第68回(2018.3)化学分析概論及び濃度の計量の解説 問6~問10

問6

ウインクラー・アジ化ナトリウム変法による溶存酸素の定量法についての出題は、第63回(平成25年)の問16で出題されて以来、久々の登場です。最近では溶存酸素の定量は隔膜電極法が主流ですから、ウインクラー・アジ化ナトリウム変法なんて知らない受験生も多いでしょう。
この分析方法の要点をまとめておきますね。

1.試料に硫酸マンガン(Ⅱ)溶液とアルカリ性よう化カリウム・アジ化ナトリウム溶液を加えて、白色の水酸化マンガン(Ⅱ)を生成させます。
2.生成した水酸化マンガン(Ⅱ)が試料中の溶存酸素によって酸化され、水酸化マンガン(Ⅲ)もしくは酸化水酸化マンガン(色はどちらも褐色)が生成します。
3.よう化物イオンの存在下で硫酸を加えて褐色の沈殿を溶解させると、溶存酸素量に対応した量のヨウ素が遊離します。
.でんぷん溶液を指示薬として加え、遊離したヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で青い色が消えるまで滴定します。

ここから先は

1,777字
この記事のみ ¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?