見出し画像

和食の始まり

和食という文化が始まったのはいつからなのでしょう。
諸説ありますが、675年 天武天皇による「肉食禁止令」が発令されたのが始まりと言われています。


肉食禁止令:牛・馬・犬・猿・鶏の肉を食べてはいけない
(発令された当時よく食べられていた鹿や猿は禁止されなかった。しかし、奈良時代以降キジや鴨以外食べられなくなった。明治時代に解禁。)


肉食が禁じられたことにより、魚(動物性タンパク質)大豆と米(植物性タンパク質)で栄養を補給するようになった。これが健康長寿効果の高い食文化のきっかけになりました。

肉がない物足りなさを、だし取りの工夫、彩も鮮やかなおもてなし料理、精進料理、本膳料理、懐石料理に繋がりました。

ユネスコ無形文化遺産

「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた
「食」に関する「習わし」を、
「和食;日本人の伝統的な食文化」と題して、
2013年12月にユネスコ無形文化遺産に登録されました。
(2022時点で、日本は22件登録されています)

無形文化遺:芸能 / 伝統工芸など形のない文化、
      土地の歴史や生活風景など密接に関わるもののこと


ここで登録された「和食」の特徴は4つあります。

和食4つの要素
https://www.maff.go.jp/j/keikaku/syokubunka/ich/

①「多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重」
日本の国土は南北に長く、海、山、里と表情豊かな自然が広がっているため、各地で地域に根差した多様な食材が用いられています。
また、素材の味わいを活かす調理技術・調理道具が発達しています。

②「健康的な食生活を支える栄養バランス」
一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスと言われています。また「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、日本人の長寿や肥満防止に役立っています。



③「自然の美しさや季節の移ろいの表現」
食事の場で、自然の美しさや四季の移ろいを表現することも特徴のひとつです。季節の花や葉などで料理を飾りつけたり、季節に合った調度品や器を利用したりして、季節感を楽しみます。



④「正月などの年中行事との密接な関わり」
日本の食文化は、年中行事と密接に関わって育まれてきました。
自然の恵みである「食」を分け合い、食の時間を共にすることで、家族や地域の絆を深めてきました。

これをきっかけに世界で「和食」が注目され始めました。


umami

和食が注目される原因の一つにほかの食文化との違いがあります。
洋食の特徴としては素材の味をそのまま活かすというものがあり、ほとんど調味料を使わずシンプルな味付けをした後に盛り付け提供されるものがほとんどです。
和食ではうま味を持つ多様な種類の「だし」が使われており、使う調味料を控えることができる点があります。
確かに洋食や中華料理でも鶏がらだし等が使われることはありますが、それは和食に使われるだしとは種類も量も異なります。和食に使われるだしの種類には昆布や鰹・あご等の魚から得られるだしや、また椎茸やほたて等の貝類から得られるだし等があり、これらの組み合わせもまた多くのものが存在しています。

だしなどに含まれているうま味は東京帝国大学・池田菊苗博士が発見しました。
甘味、塩味、酸味、苦味と並ぶ基本5味のひとつとして世界でも認められ、今では「うま味(UMAMI)」という用語が国際的に使用されるようになりました。

では、なぜ日本でうま味が生まれたのでしょうか。

それは、日本の水が軟水でだしを取りやすい水質だったことや、昆布、鰹といった旨味のみが出る食材に恵まれたことに関係しています。
料理に使用しやすい水に恵まれた日本だからこそ、うま味を上手に使い和食ならではの繊細な味わいを生み出すことができました。

https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkazai/shokai/mukei_bunka_isan/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?