っている、そんなモラトリアムを僕の視点から描写していますが、その視座が面白いです。

僕の視点から、外にひろがる世界にピントを合わせようとすると、ぼやけて霞んで見えてくる。
でも、その霞んだ世界には多くの仲間がいた。・・・

その仲間たちとの会話は、擬音・幼児語がミックスされたような文体。
使われている言葉を一部紹介します。

〈きらん〉〈ぷしゅう〉〈ズゴー〉〈すすん〉〈ぽっこぽこ〉などの擬音。
〈ギャルピ〉〈タギング〉〈バビ公〉〈ブリっちゃった〉〈チキる〉
といった、若い世代のジャーゴン(内輪の言葉)がゴロゴロしている。
※興味のある方は、ググりながら一読ください。

著者に関しては、受賞の際の言葉をご覧ください。
小説も同様の文体で構成されています。

受賞のことば

大田ステファニー歓人

かおちゃんありがと!!!!
かおが支えてくれたからゲトれた! まじやっほーちゃん!!
なんもしてない、って思うかもしんないけど、選考委員のみなさまの感想にはかおりんのおかげと書いてありました!!
じつは書く作業ってたのしいのにさみしいし、一瞬なのに苦しい。あと地味。死ぬケツ。でへー、で村八分って感じだから、自分の部屋を出たらすぐかおりんがいる生活がとっても救いだった最高! ゴージャス! うれしすぎて意味わかんない!
って思ってるうちにこんなんが書けました!
かおちゃんがいるだけでこれからもがんばっていろいろ書けんだろうし、そしたらお金が稼げるし、稼いだらまたやる気湧くし、かおちゃんはいるだけで生産性やばい!! なのにめっちゃ働くの好きで、すごすぎリスペクトがはちきれました。ぽん。えぇ、ガッデムスペースソニックハイパーモチベーターかおりん! とすごい大人がおっしゃってました。つまりかおを産んで育てた両親もエクセレント!
うちの親もエクセレント、あ、もうみんな座布団千枚でいいや。やまだくん、だいたいでいいよ。

みなさまへ
どもう、ステファニーだお
このたび、わらいありなみだありのすったもんだのすえ、スーパーすばるちゃん人形を手にしました。次はクリスタルすばるちゃん人形をゲトりたいので、グットシット期待してね。
ネットでオモチャにしないでね。
あと、かおちゃんがずっとすごいやつでいられるように、おもろがって本買ってください。うちもがんばりますん。がんばりませよ。
副賞は、ぷりゅいのペアリングと、借金返済に使います! 

これから出会うどなたかへ
焼肉が好き、とだけ言うときますわ。よろしゅう。

ピース、ハオ

「すばる」2023年11月号転載


常識という壁に一穴を開けた作品です。
ぜひ、食べてみてください。

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