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御嶽山 噴火災害から10年。

こんにちは!
9月27日、御嶽山が噴火した御嶽山に登山していた多くの方達が、被災され、死者58名、行方不明者5名、負傷者61名という戦後最悪の火山災害となりました。
2014年の出来事です。
亡くなられた方々のご冥福をお祈りいたします。

私は、発災後、山岳警備隊員を引き連れて救助活動に従事しましたが、この時期が近づくと、今でも当時の記憶が鮮明によみがえります。
当時の様子は、以下の投稿を一読していただけたら幸いです。

この災害に関して、これまで犠牲者の遺族ら32人が国と長野県に総額3億7600万円の損害賠償を求めて起こされている訴訟をウォッチしていました。

自然災害で、なぜ裁判になるのか、不思議な印象を持たれる方も多いと思いますので、何が裁判の争点なのか、できるだけ分かり易く解説したいと思います。
お付き合い頂けたら幸いです。

御岳山には、当時地震計が設置されていました。
気象庁火山課職員は、その地震計に異常を検知しながらレベル2に引き上げなかったことが、争点の中心になっています。

裁判の争点を簡略すると

1.気象庁火山課の職員が噴火前にレベル2に引き上げなかったことの違法性
2.違法行為(1.)と原告の被害との間の相当因果関係
3.長野県は御嶽山に設置した地震計の維持管理を違法に怠ったのか
4.違法行為(2.)と被害との間の相当因果関係(および損害額)


これらの争点について、裁判所は1.のみを認定し、他の論点は否定した上原告の請求を棄却しています。

つまり、噴火の2日前に気象庁が噴火警戒レベルを引き上げなかったという判断は
  「合理性が欠けた
とするものの
  「その段階で、登山禁止などの対応をしていたも被害を防げたとは言えない
として賠償を認めず、遺族らは控訴しました。

その控訴審が、2024年5月22日に結審しました。
判決言い渡しは今年10月21日に決まりました。


75万年前に火山活動が開始され、悠久の時を経て現在に至る御嶽山。
その火山の力は、地元に温泉という宝をもたらし、登山者には四季折々の豊かな表情を余すことなく見せています。
さらには、御嶽教という信仰の対象にもなっています。

しかし、自然の力の鳴動は人知を超えることがあります。
登山される方は十分な装備をお願いいたします。

お付き合いいただきありがとうございました。


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