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高畠地域留学ー学びの記録ー

私はこの冬、山形県東置賜郡高畠町へ地域留学をしました。

ー高畠地域留学とは

高畠町に暮らすユニークな方々と生活や仕事を共にすることで、「くらし、なりわい、コミュニティ」を体験する。田舎ホームステイと山形県高畠町で行う地域巡り会いツアー。

コースが2つに分かれており、各コース4人ずつ。
主に高畠で農業を営んでいる方を訪問して農業やサバイバル的な暮らしを体験するアグリコースと、様々な業種の企業や団体を訪問し、職場体験やアイデアワークを行うクリエイティブコースがあります。

1週間のプログラムのうち、初日と最終日、発表日を除く4日間の中で様々な職場を訪問させていただきました。

ここでは、私が参加したクリエイティブコース
①移動スーパーとくし丸  ②愛犬のお宿エビスヤ
③高畠清掃  ④高畠熱中小学校
の活動内容や感想を中心にお話しします!

ー笑顔と元気を届けるとくし丸

1日目のインターン先は移動スーパーとくし丸です。

ー まずは地元のスーパーで仕入れ ー
大量にある商品の中からテンポよく、
丁寧に品選びをするとくし丸の山田さんの姿

ー野菜も人間と同じで日によって状態の良し悪しがある

素人の私にはすべて同じ野菜に見えましたが、山田さんは一つ一つの野菜を確認して、できる限り新鮮かつ自分が買いたいと思える品を選んでいました。1時間半程度かけて仕入れをした後、各家庭へ向かいます。なんと、1日約30軒、30〜60人のもとを訪問するとのことでした。移動販売は朝から晩まで続きましたが、日が暮れても疲れた様子を一切見せず、どのお客さんに対しても笑顔で話しかけている姿が印象的でした。

ースーパーの店員とお客さんの関係を越えて

お客さんのお宅や会社の目の前に車を止め、
商品を並べてスーパーを開店します。

約1日同行させていただく中で、感じたことが2つあります。1つ目はとくし丸は売り手と買い手を超えた地域の人との深いつながりを生み出していることです。お客さんから「いつも助かってます」「まだかなと思って待っていたわよ」といった声があり、とくし丸は利用者にとってなくてはならない存在になっているのだと感じました。
2つ目は効率よりコミュニケーションを重視しているということです。足腰の悪いお客さんのために玄関先まで商品を運んだり、時間が押していても満足のいく買い物ができるまで待っていたりする。そのような山田さんの気遣いと優しさがあるからこそお客さんとの間に信頼関係が生まれているのだと思います。

とくし丸のような移動スーパーを地域に普及させ、運営を続けていくためには様々な困難や大変さがあると思います。しかし、田舎に限らず"買い物難民"と呼ばれる人が増えている中、孤立を防ぐためにも移動スーパーの存在がより必要になってくるのではないかと感じました。

ー朝散歩から始まる1日

心地よい澄んだ空気、暖かな陽の光につつまれ
とても気持ちの良い朝でした。

2日目のインターン先は愛犬のお宿エビスヤです。
まずは、「近くに何があるか知ろう」ということで散歩をしました。

ー皆で食べる芋煮最高!

お昼はアグリコースの仲間と合流し、山形名物の芋煮をいただきました。アグリコースの仲間とぶどう農家の大野さんが、約3時間かけて火を起こし、作ってくれた芋煮は最高の味でした。

ー愛犬のお宿エビスヤでマップ制作


芋煮でパワーをつけた後はエビスヤへ戻り、マップ制作をしました。エビスヤ旅館は数年前にペットと泊まれるお宿として生まれ変わり、ドッグランやフォトスペースなどペットと楽しめるサービスが充実しています。今回はお客さんとペットが安心して楽しく散歩できるコースを伝えるためのお洒落なマップ作成に挑戦しました。マップを作るという経験を通して、普段旅先で利用しているマップは旅館のコンセプトやお客様のニーズに合わせるために様々な工夫がなされているということや、レイアウトやデザインに統一性を出すことがいかに重要かということを学ぶことができました。

エビスヤ旅館さんは山形の野菜や肉を使ったお料理がとても美味しく、旅館の方々もとても優しい方で素敵なお宿です。
高畠を訪れた際は是非行ってみてください!

ー高畠清掃での職場見学を通して

インターン3日目は高畠清掃での職場見学とアイデアワークです。ごみ収集から処理までの流れ、清掃会社が抱える課題…。清掃会社は私たちの生活に欠かせない存在であるにもかかわらず知らないことばかりでした。特に、不適切な捨て方をされたごみを手作業で分別していることやペットボトル1kgあたり1円〜10円にしかならないというお話には衝撃を受けました。これまで、リサイクルやゴミ処理問題を自分事として捉えることができていませんでしたが、実際に自分の目で見て、聞いて学んだことで、まずはごみの分別などできることから行動を変えていこうという意識が芽生えました。

午後は課題の把握と課題解決に向けた今後の取り組みについて話し合いました。具体的には、3K+1K(汚い、臭い、きつい、危険)のイメージの払拭と清掃業のメリットの周知の仕方について意見を出し合いました。職場見学をさせていただいて感じたことは、やはり実際に現場を訪れてみないとその仕事への十分な理解と自分のイメージとの差に気づくことは難しいということです。
今回提案させていただいた私たちなりの解決策が少しでも高畠清掃さんの課題解決に繋がっていると良いなと思います。

ー集って学ぶ、つくって遊ぶ熱中小学校の魅力とは

何を、誰に、どう伝えたいか

インターン4日目は高畠熱中小学校の生徒であるチェリーさんこと渡部泰則さんをお招きして、熱中小の魅力を伝えるYouTubeラジオ生配信を行いました。まずは午後の配信に向けた情報収集。それから、YouTubeラジオのタイトルを決め、質問の内容とラジオの流れを考えました。
メディアを通して発信するためには様々な準備が必要であることを学びました。

ーそしてついに生配信本番

慣れない環境にとても緊張していましたが、チェリーさんが熱中小の魅力を熱く、そして面白く語ってくださり楽しくお話しすることができました。お話を伺っていくと、熱中小は年齢や職業関係なく好奇心に満ちた方々が集まり、双方向的な交流を通して多様な人とのつながりが生まれる"主体的な学びの場"であることが分かりました。
また、クレソールプロジェクトというものがあり、生徒自身が何を学びたいか話し合って授業を作っていくという点に驚きました。
今回インタビューさせていただいたチェリーさんは63歳にもかかわらず学びへの好奇心に溢れた方で、「学び、挑戦する」ことに年齢は関係ないのだと感じました。

ー「 Have Fun 」

遊ばざるもの働くべからず。
お話を伺って、好奇心から生まれた遊びは深い学びとなるということを学びました。また、何歳になっても好きなことやりたいことに向かって挑戦し続けることが人生を豊かにするということを教えていただきました。

ーさいごに

高畠での1週間は体を動かして感じたり頭を使って考えることの連続で、息つく暇もないほど吸収することの多い日々でした。しかし、都会での生活のようにスピードや効率ばかり意識した生活とは異なり、一瞬一瞬を大切に、有意義な生活を送ることができました。また、noteを書いている今は体験から1週間以上経っているのですが、今でも昨日のことのように様々な出来事を思い出します。全身で感じて頭で考えたことは記憶に残りやすいのだと思います。

最後まで読んでくださりありがとうございました。次は今回とは少し異なる感じで地域留学で得た気づきをお話ししたいと思うので引き続き読んでいただけると嬉しいです。





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