第68回(2018.3)化学分析概論及び濃度の計量の解説 問16~問20

問16

「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」に関する設問はよく出題されます。要点をまとめておきましたので、参考にしてください。

① ホルムアルデヒドの分析法としては現在、DNPH誘導体化―HPLC分析法が最も広く利用されています。(排ガス、作業環境、室内空気などで)
② サンプリング方法として、DNPH溶液を用いるインピンジャー法(吸収瓶法)がこれまで使用されてきましたが、現在は操作が簡単なDNPHコーティングしたシリカを充填したDNPHカートリッジ法(固体捕集法)が最も多く採用されています。
DNPH誘導体化法における妨害物質として、二酸化窒素が挙げられます。二酸化窒素はDNPHと反応して、2,4-ジニトロフェニルアジトを生成し、これがクロマトグラフにおいてホルムアルデヒドと似通った挙動を示しすので、二酸化窒素の体積分率が10 vol ppm以下の場合に限り、DNPH誘導体化法が適用されます。

(設問の解説)
選択肢の1と2は「JIS K 0303 排ガス中のホルムアルデヒド分析方法」に関する設問というより「JIS K 0095 排ガス試料採取法」に関する設問です。
下記のリンク先で解説していますが、選択肢の1と2の記述内容に誤りはありません。

超頻出テーマ:JIS K0095 排ガス試料採取法の解説

化学分析屋さんの分析ノート

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