『風死す』を読んで

丸山健二の風死すを清水の舞台から飛び降りて買い求めました。
77000円は痛かったのですが、遺作と聞いては黙っていられません。
早速梱包を解いて手にすると、意外に造りはしっかりしていてどっしり重く、読書は体力だ!と吠えました。
内容は相変わらずの晩年丸山節。
奇をてらったレイアウトというか、ノンブルがめちゃくちゃ字が小さい。
老眼が進んだ高齢者に優しくない。
文体も文字面も奇をてらい過ぎて数十ページでギブアップ。
超文学にはなかなかついていけませんでした。
文芸思潮の牧野出版の社主の対談ではないですが、これからの出版の形式を丸山健二は示していますが、もう少し高齢者にはわかりやすい遺作にしてほしかった。
『家の中が本だらけだよ、なんとかしろ』という家内の釣り上がった眉が怖い!
加賀乙彦の帰らざる夏も重かったけど、ドストエフスキーの死の家の記録もかなり分厚い。
佐藤泰志はそこへ行くと40歳で自殺したので作品数は少ないので、家内は説き伏せることができた。
先日の丸山健二のサロンで佐藤泰志の『きみの鳥はうたえる』を取り上げてもらったけれど、先生もいいと言ってくれた。
芥川賞の候補は3回ではなく5回ですよ。
期待を集めては落ち、それを5回もやったら死ぬ気にもなるでしょう。
どこかで取らせるべきだったけれど、あの頃の選考委員の開高健がアレもダメこれもダメで、既得権を侵されるのを嫌がっていることが見え見えで、気分が悪い。
ま、いいや。
よくないけれど。
今の作家は話題先行実力皆無で、文壇が吉本やジャニーズに尻尾を振っているようで気味が悪い。
ハルキもノーベル賞は今年もなさそうだし、取れるとしても20年後?

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